昔ながらの三進式の町家を知ろう!そこにある民芸店・茶屋・カフェバーを楽しもう!
こんにちは、台北ナビです。
近ごろの大稲埕(迪化街を中心とするエリア)は、古さと新しさが見事に融合し、独特でオシャレな雰囲気をつくりあげています。1920年代、台湾北部の経済の中心地として最盛期を迎えて以降、そのにぎやかさに陰りがみられる時期もありました。しかし、今では多くの若者や観光客が訪れる一大観光スポットに。そのきっかけを築いたのは先日ご紹介した「小藝埕」であり、そこを運営する世代群(Sedai Group)。
本日は彼らが「小藝埕」の次にオープンした「民藝埕」をご紹介します。
台湾の町家(街屋)
2012年オープンの「民藝埕」は、このエリアの2大ランドマーク「永楽市場」(2階は布市場)と「霞海城隍廟」(恋の神様月下老人が祀られている)の並びにあります。この建物は1920年代に建てられ、日本の町家のようにウナギの寝床(考えてみれば、日本統治時代の建築なので共通項があるのでしょう)。通りに面した場所から奥に向かって一進・二進・三進と呼ばれています。それぞれの進は中庭でつながれている構造です。「民藝埕」の建物は歴史的建造物に指定されているため(このエリアの多くの建物もそうですが)、大規模な改築は禁止されているそう。そのため、昔のままの骨格を保ちながらリノベーションしており、店舗間と中庭を通ってそれぞれの店に入る形です。
通り抜けは構造上しょうがないこと。店の方も承知の上なので気にせず通りましょう。ついでに他の店を見れちゃうのは、顧客にとっても店側にもプラスなはず。さらに、同系列の「眾藝埕」(後日ナビでレポート!)は三進の向かい、路地を挟んだ先なので、ここへ行くのにも通り抜けOKだそうですよ。通るたびにお店の人と会釈をかわすのも、なんだかちょっとした人と人との交流があっていいじゃないですか!これこそ大稲埕エリアのよさではないかな~とナビは思いました。
ちなみに、一進はかつて火事で一部消失してしまい再建したそう。二・三進は昔のままなので、2階はちょっと斜めに傾いてるんですって。だから人数制限ありだとか。
ショップ-ショップ-カフェバー+茶館-イベント空間
「小藝埕」同様「民藝埕」を運営するのは世代群。管理方法も「小藝埕」のように各種ショップが入店し、1つの「民藝埕」を構成しています。基本、それぞれの進にそれぞれのショップがある形です。
それでは、1階から見てみましょう。
<一進:陶一進>
10:00~19:00
Tel(02)2552-1367
迪化街は古くからお茶屋さんも多いエリア。ココは、お茶とは切っても切れない縁の陶磁器の店です。店名の一進は、もうすでにおわかりの通り建築構造から。さらに、こちらは「民藝埕」の名の由来でもある民芸品を主に扱っています。民芸運動を行なった柳宗悦の息子であり、インダストリアルデザイナー柳宗理の作品もあります。
<二進:陶二進>
10:00~19:00
Tel(02)2552-1367
中庭の先にあるのが「陶二進」。こちらは主に台湾の作家に焦点を当てた品揃えです。人気の「台客藍 Hakka blue」は要チェック(「陶一進」の店頭にも一部置かれています)。台湾を意識したデザインで旅の記念によし!何より民芸品である陶磁器は、帰国後の実生活で活躍してくれること間違いなし!Made In TaiwanならぬCreative In Taiwanだという「台客藍」をお土産に持ち帰りましょう。
<Le Zinc洛>日~水10:00~19:00、木~土10:00~23:00
Tel(02)2552-1367
メインストリート迪化街から最も奥まったところにあるカフェバー。店内に一歩足を踏み入れたらその雰囲気に魅了され、思わずワインやビールでまったりしたくなっちゃうはず(通り抜け予定の人は要注意!?)。ナビが取材中にも、台北ッ娘がホットワイン片手に女子会中。そこへ近所のおじいちゃま2人組がやってきてハイチェアーに座ってチビリ。いろんな年代が集える空間、 迪化街らしくてステキです!
壁の展示は定期的に変わります
<南街得意>11:00~19:00
Tel(02)2552-1367
迪化街に面した2階は茶館。
台湾茶・中国茶専門の洋風スタイル茶芸館かと思いきや、ハーブティーや世界各地のお茶も多数。今後さらなるメニュー改革も行なう予定だとか。また、日本語で受講できるお茶講座もあり。なんと講師は本日「民藝埕」を案内してくれた世代群のAliceさん。だからお茶のいれ方だけでなく、お茶と街の歴史を含めた講義が受けられるのだとか。ちなみに、台北ナビでも講座の予約を後日受付予定です。お楽しみに!
時間がたつのも忘れそう・・・
2階二・三進:イベントスペース
イベントや展示会に使用されるほか、会議スペースとしても貸出可能。ただし、修繕済みといえどもその古さゆえ、人数制限あり&飛び跳ね厳禁。人数を超えると建物に影響ありだそうですよ。今後こちらの約半分のスペースを「南街得意」のお茶スペースとして開放予定。立ち入りの際には歴史の重みを噛み締めつつ、慎重な足運びを心がけましょう。
一進から二・三進を通り抜け「眾藝埕」へ
上述した通り、迪化街側からショップに入り「Le Zinc洛」のドアから外に抜けると裏路地に。その斜め向かいにあるのが「民藝埕」の系列店「眾藝埕」です。ここまで来たなら、ぜひ併せてチェックしたいものです。どうせなら、三進式建築を体感するべく店内を通り抜けしちゃいましょう!
また、迪化街を軸に「小藝埕」や「聯藝埕」「學藝埕」もあります。すべてを巡って迪化街エリアの歴史を感じてみるのもオススメです。
以上、台北ナビでした。