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「天然からすみ専売店」である吉利号、国内では各界から何度も表彰されている老舗店です

こんにちは、台北ナビです。 
からすみは、ボラの卵を塩付けし乾燥した高級珍味で、台湾は台南の名産の1つ。一度食べると一生忘れられないとも言われるほどの極上の味で、もちろん台湾を代表するお土産の王者でもあります。
今日は、1935年創業のカラスミ老舗店「吉利號」にやってきました。台湾の古都台南、中でも最も古きよき街が「安平」。交通の便は決していいとはいえませんが、台南運河が流れる通りには、近年台南を代表する「周氏蝦捲」など台南小吃の美食店が軒を並べ始め、「吉利號」はそこから徒歩2,3分のところにありました。
ここを右へ

ここを右へ

お店の入口

お店の入口

3Fはからすみ製作室

3Fはからすみ製作室

500巷に着いたら、すぐわかります

500巷に着いたら、すぐわかります

こちらへどうぞ

こちらへどうぞ

老舗の風格

老舗の風格


500巷を入って行くと、お店はコーナーにあるので、遠くからでもすぐわかり、店頭には第2代許賢振氏が命名した「吉利號」の看板がずっしりと重みをもって掲げられていました。
にこやかな表情で迎えてくれたのは、第3代の許欽漢さん。現在は4代目の許文侯さんも手伝っています。 

「吉利號」のカラスミ

こちらは価値のあるものです

こちらは価値のあるものです


1935年、「吉利號」は日本の長崎県からからすみ職人を招いて作り方を伝授してもらいました。その後70年来、昔ながらの作り方にこだわり続けてきています。
現在3代目にもその作り方は確実に受け継がれ、その伝統と誇りは多くの人に認められ、台南だけでなく台湾を代表するお土産の1つとして、2008年には経済部(日本でいう産業通産省にあたる)からも表彰されました。台南市からは2007年から毎年、台南を代表するお土産賞を表彰されています♪
先代の技を受け継いだ結果、輝かしい功績をおさめています 先代の技を受け継いだ結果、輝かしい功績をおさめています
先代の技を受け継いだ結果、輝かしい功績をおさめています 先代の技を受け継いだ結果、輝かしい功績をおさめています
日本語の説明もあります

日本語の説明もあります

4代目許文侯さんと3代目許欽漢さん

4代目許文侯さんと3代目許欽漢さん

先代の技を受け継いだ結果、輝かしい功績をおさめています

きれいでしょ?

きれいでしょ?

奥深い味と芳醇な香りで、台湾を代表するお土産として好まれるからすみ、お酒のおつまみにと買う人が多いですが、からすみは、豊富なタンパク質や各種アミノ酸を含んでいます。
特に脂質の部分には、EPAやDHAの高度不飽和脂肪酸なども含むので、お酒好きのお父さんのためだけでなく、家族皆で食べられる、特に子供さんには栄養面でも評価されますね。またこれらの脂質が甘くて、食べた時歯にくっつくモチモチした食感を作り出しているのです。 

料金設定も分かりやすい

ボラは毎年12月~翌年の1月、台南の安平と高雄県の茄萣郷の海域で捕獲されます。収穫期になると、皆朝5時には港へ調達に向かいます。毎年冬至の前後10日間が最良の収穫期と言われているそうです。許さんの話しによると、近年は世界的な温暖化の影響で、昔と比べボラの収穫量も20%強減少したそう。よって、価格もじわじわと上がってきているのです。
港で取りだされた卵は、安平の「吉利號」3Fの作業場に運ばれます。品質のいいものを見極めるのも職人の技。子供の頃は600gほどの卵を見たこともあったよ、と3代目の許さんが話してくれました。

店頭では100gから350gまでが主。料金設定も明確です。
高級 / 110~165g、100gにつき700元
特級 / 170~195 g、100gにつき740元
頂級 / 200~245 g、100gにつき800元
極品2 / 250~295 g、100gにつき900元
極品 / 300~345 g、100gにつき950元
極上品/350 g以上、100gにつき1050元

分かりやすく100g830元、200g1600元、250g2250元、300g2850元というような表示もありました。焼きあがったからすみも同じ料金です。焼いたことで水分が飛び、サイズは少し小さく見えます。
左から200g、250g、300g

左から200g、250g、300g

焼き上げていて、開封後すぐ食べられるからすみ

焼き上げていて、開封後すぐ食べられるからすみ

半分だけの購入もできます

半分だけの購入もできます

箱のサンプルもあるので、わかりやすいです 箱のサンプルもあるので、わかりやすいです

箱のサンプルもあるので、わかりやすいです

徹底的に手作り

建物の3Fで作業が行われます

建物の3Fで作業が行われます

1935年の創業以来70年余り、昔ながらの作り方とこだわりの味を守り続けるには、天候(温度、湿度)の変化にも敏感でなければなりません。
早朝に取り出された新鮮な卵は、朝8時くらいから血抜き、塩漬け、塩抜き…1日目の作業はここまでで、許さんご夫婦と息子2人、家族4人でこの作業を行います。
次の日は「吉利號」の特色である丸い形に整える「成形」の過程に入ります。
この過程は家系秘蔵の技だそうで、外部の人は立ち入ることができません。
これが「吉利號」のからすみ製作台

これが「吉利號」のからすみ製作台

昔ながらの竹で組んだ台を使用

昔ながらの竹で組んだ台を使用

初代から使用している干し板

初代から使用している干し板

夏場はガランとしています

夏場はガランとしています

4代目の許さん、初代の板を持っています

4代目の許さん、初代の板を持っています

一般のからすみが大きく、しかし平たいのに対して、「吉利號」のものは、丸まって小さく見えますが、その厚みは約2㎝!贈答品としての見た目がいいだけでなく、噛んだ時の食感なども格別のものがあるのです。
ナビはごく薄く切ってもらったものをいただきましたが、許さんが最初から噛まないで、まず口に含み、その味を楽しんでくださいという言葉の通りにしたところ、なんと薄いのに口の中で崩れない、更に香りと粘っこさが口の中に浸透してくる感じがあります。やっと噛んでみると、甘味とコクがモチモチと歯にくっつきながら、口いっぱいから鼻へも広がっていきました!
この厚み

この厚み

指を置いてみました

指を置いてみました

手も置いて比べてみます

手も置いて比べてみます

野生の上質のものは下部に血管の痕があり、養殖にはこれがありません

野生の上質のものは下部に血管の痕があり、養殖にはこれがありません

野生のものは光を通すとオレンジ色で、血管が透き通って見えます。
養殖のからすみはホルモンを打つこともあるのだそうで、このような透明感はなく、しかも土っぽい味がするそうです。 
中はしっとり、光沢があります

中はしっとり、光沢があります

セラミックナイフがよく切れます

セラミックナイフがよく切れます

血管がきれいに見えますね

血管がきれいに見えますね

どうですか?この透明感

どうですか?この透明感

光沢とはこのこと

光沢とはこのこと

しっとり感から、食感のモチモチがよくわかります

しっとり感から、食感のモチモチがよくわかります

カラスミの加工過程について

昔の量りがありました

昔の量りがありました



まずは、嚴選したボラの卵を取りだし血拔き。
その後、塩付け→塩拔き→整形→乾燥製品となります。
(1) 嚴選したボラの卵
吉利号のからすみは、 海で捕えた天然の卵を使用。仕上がった時の透明感と光沢、味と香りに格別のものがあります。
(2) 血拔き
天然ボラの卵の表面にある血管を 手作業で丁寧に取リ拔きます。

(3) 塩付け
適量の塩を均一にまぶし、約1時間塩付けします。 

(4) 塩拔き
適量な塩付け後, 余分な塩を水で洗い流します。ナビは塩漬けの時間はもっと長いのかと思っていたら、1時間以上は卵が本来持つ旨味を損なってしまうからだそう。

 (5) 整形乾燥
熟練の技と経験で行う伝統製法。天候の温度や湿度の変化に合わせ、時間を調整しながら慎重に加圧。一つ一つを職人の手で丁寧に丹精込めて作ります。丸くするこの過程が「吉利號」の特色を打ち出すところなので、一番時間がかかるそうです。

(6) 製品
2cmの厚みで外側は硬く、でも中はしっとり。品質にこだわる「吉利號」は、数日の天日乾燥を繰り返し、一つ一つを手間と時間をかけていきます。丹念に仕上げる「吉利號」のからすみのおいしさの秘訣はそこにあると言えるでしょう。14日間かけて100枚を製品にし、2日休んだ後、更に14日間で同じくらいの量を作ります。この繰り返しで、1年間で3000枚から4000枚の量を冬の間に生産し、少しずつ販売していきます。売れ行きがいい場合は、秋口にはもうなくなっていて、その年の12月にまた新しいものが生産されるというわけです。 

いろいろな食べ方

「吉利號」のからすみは、すべて海で捕れた野生のボラの卵巣を使用しているので、食感はチーズのように濃厚で、旨みが濃縮された奥深い味わい。軽くあぶった後、薄く切って食べてみるだけでもその旨さは十分わかります。

【からすみの上手な焼き方】
材料:からすみ、酒(コーリャン酒ならなおよしだそう)
調理方法:生からすみを水につけてすぐに薄皮を剥ぎ取って酒を塗ります。炭火で両面をくり返して白泡が浮ぶ程度に炙ります。高温で素早く焼くと、わずか数秒で表面はパリッと、中は半熟の状態になります。薄斜めに切ってお召し上がりください。台湾のレストランだと、ニンニクの葉と大根の薄切りが添えられ運ばれてきます。これらの真ん中にからすみを挟んで食べるとおいしいんですね♪
他にも温かいご飯に薄くスライスしたからすみをのせて海苔、わさびを添えてお茶漬けとしてもおいしく召し上がれます。カラスミスパゲッティもおいしいですよね。 

保存方法

日本のTV番組でも紹介されました

日本のTV番組でも紹介されました


からすみは天然の珍味なので、なるべく早めにお召し上がり下さいとのこと。真空パックしたからすみを保存する場合は、新聞紙などに包んで更にビニール袋に入れて、冷凍庫に入れると長期間保存できるそうです。生のからすみも、冷凍庫がいいそうで、表面に白い粉状のものが付着した場合は、お酒で軽くふき取れば大丈夫。品質に変わりはないので、安心して召し上がって下さい。
「吉利號」では、開封後すぐ食べられる焼き上げたカラスミの真空パック販売もしています。こちらは常温で、開封後薄くスライスして味わってください。
ナビはすぐ食べられるカラスミの方が便利でいいなと思いましたが、許さん曰く、日本人の70%は、生のカラスミを購入していくそうです。日本のTV番組取材班も訪れたという「吉利號」の老舗店。安平のここまで購入に来る日本人の方たちを十二分に満足させてくれる品質が待っています。 
半分でもきれいな箱に入れてくれます

半分でもきれいな箱に入れてくれます

冷蔵か冷凍か、一目瞭然

冷蔵か冷凍か、一目瞭然

長時間外にいる方には、ドライアイスとアイスボックスのサービスもあります 長時間外にいる方には、ドライアイスとアイスボックスのサービスもあります

長時間外にいる方には、ドライアイスとアイスボックスのサービスもあります


さて、こちらのからすみは、ランディス台南(大億麗緻酒店)ホテルの1Fロビーでも常時販売されています。どうしても安平まで行く時間がない方は、こちらでの購入も可。但しお店まで足を運んでくれた方には、特別サービスがあるとのこと。その時は台北ナビを見たとお伝えくださいね♪
台南で最高級のホテルで販売されているなんて、それだけで味や品質は、保証付きということですね。
以上、台北ナビでした。

記事登録日:2013-07-09

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2013-07-09

スポット更新日:2013-07-16

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