台北で18年の歴史を持つ老舗ケーキ店をご紹介!気になるのはこだわりのお店づくり。その原点となった一号店で、人気の秘密に迫ります!
こんにちは、台北ナビです。
台北旅行のお土産と言えばパイナップルケーキですが、ほかのスイーツも気になる!という方、「Amo」というケーキ屋さんをご存じですか?台北駅地下街の近くや、MRT「市政府」駅近くの三越にも店舗があるので、ケーキを買ったことのない人でも、ピンクをベースにした可愛らしいロゴマークを見かけたことはあるのでは。
実はここ、地元の人なら誰でも知っている有名店。商品の品質だけでなく、サービスやパッケージにもこだわったお店づくりで、老若男女に愛されているんです。今回は台湾各所に店舗を構える「Amo」の原点、「萬華創始店(一号店)」を取材してきました。甘党の方は必見ですよ!
一号店は台北鉄道「萬華」駅の正面にあります。MRT「龍山寺」からもアクセスがよく、2番出口をまっすぐ5分も行けば到着。取材の日も龍山寺の観光がてらお土産を買いに来たという日本人の方に遭遇しました。店内はケーキのショーウィンドウとレジのみといういたってシンプルな造り。しかしこの「萬華創始店」は、台北市内に7店舗、新竹、台中にもそれぞれ支店を持つ人気ケーキ店の原点となった店舗です。ショーウィンドウにはチーズやチョコレートなどスタンダードなケーキがずらり。デコレーションは控えめです。これにパイナップルケーキが加わったラインナップも極めてシンプル。それでもお客が後を絶たない人気の秘密は、Amoの創立から貫かれる並々ならぬこだわりにありました。
オーナーは大の日本好き
「Amo」の一号店がオープンしたのは今から18年前。まだMRTもなかった台北で、鉄道の「萬華」駅近くの路地に開店しました。そもそもこのお店ができたのは、オーナーの周正訓さんが東京で食べたケーキが発端だったそうです。もともと大の日本好きの周さんは、何度も日本を訪れていましたが、東京のケーキが台湾に比べて特別美味しいことに気がつきました。その頃の台北にはケーキ専門店がなく、ケーキはパン屋さんの片隅で売られているものだったそうです。そこで周さんは「台北にもケーキ専門店を」と一念発起。「萬華創始店」はこうして誕生したのでした。
「Amo」という店名は中国語では阿黙と書きます。もともとはラテン語で「好む、愛好する」という意味を持つ「アモ」の音からつけられましたが、中国語表記の「黙」という字には、「お客さんの満足のために黙々と努力する」という意味が込められているそうです。またお店のお花のマークには、6つの花びらがあり、1つひとつの花びらはそれぞれ「新鮮、健康、美味(おいしさ)、尊榮(ロイヤル)、喜悅(喜び)、分享(分かち合い)」というお店の理念を表しています。
一号店は「萬華」駅近くの路地からスタート
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マークの花びら一つひとつにお店の理念が込められています
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開店時はチーズケーキ一本で勝負
開店当時のメニューはチーズケーキのみ。しかし、たった一つの商品に絞り、その分原料と味にこだわったケーキはたちまち評判となり、数か月で台北市内にその名を広めることになりました。1号店のオープンから3年後には新作の「荷蘭「貴族手工蛋糕(オランダ風ロイヤルバターケーキ)」を送り出し、これもたちまち大ヒット。ケーキ市場を席巻する事態となるのです。しかし、その後も闇雲にメニューを増やすことはせず、試作に試作を重ねた末に新作を発表するのがAmoのスタイル。その姿勢を貫いたからこそ、品質を落とさず今でもお客さんが絶えないのです。
だいたい1年に1品というペースで発表してきた商品は15種類にまで増えましたが、どれも甲乙つけがたい人気を呼んでいます。今でもケーキを作る職人さんたちは、日本各地に研修に行っているそうで、世界に誇る日本のケーキ作りの技術を、新作の開発に生かしているそう。なんだか嬉しいですね。また接客やサービスも日本のケーキ店に学んでいるそうで、女性スタッフによる細やかな対応や、雨の日にビニールカバーをかけてくれる心遣いなどに反映されています。日本人にとってとても心地よいお店になっているのはそのためです。
日本語の書いてある写真入りメニューもあります
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女性スタッフが多くサービスが細やかなのも魅力
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一番人気は日本風ケーキ
この日ナビたちを案内してくれた広報の李さんにおすすめ商品を聞いたところ、中でも一番人気は「日本高鈣乳酪蛋糕(日本風ハイカルシウムチーズケーキ」だそうです。さっそく試食させてもらうと…味わいはとってもまろやか。見た目もシンプルですが、甘さ控えめのあっさりした風味で、ソフトな食感が特徴です。「日本真咖啡蛋糕(日本風コーヒーケーキ)」はチーズのかわりにモカなどのコーヒー豆が加わったもの。口にするとほんのりとコーヒーの風味が漂います。
子供たちに人気が高いのは「義大利焦糖馬仕卡邦(イタリア風キャラメルマスカルポーネ)」。Amoのラインナップの中では一番甘みが強いので、甘党にはこちらがおすすめです。逆にちょっとビターな大人の味を楽しみたい人には、「瑞士古典醇黑巧克力(スイスクラシックダークチョコレート)」。いわゆるガトーショコラですが、上品であますぎず、後味もさっぱりしています。「阿默提拉米蘇(AMOティラミス)」と「阿默摩卡馬仕卡邦(AMOモカマスカルポーネ)」は、原料も味もほとんど同じですが、ティラミスは二層になっていて形もそれぞれ違うので、TPOに分けて買い求めることができます。
日本高鈣乳酪蛋糕(日本風ハイカルシウムチーズケーキ)240元。食感がソフトで甘さは控えめ。
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荷蘭「貴族手工蛋糕(オランダ風ロイヤルバターケーキ)290元。日本人にはこちらが人気だそうです。
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日本真咖啡蛋糕(日本風コーヒーケーキ)250元。ほんのりコーヒーが香るさっぱりしたケーキ。
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台灣蜂蜜千層蛋糕(台湾風ミルフィーユカステラ)280元。オランダ風よりもソフトで、少しリキュールの風味がします。
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澳洲醍醐蛋糕(オーストラリア風チーズケーキ)。370元。スタンダードで食べやすいチーズケーキ
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瑞士古典醇黑巧克力(スイスクラシックダークチョコレート)280元
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瑞士古典醇黑巧克力(スイスクラシックダークチョコレート)はハート型もあります
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パッケージもこんなにキュート
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阿默提拉米蘇(AMOティラミス)小さいサイズが300元、大きいサイズが420元。阿默摩卡馬仕卡邦(AMOモカマスカルポーネ)は同じ風味で一層の円型です
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瑞士巧克力莓果蛋糕(スイス風チョコベリーケーキ)380元。自慢の新作ですが溶けやすいので残念ながらお土産には不向き
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保存も利くのでお土産に利用も可
15種類とはいえ、今ではどんな好みにも対応できる豊富な品ぞろえとなっています。全商品試食したナビの感想は、とにかくどのケーキも、一言で表すと上品な味だということ。原料にこだわっているだけあって、甘さも苦味もクドさがないので、どれを選んでも外れはありませんよ。ただし一つだけ注意点が。「美國紐約乳酪蛋糕(アメリカ風ニューヨークチーズケーキ)」というレアチーズケーキは、特に濃厚なレアチーズが食べたい!という人たちの声に応えて作ったそうで、かなり濃厚。これだけは好みが分かれると思います。ナビは特別チーズ好きというわけではないので、正直言って一口で充分という感じ。冷蔵庫で6日しか持ちませんので、心してお買い求めくださいね。
パイナップルケーキは2週間、保存が効く見るミルフィーユなども10日ほど日持ちするので、日本へのお土産にすることも充分可能。日程の最終日に訪れて、お土産を買っていく観光客の方が多いそうですよ。
美國紐約乳酪蛋糕(アメリカ風ニューヨークチーズケーキ)270元。これだけは好みがわかれそう
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フィナンシェ(8個入り240元)もあります。お土産にぴったりです
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一号店ならではの魅力もあります
一号店のスタッフ。真ん中の女性が店長
台北駅やSOGOの近くなど、アクセスのよい支店の方が便利なのですが、ここ「萬華創始店(一号店)」には他にはない魅力があります。地元の人が通う老舗店舗なので、繁華街のお店と違ってのんびりした雰囲気。ナビたちが取材している間も、近所のおばあさんやおじさんたちがバイクで乗りつけ、慣れた様子で大量のケーキを買っていくのを見かけました。そんな常連さん達を横目で見ながら、彼らの選んだケーキを真似してみるのも一興です。
しばらく店頭にいたら、台湾の「彌月蛋糕」という文化に触れることができるかも。これは赤ちゃんの生後1カ月を祝って、近所にケーキや油飯(ちまきの中身のような蒸したご飯)を配る台湾に古くから伝わる習慣で、大量のケーキを注文している女性を見かけたら、「蜜月蛋糕」だと思って間違いありません。取材日にも100個のケーキを持って帰るママに遭遇!「前からここのケーキはおいしいって知ってたし、品質もいいからみんなに配ることにしたのよ」とのこと。予約するとメッセージカードに赤ちゃんの写真を印刷してくれるサービスもあるので、「蜜月蛋糕」に利用する家庭が多いそうです。ハッピーなママに出会うのも旅のいい思い出になりますよ。
ゆっくりケーキを選べる店内
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地元の人たちも次々に買いに来ます
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台湾で1,2を争う有名ケーキ店には、20年近い歴史の中で培われてきたこだわりの商品とサービスがありました。
並々ならぬプライドを持ってお店づくりをしている「Amo」のケーキ、ナビも自信を持っておすすめします。今度の台湾旅行では、お土産にもどうぞ!
以上、台北ナビがお届けしました。