夜市とはまた違う、生活感溢れる迷路のような市場に足を踏み入れてみませんか。きっと台湾人の生活が垣間見れるはず!
こんにちは!一青妙です。台湾には古くから続く伝統的な市場があり、デパートの食料品売り場で食材を購入する人が多くなった今でも、新鮮な野菜、肉、魚等を求める人々で活気溢れています。今回紹介するのは信義路と仁愛路の間にある金山路に位置する「東門市場」。高級住宅街に位置するため、「金持ちがブラブラする市場」と揶揄されることもあり、多くの高級食材や美食にありつける市場でもあります。ちなみにこの市場、私が台湾に住んでいた時の家から一番近かった市場。小さい頃良く母や叔母に連れられて買い物をし、小腹が空いたら美味しいものを食べた記憶があります。
すっかりご無沙汰しているので、変わってないといいな~と思いながら行ってきました。
〜歴史〜
1928年(民国17年)にできた「東門市場」。当初は日本政府が台湾にいる日本人のために作り、その後国民党がやってきてこの場所に根付き、外省の味をこの市場で広めたんだとか。もともと1ヵ所にあった市場は道路拡張により、現在は金山南路を挟んで東西に広がっています。トタン屋根が繋がった日本古来の木造建築でできているこの市場、80年以上経ち、この近くに住んでいた当時の人がこの市場を訪れると、皆口々に「ちっとも変わっていない」と驚きます。
早速東門市場の中を歩いてみましょう!
金山南路を挟み、東門外市場と東門市場に分かれています。東門外市場は露天市場(道路から「東門外市場」の看板が見えます)、向いの東門市場は赤い「東門興記」の看板が目印で、では、その横の小道を進んで行きましょう。屋根がついていて、ところ狭しと食べ物屋さんから乾物店、洋服屋、肉•魚•青果店と並んでいますよ。
「菜脯」は、私が大好きな台湾のタクアン。溶き卵の中に、細かくした菜脯とネギのみじん切りを入れて卵焼きのように食べる「菜脯蛋」は、台湾で最もポピュラーな家庭料理かも。日本に買って帰る場合は、かなり匂いがあるので気をつけて下さいね!
市場で買うお肉やお魚は、その場で好きな大きさに切ってくれたり、きちんと下処理もしてくれるから、スーパーで買うのと違って、わがままが言えますよ!
キョロキョロしながら歩き続けて行くと、左手に看板のないお店が現れます。
なんだろうと思って近づくと、帽子を被り人懐っこい笑顔を向けてくれたお兄ちゃん。カメラを向けたらお茶目なポーズをすかさずとってくれたので思わずこっちもニッコり。
私が日本から来た事を伝えると、「市場を案内してあげるからついて来なさい」って。
市場の皆から「アチー」と呼ばれているお兄ちゃん。
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「アチー」お兄ちゃんのお店は「練り物」中心。キムチなどもありました。
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アチーお兄ちゃんに何か美味しいものが食べたいと言ったら、生鮮食料品を売っているお店を通り抜けて、衣料品を売っている路地をひたすら直進。
ワコールや資生堂といった日本から輸入しているらしき(?!)歴史有るお店が並んでいます。(商品もかなり年季が入っている感じですが•••)
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洋服のお直しをしてくれるお店
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どんどん人通りが少なくなり、暗くなって行くので不安になっていたら赤い看板が見えて来ました。案内してくれたのは「東門豆花」店。このお店、店内の座席数が10席くらいの小さなお店。メニューは豆花、豆乳のみ。全て手作りで、当日の朝に作ったものしか出さないポリシー。買い物客や市場の人がフラッと立ち寄っては豆花を注文し、食べ終わったらサッと帰って行き常に満席状態。いつも午後1時過ぎ頃には売り切れてしまって閉店するとの事。冬場は生姜汁を加えて食べれば体もポカポカですよ。
素っ気ない店構えの「豆花店」。でも味は保証します!
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いかにも手作りの豆花。売り切れ次第閉店
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「江記東門豆花」
住所:台北市金山南路一段142巷内 営業時間:7:30~14:30 休業日:月曜
羅媽媽米粉湯
「羅媽媽米粉湯」は東門市場で店を構えてなんと52年の超有名な老舗。豚骨でとった濃厚なスープは一口食べたら忘れられない美味しさでした。
「羅媽媽米粉湯」住所:東門市場第17、18号攤 営業時間:10:00~14:00 休業日:隔週月曜
黄媽媽小吃
「黄媽媽小吃」住所:東門市場第13号攤 営業時間:6:30~15:30 休業日:年中無休
〜東門市場側のお店〜
路地を出て最初に入った金山南路に戻ってみましょう。興記食品行を信義路方面に歩いて行くと、「放山鶏専售店」「東門檳榔」「東門鴨荘」の順でお店が並んでいます。「放山鶏専售店」は地鶏を売る専門店。テイクアウトのみ。美味しそうな鶏肉が沢山ありました。
「興記食品行」
住所:台北市金山南路一段120号 電話:(02)2341-2214 営業時間:9:00~19:00
休業日:月曜
そのまま直進すると急に屋根がなくなり、道が開けてきます。その角にあった鶏肉屋さん。普通のブロイラーの鶏肉は成長ホルモンを使うため、わずか2ヶ月で出荷できるけど、ここで売られている鶏肉は九份の山で飼育され、出荷まで9ヶ月もかかるそう。「それだけ身が引き締まって美味しい!」とおばちゃんは自信満々で話してくれました。
鶏肉屋さんと道を挟んで向かい側にあるのが有名な「義芳魚丸店」。こじんまりとしたお店が多い東門市場の中では規模が大きく、スタッフの数も多いから目立っています。お店の人は皆明るくて、テキパキと仕事をこなしている活気のあるお店。見るからに美味しそうな雰囲気です。メニューが沢山あるから迷っていたら、店員さんに「三色湯」をおすすめされました。薄味のスープの中に浮かぶ3種類のお団子。どれもとってもQQ(歯ごたえがあって)で美味しかったです。
そのまま開けた道を真っすぐ歩いていくと、お惣菜を売っているお店や青草茶のジューススタンド、果物屋などが続いてます。色んなお店があるので、覗いて楽しんで下さいね。
再度金山南路に戻り、東門外市場側を信義路に向かって歩いて行くと路地の中に「東門聖母宮」というお寺がありました。小さいけれども地元の人が熱心に通っている雰囲気。
ちょっとここでお願いごとをしてみるのも良いかも。
更に歩いて行くと、「東門鵝肉攤」という看板を発見。鶏肉、鴨肉の次はガチョウのお肉屋さん。気になって路地を入って行くと又々美味しそうな屋台がありました。メニューも色々ありましたよ!
「東門鵝肉攤」の路地を突き進んで行くと「第一美容院」という看板を発見。お店を覗いてみたら、80歳は越えているであろうおばあちゃま2人が椅子に座ってテレビを見ていました。美容院と思われる店内にはレトロな美容機器がずらりと並んでいたので思わず足を止めてちょっと見学。おばあちゃまを入れて写真を撮りたかったけど、「お化粧してないからダメよ~」と断られてしまいました。幾つになっても女性はおしゃれ心を忘れてはいけないですね!