南京東路の大通りにひっそり佇む老舗のはんこ屋さん。旅行の記念にいかがですか?
こんにちは、台北ナビです。印鑑を使うのは、中国語圏では一般的なので、台北の街角にもあちこちに「印」の看板をかかげるお店が多いのですが、今回ご紹介する「太昌」さんは、場所が便利、そして、失礼ではありますが、“しょぼい”外観とはうってかわって、象牙の数は「台北一のレベル!」とご主人が胸をはる品ぞろえに加え、お値段も控え目、ということで紹介させてもらうことになりました。
ちいさなお店にどんなお宝がひそんでいるか、見てみましょう!
MRT「中山」駅からほどない場所、南京東路1段の大通り沿いにひっそりとたたずむお店で、気にしていないとハンコ屋とわからず通過してしまいそうな小さな店です。で、見た目は「年季がこもったお店」。映像を見ればわかるように、飾り気のない(^^ゞ)店なので、オシャレ?な店を想像していくと、ハズされますので、あしからず。
ショー・ウインドウには象牙の彫刻品を中心とした印材が。こちらが象牙専門店ということがうかがい知れます。
ユニークな彫刻品に、ナビもエキサイト!
こんなゴーカな「象牙ストラップ」も。十二支、お釈迦様。
で、出てきたご主人夫婦、というのも年季が入った感じで(^_^;)、王さんはもちろん、印鑑づくり職人。場所的に日本人相手の商売が長い、ということもあって、夫婦ともに簡単な日本語のやりとりは問題ありません。
まずは、ガラスケースに大量に収まっている象牙のラインナップをご紹介したいと思います。
印材を見る前に気になったこの細い棒…なに、これ
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なるほどー、象牙の耳かきとは!!
ぜいたくな一品。
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現在、象牙を商品にすることが禁じられているため、台湾で販売されているのは、政府が認定したもののみです。で、王さんは、合法であることを証明する台北市の認定書を見せてくれました。台北の印材店は50店あまりしか登録していないとのこと。ただし、台湾国内での使用に限り、日本へは持ち込めません。
一般的な象牙の印鑑は、15mm径で2800元、そして18mm径は4600元となっています。もちろん、大きさや造形、彫刻などの細工によって値段は様々ですが、「A級」と呼ばれているものは照明に当てると赤く透けて見えるのが特徴。こういった象牙は、使いこむごとに朱肉の色が象牙に染まる、というも、人によっては人気のあるポイントだそうです。
希少価値もあり、今後手に入りにくいものなので、このように美しく彫刻されたペアの印鑑などは、たいへん価値があると思いました。(これは右が龍、左が鳳凰の彫刻が施されています)
上に飾り彫りをしているものも多いですが、1週間くらい時間があれば、リクエストでお好みのものを彫刻してもらえます。
象牙以外の印材もステキです。
王さんが象牙の次に紹介してくれたのが、水晶。髪晶(ヘアストーン)といって、金色の筋がついたものや、黄水晶、藍水晶などの色つきのものなど、美しいものもそろっていました。
ほかにも、メノウ、黒檀などもいろいろな印材があるなかで、(王さんは「メノウはガラス玉みたいなものだから」といって、あまりおすすめしてくれませんでした)いろいろ出してくれたのが、水牛の角系。
手に取ると、とーっても軽いのが特徴なのですが、この角にも種類があって、オランダの水牛はブラウンで、スジが浮き出るナチュラルなものが好まれるのだとか。それ以外に台湾の黒牛はその名の通り、角が真っ黒であまりスジが見えずにナチュラル感が出せないためか、お値段はオランダ水牛よりも安くなっています。
印材を決めた後は、書体を決めます。
開運書体もあるので、じっくりとお好みの書体を決めてください。
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王さんの作品のコレクション。これだけあると、圧倒されます。
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王さんの店、全て手彫りで、翌日仕上げ、というのが基本ですが、急いでいれば即日仕上げもしてくれますので、お申し出ください。
最後に見せてくれた、朱肉にも学問が。いい朱肉、というのは「艾絨」と呼ばれる植物から作った漢方剤を使い、それを麻油に入れたり出したりの細かい作業ののち、完成させるのだそうです。まずは安物とは香りが違いました!ホントに漢方薬草のニオイなんです。押した感じもネバリがあって、朱の色も鮮やか。こちらのほうが長持ちする、ということも言われました。
最後に、こちらのお店は、おみやげ専門店などよりも確かで、さらに値段もリーズナブル。さらにご主人が的確にアドバイスしてくれるので、お望みのものが出来上がる確率は当然高くなります。印鑑という、長くそばに置いておくものですから、満足のいくものを選びたいですよね。そんな方は、お店に顔を出して、品物を確認することをおすすめします。 以上、台北ナビでした。