天母エリアに、日本人好みの、かなりイイ線いってるローカルベーカリーを発見!
こんにちは。台北ナビです。
始めて台北を訪れた方、留学や駐在などでこの街に住み始めた方、台北にはなんてパン屋さんが多いんだろう、と思いませんでしたか?美味しい中華をひと通り食した後は、やっぱりパンが恋しくなり、パンを求めて街を歩けばすぐに見つかるローカルベーカリー。ですが、お味の方は…残念ながら、私達日本人の好みに合わない事が多いのが現状です。失敗を避けるため、「パンはデパ地下で」がセオリー化しつつあったりします。ところが、ありました。いい感じの町のパン屋さんが。今日は、天母に3軒の店舗を展開する地元のパン屋さん、全統西點麺包をご紹介します。
活気ある店内
自動ドアを入ると、なにやら店内が活気に満ちているではありませんか。パン屋さんにしては珍しいな、というのがナビの第一印象。2人くらいの店員さんがレジにいて、ショーケースにひっそりとパンが並べられているという、お馴染みの店内風景とはかなり違う感じです。兎に角、手を休めている人なんかいないのです。子供だって働きます。その姿は正に、働き者集団。
豊富なバリエーション
パンの棚を見てみたら、「ん!」ナビのアンテナが作動開始。普通のローカルベーカリーとはちょっと違った品揃え。最近のパン屋さんは、パン生地ものとデニッシュものを置いているところが多いけど、それぞれの種類に殆んど同じ中身を使っているから、味のバリエーションが乏しくて悲しかったのです。例えば、ヨーグルト味っぽいものがパン生地ものとデニッシュものの両方にあったり、メロンパンのような外見で丸いのと細長の違いだけだったりといったところ。でも、この店のパンは、圧倒的にパン生地ものが多く、しかも、見た目やお味の重複が少ないところが、普通のローカルベーカリーのものとは明らかに違うのです。ナビがお客さんなら、あれもこれも買って見たいと思うはず。これはいけるかも。久々に、ヒットな予感。
その人気は全国的
人気のあるパンを紹介していただきました。その名も「イチゴ練乳食パン」(草苺練奶土司)。お値段は100元。周りのいわゆる「パンの耳」の部分がうっすらとピンク色で、生地に苺ペーストがマーブル状に練りこんであります。う~ん、イチゴのいい香り!この「イチゴ練乳食パン」はご近所だけでなく全国的に人気で、遠くからわざわざ注文が入るのだそうです。
3つの店舗はすべて天母エリアに
パン屋さんのチェーンは数あれど、この狭いエリアだけに3軒集中、というビジネス展開をするところは、この全統西點麺包だけでは?理由は一つ、より上質の味を求める客にターゲットを絞っているから、とのこと。天母エリアは外国人が多いので、自分たちの作るパンの良さをちゃんと解ってくれる客層が住んでいる場所だと考えたそうです。「空腹が満たされればOK」と言うだけでなく、「味にこだわり、品質の良いものを美味しく食べたい」という人々の為に、パンやお菓子を焼いています。
欧克麺包(35元)を試食。外側が白く、切り込みから見えるパンの中身は全麦雑穀系。食感はもっちりしっかりとした噛み応え。でも、程よく水分があって、お口の中が乾き過ぎない。噛めば噛むほど素材の味が出てくるタイプ。これって日本人好みでは?
たまにしか焼かないというスーパーソフトミルクパン(60元)。白いお肌がプックリ膨らんだリング状のパン。食感もっちり。中には程よい甘さのクリームが程よい分量入ってます。見た目も形も、ナビのお気に入りです。
早朝つくられ、すぐ売切れてしまうサンドイッチ(1個35元)
焼きあがったばかり。
人気の黒糖花卷(35元)
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ゴマがヘルシー。
港式波蘿包(4個入り100元)
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ガーリック味もいけます。
三多三明治(40元)
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お好みの枚数に切ってもらえます。日式紅豆牛奶巻(70元)
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基本のバターロールも美味。
鮮奶麺包(1袋60元)
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中にはさんだチーズがたまらない
丹麥波蘿包(25元)
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焼きあがったパンが続々と搬入
3時半すぎになると、焼きあがったパンがどんどんと運ばれてきます。届いたばかりのパンが、その場であっという間にトレイに移され棚へ。パンが豊富に並ぶショーケースを見たら、購買意欲が倍増です。お店で売っているパンやケーキは、3店舗にそれぞれある設備で分業して作っています。近所だから、焼きたてをすぐに搬入できると言うわけ。
ちょうど中秋節がちかいので、贈り物用の月餅やパイナップルケーキの箱詰めに、フル回転な様子。
手作りパイナップルケーキ
1個30元 一箱15個入り450元
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蛋豆沙(4つのお味) 烏豆沙(35元) 棗泥(40元) 鹹豆沙(40元) 蓮蓉(40元)
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こちらも大人気です。
全統奶酪(8個入り245元)
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全統布丁(8個入り245元)
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取材していて少し驚いたのは、客足が耐えないこと。ナビがお邪魔した日は、なんと台風が来ていました。こんな日は、お店は開いてるけど人は少なく、ゆっくり落ち着いた取材ができそう、なんて考えは甘かった。悪天候にも関わらず、お客さんが次から次へと、引っ切り無しに訪れます。芋頭、ガーリック葱、ベーコン、チーズなど、台湾の人が大好きな具が入ったものも、良く売れていきます。お店の人に、売れ筋商品のほかに、日本人が好きそうなパンを紹介していただきました。
黒糯米山薬(黒米山芋パン)
(35元)
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健康志向!全麦食パン (85元)
くるみや玄米も入ってる!
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クリームパン 日本の菓子パンの基本形
(25元)
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塩チーズパン 甘いクリームチーズとはきちんと区別して表示 助かります 25元
台湾菓子パンの基本形 タロイモパン(芋頭麺包) 25元
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鮮奶饅頭(フレッシュミルクマントウ)
5個入り80元 (メープルシロップ、サトイモ、5個入り100元)(チョコレート、小豆、バター味、5個入り90元)
ねじれ模様がお洒落です。
北海道鮮奶油蛋糕(北海道フレッシュクリームケーキ)ミルク味とコーヒー味有り。
看板商品の一つです。少し大きめのカップケーキくらい。買5送1(5個買うと1個おまけ)で150元。商品名どおり、使っている材料が自慢のケーキ。外はきめの細かいふわふわケーキ、中身は香り高いホイップクリームが詰まってます。ナビ、台湾のホイップクリームに久々の合格点をつけちゃいます。6個の箱入りがあるので、お友達の家にお邪魔するときの手土産によさそう。品質・お味との比較で、お値打ち感あり!
養生桂圓蛋糕(ドライ竜眼入りマドレーヌ)
5個入り100元
しっとりしたマドレーヌ生地の底にドライ竜眼が隠れています。レーズンとは違った上品な竜眼の酸味と甘味がいい感じです。
早朝パン作りの現場に進入!
こんなにおいしそうなパンを見たら、どうやって作ってるのか見ずには帰れません。工房は天母東路店の地下。1階から地下への階段を下りる時にもう熱気が伝わってきました。広い工房には8人のパン職人さん。BGMは流れていますが、皆黙々とすごいスピードで作っていきます。まるでパン戦闘に赴いたかの様子。各自が分担をてきぱきとこなしています。言葉は発せずともこの働きぶりはこの「全統」さん内に共通する動きなのかもしれません。
ナビの目に真っ先にとまったのは焼き上がりの食パン。近づくと熱風が。まだ柔らかいので切れません。香りも香ばしくて、もう倒れそうです。
師匠です。早朝から夜まで休みなく働きます。今作ってるのは小さいほうのフランスパンで、1日80本ほど焼きます。
元気なスタッフが迎えてくれます。
天母エリアをビジネスの場に選んだのは、大使館や駐在員が多く住んでいる為、パンに対する台湾の昔からの固定概念にしばられることなく、いいものを心置きなく作れると考えたからだそうです。消費者のニーズで折角のパン作りの腕が振るえないようでは困るということですね。お店にくるお客さんの好みに応えているうちに、本来のものとはかけ離れてしまう外国の食べ物、よくありますよね。売上だけでなく、自分たちが何を提供したいかという意志を持った全統西點麺包、ステキではありませんか。
バターなど、フレッシュな食材は殆んど日本から輸入しています。健康志向パンではありますが、他で見るドイツカントリー風雑穀パンなどのように、全体に重たくて乾いた感じのパンとは明らかに違い、ある程度の重みとしっとりとして弾力のある生地、素材の甘味を生かす配合、そして、地元の素材との融合がとても上手にかなっている、他ではあまりお目にかかれない類のパンを作っているベーカリーだと思います。独創性、創作性のみを追及するのではなく、基本がしっかりとある上でのオリジナリティーとでもいいましょうか。
こんなに良いパン屋さんが近所に見つかってよかった~。これからは、ちょくちょく買いに寄らせていただきますね。何しろ種類が多いので、色々試してみなくては。皆さんも、是非、お店に入ってみて、自分のお気に入りパンを見つけてみてはいかがでしょうか。 台北ナビでした。