台湾を代表する国際的ラグジュアリーブランドの世界観をご紹介。フラッグショップはミュージアムのように楽しめます!
こんにちは、台北ナビです。
リージェントホテルのある中山北路は高級ブランドが立ち並ぶセレブストリートにやってきました。この通りでルイ・ヴィトンとグッチに挟まれているのが今回ご紹介する「SHIATZY CHEN」。台湾が誇る服飾ブランドのフラッグショップです。
1978年に台湾で婦人服ブランドとして創業。12年後の1990年にパリに工房を創立し、台湾のファッション界をリードする存在となりました。
現在では香港・マカオや日本、さらにはフランスにも支店をオープンし、パリコレで新作を発表するなど、台湾を代表するラグジュアリーブランドに成長しています。
中華服の伝統的な技術を継承し、現代にマッチさせたアレンジ力、ファッションでありながらアートのような、芸術的なデザインを支持するファンは多く、顧客には中華圏の外交官など世界で活躍する人たちも多いそうです。2013年にはザ・ペニンシュラ東京に直営店が上陸したことでも話題になりました。
店名の「SHIATZY」という文字は「シャジー」と読みますが、これはもともと漢字の店名である「夏姿」の中国語読みをアルファベット表記したもの。「夏姿」は「華夏新姿」(日本語ではモダンチャイニーズスタイル、というような意味の造語)の略で、歴史的なスタイルと現代を融合させたブランドのコンセプトを表しているそうです。
1階には新作の小物が揃います
高級感に加えて少し薄暗い入り口は、ナビのような庶民派には入りにくい…。ショーウインドウを見る限り、お客さんの年齢層も高そうです。でも一歩入ってみると、明るく開放的な店内で安心しました。しかも中は思ったよりも広く、4フロアで展開しているそうです。2016年春夏のテーマは「引領」、日本語でいうと常に先を行く人。ショーウインドウの猿はサル年のことかと思いましたが、先駆者の象徴として「西遊記」の主人公・孫悟空をモチーフにしてドレスやスーツがデザインされたものを展示しているそうです。
このほか1階には幅広い年代に向けた服や小物が揃っていました。
山に行ったプリンセスの情景がテーマというこのバッグ。ウサギが走っているのがわかります
よく見るとバッグや靴は一つ一つ丁寧な仕事で作られていることがわかります。特に目を引いたのが取っ手に翡翠と銀をあしらったバッグ。ブランドの定番商品だそうです。中国の伝統的な工芸や文化を現代に融合させる、というブランドコンセプトをよく表している商品で、その昔、中国で嫁入り道具に玉(宝石)をもたせた習慣になぞらえてデザインされたもの。表面の皮にほどこされた刺繍も手作業なら、取っ手の部分も一つひとつ持ちやすい角度を研究し、翡翠を研磨するのもシルバーの装飾を作るのも手作業で作られているんだそうです。なんという手間のかかり方!値札(7万3千元也)を見て一瞬驚いてしまったナビですが、素材と手間を考えれば、相応の値段だと納得したのでした。
2階の女性服は若い女の子にも人気
2階は女性服のフロア。
高級感あふれる素材とデザインは年齢層の高い女性向けだと思っていましたが、若い女性向けのアイテムも充実していました。フォーマルな席で個性を発揮できるドレスは特に人気商品なんだとか。結婚式に向けてお嫁さんとお母さんが一緒にドレスを選びにくることもあるそうです。
美しいシルクのスカーフも
素材は台湾産のものも使われていますが、布地はイタリア、レースはフランスなど世界中から厳選した材料を使っています。SHIATZY CHENの世界観を表すのに不可欠な、山水画のような絵を布地にプリントする技術は、ブランドがオリジナルで開発したもの。
想像力と技術力が融合して、こうしたスペシャルな衣装が出来上がるんですね〜。
サイズは36から展開
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水彩画のようなデザインをプリントする技術はオリジナルで開発したもの
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3階のメンズフロアでは2016年から小物もデビュー!
3階は紳士服のフロア。
メンズではチャイナテイストを取り入れたジャケットが人気です。中華風の襟が他のブランドとは違う台湾らしい個性を醸し出しています。
ナビが「革ジャンもあるんだ」と手に取ったジャケットは、なんと特殊加工して皮の質感を出した綿なんだそうです!
これまで男性用の小物はネクタイのみだったのですが、2016年春夏シーズンから、財布やパスケースなどの革製品も展開しているそうです。
小物にあったネクタイと一緒にディスプレイされていて、センスが光っていました。
メンズフロアの奥はアートを感じさせる空間になっていて、ギフト用のボックスや布のほかに、SHIATZY CHENのデザイナー王陳彩霞さんがオーナーを務める「CHA CHA THÉ」の茶器などもディスプレイされていました。
チャイナテイストで統一されていてステキです。
花やギフトを包むのに使う布
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ギフトボックスもおしゃれ!
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ブランドのビルはさらに4階・5階とつづくのですが、ここからはSHIATZY CHENをこよなく愛するセレブたちが集うVIPルーム。
ナビにはちょっと縁遠い世界なので、ドキドキしながら拝見させていただきました。4階はショールームのようになっていて、お客さんが気に入ったアイテムでスタイリングをしたり、時にはVIPを招いた小規模なショーも開催されているんだとか。2015年にブランドの歴史をまとめた書籍を出版した際には、この場所で展示販売を行っていたそうで、今でも書籍のディスプレイが残っています。5階はさらにラグジュアリーな空間で、ティーサロンのようなスペースになっていました。顧客のおもてなしだけでなく、撮影などに幅広く利用されているそうです。
台北だけでもデパートを中心に14軒の支店があるSHIATZY CHENですが、ここ中山のフラッグショップはちょっとしたミュージアムのように楽しめます。ブランドの世界観にどっぷり浸かれば、いつのまにかファンになってしまうかも。店員さんは気さくな人ばかりなので、ぜひ一度訪れてみてください。
以上、台北ナビがお届けしました。