中国茶のソムリエ?台湾一の実力を持つ「評茶師」陳煥堂さんがいる茶葉店です。
只者ではないオーナーです
こんにちは。台北ナビです。
茶葉店を経営している多くの方が南投県のご出身であるように、陳煥堂さんもしかり。しかし、その中でも陳さんが一際輝いて見えるのは、毎年台湾で行われる台湾茶品評会のコンテスト委員=有名鑑定士であったということ。コンテストで賞を取ったお茶は1斤(600g)が数万元という価格でも売れるため、毎年このコンテストを目指し、多くの茶農家がしのぎを削っているのです。陳さんは毎年激烈化するコンテストをしばらく遠目にみようと、現在は品評をご辞退しています。お茶間関連の書物も書き、書籍や新聞にもよく紹介されている方です。
明るい店先
お店の場所は信義路二段と新生南路の交差点近く。路地を入って右側に見えます。「意翔村」の看板と古典美人茶の文字がマーク。入口から奥まで見渡せるのが、何とも明るい雰囲気で、出迎えてくださった陳さんも始終ニコニコの温かい感じの方でした(でも、後で効き茶の時はとっても真剣顔になるんです)。左右ともに茶葉の棚があります。お茶は全部で12種。すべて台湾茶で、とってもシンプル。ゴテゴテした飾りはありません。入って左手に大きなテーブルがあって、椅子に座ると陳さんが手前でお茶をいれてくれます。ご家族やスタッフの方たちもとても気さくです。
お茶の味は申し分なし
到着早々、どうぞ、と入れてくださったのが「黄金桂」。おいしい!という言葉が自然に口を突いて出ててしまうほど、いい香りとコクのある味です。驚いたのが台湾産ということ。通常「黄金桂」は中国大陸産で、茶葉店によく行くナビも他店で「黄金桂」って見たことがありませんでした。しかも、再度強調しますが台湾産!
「黄金桂」の2つ隣には「肉桂」がありました。これも中国大陸のは見たこと、飲んだことがありますが、台湾産は初めて。普通シナモンのことを中国語で「肉桂」といいますが、ここでは違う意味なんだと思ってください。全然シナモンの香りはしません。他にも「ジャスミン」「龍井」「碧羅春」・・・台湾産の緑茶などが並びます。2種類目に「意翔村」看板の「古典美人茶」をいただきました。。名前からして「白毫烏龍」(通称、東方美人)に似ているのかと思いきや、茶葉はいくぶん焙煎も入ってるし、発酵度もかなり高いほうです。お味のほうは看板だからと、陳さんが得意顔で勧めてくださっただけのことはあり、旨い!これまた今まで飲んだことのない味で、ここ「意翔村」の茶葉、とっても深みがありますねー。
目の前にして感動、すごい
先ほど、陳さんは台湾一の効き茶師だと申しましたが、店内から8種を選びお茶の味や色を比べさせていただきたいと申し出ると、手早く秤と鑑定杯とコップが8こづつ準備されました。手馴れた手つきで陳さんはお茶を量り、鑑定杯に入れていきます。次にお湯を一定のラインまで注ぎ始めました。お茶の味がすべて全部出きってしまうまで待つこと10分。時間が来たら、先ほどお湯を注いだ順に、コップへひっくり返していきます。全部お茶が出きったら、茶の色が美しく出ました。この後は鑑定杯内の茶葉の形状を見たり、蓋の香りをかいだりするわけです。
見事。きれいな黄色から茶色まで、微妙に色が違うものは、味で判断です。
さて、陳さんが効き茶を始めてくれました。真剣な顔。今から始められることに周囲の人たちも見入っています。静寂の中、陳さんがお茶をすする音だけが鳴り響きました。あっという間。すごいパフォーマンス!ナビもちょっと鳥肌が立ちましたね。ゾクゾクワクワク。陳さんの周りに緊迫したムードが漂っています。
かつて審査員を務めていたときなどは、1日600杯もの茶を効いたそうです。
改めてすごいです。
ハズレないお茶!
「意翔村」のお茶は、どれもおいしく作られています。自然の持ち味を生かし、お茶の製造過程で必要な萎ちゅうや発酵、焙煎、乾燥…、とても気をつかって工夫を凝らされているのが感じ取れます。
いいお茶は誰が入れても、どんな入れ方をしてもおいしいとも言われますが、「意翔村」のお茶はすべてハズれません、と、全部味見をさせていただいたナビは言いきってしまいますよ~。以上、台北ナビでした。