台北の下町、迪化街近辺にある歴史のある茶商。ちょっと変わった穴場的なスポット。
こんにちは、台北ナビです。
今回お届するのは、ちょっと変わったお茶屋さんのレポートです!ここは、台北の中心部にある「王有記名茶」。茶葉公園のとなりにあり、昔ながら…といった貫禄すら感じる建物です。さて、さっそく中へ入ってみると…。
入口をくぐり抜けると、焙煎されたお茶のいい香りがプ~ンと鼻をつきました。まるでお茶を作っているような…。でも、そこは、茶葉や茶器が並ぶお茶屋さん。隅の方には試飲スペースもありますが、どうみても、普通のお茶屋さんです。すると、オーナーの王連源さんが奥の方へと案内してくれました。
もうひとつの入口をくぐると、そこはなんと、製茶工場になっていたのです!どこか落ち着くお茶の香りはココから漂っていたものだったのです。
製茶のベテランで3代目の当主、王さんが笑顔で広くて涼しい工場を丁寧に説明してくれました。
さて、まずは選別機。茶葉を選別するのは、余分な枝や混入物などを取り除くためと、葉の形や大きさをそろえるため。「抽梗機」とう機械は、枝や雑多なものを取り除くのに使うそうです。細かい穴のあいた大きな金属を揺らして、穴に落ちなかった物は下の籠へ落ちる仕組みですね。さらに「往復斗篩機」を使い、大きさでわけたりもできるそうです。そして「風選機」では、風によって乾燥後の茶葉を飛ばし、重さで振り分ける優れものです。ここでも雑なものは取り除くことができるそうです。いかに選別が味にかかわってくるかがわかりますね。
今度は奥にある乾燥室を案内していただきました。ここには大きな丸い穴がポコポコ開いているのが見えます。この穴ひとつひとつに熱い炭をいれ、石釜のようにして乾燥させるそうです。燃料にはお米のもみ殻なども使ったりするそうです。この行程で一度に60kgも炭などの燃料を使うのですって!そして穴に籠を乗せて、中の金網の部分に茶葉を広げます。ただ、中国茶好きの人ならご存知の通り、一言で中国茶といってもその種類は無数です。ましてやそれぞれの製造工程も多種多様です。
ですから、この工程もそれぞれに適した方法を用いるようです。例えば緑茶は、日本茶では蒸して製造しますが、中国茶では蒸すほか、炒めても作られます。王有記茶行には他に自動で茶葉を回しながら乾燥させる機械もあるそうです。それから烏龍茶(青茶)や紅茶では、最後にこの工程をして水分を3%以下に落とします。長年の伝統が受け継がれている様子がよくわかりました。
ジャスミン茶を作るときは、早朝6時に来て、8時に花をいれたら次の日の朝に取り出すそうです。大変なんですよ、といいながらも王さん、笑顔で話してくれました。
ショーケース横の茶葉の柱
帰り際にふと立っていた黒い柱が気になって聞いてみると、「プーアール茶ですよ」とのこと。しかし1m位ありますよ!い くらで売れるのか聞いてみたところ「これは売れません」とのこと。年数が古ければ相当な値段になるのでしょうね。なるほど。少しマニアックな話になってしまいますが、ここではプーアールの熟茶も作るそうです。これは乾燥機に1時間位入れるのだ、といっていました。
作法など、難しく見える中国茶ですが、緑茶など、グラスで入れられる簡単なお茶もあります。まずは試してみてはいかがですか?思いのほか奥が深くて、きっと生活に潤いを与えてくれると思います。
さてさて、工場見学に試飲…ときたら、締めはお楽しみのおみやげ探し!オシャレなパッケージに入った茶葉に、豊富に揃ったお茶道具…。あれもこれもと目移りしそう!しかも、うれしいことに「0がひとつ少ないのでは?」と何度も値札を見てしまったほど、リーズナブルなお手頃価格なんです。デザインもなかなか素敵なものばかり。特に茶器を買いたいな、って人にはナビ、強ーくおすすめしたいショップです。
製茶工場でお茶作りを学び、試飲しながら茶葉選び。そして茶器のおみやげゲットと3段階で楽しめる、ちょっと変わった、そして、とてもナイスなお茶屋さんでした。
以上、台北ナビでした。