タイヤル族の里・烏来(ウーライ)に誕生した神秘体験ができる日帰り温泉レストラン
こんにちは、台北ナビです。
台北郊外の山間地、烏来(烏來・ウーライ)に誕生した「馥森阪治Trio」は、大自然を感じながら入浴できる日帰り温泉&レストラン施設。原住民・タイヤル族の里に位置し、原住民文化や美食を体験できるスポットとして注目を集めています。
台北から日帰り圏内の烏来へサクッとおでかけ、森の中で脱ストレスしてみませんか?
画像提供:馥森阪治Trio
日本語予約は台北ナビからどうぞ!
ボランドウライ(馥蘭朵烏来)系列の日帰り温泉&レストラン誕生
MRT「新店」駅から車に揺られることおよそ40分。緑に囲まれた烏来は、原住民族・タイヤル族が暮らす山間にある町です。集落を歩けばタイヤル文化の片鱗がチラリ。台北とは異なる雰囲気にさらなる旅気分が盛り上がります。
タイヤル文化を体感できる場所
そんな烏来に2021年、食事と温泉が楽しめる施設「馥森阪治Trio」はオープンしました。
ここは烏来エリアの森林リゾートホテル「馥蘭朵烏来(ボランドウライ)」が手掛ける新しい日帰り施設。温泉・美食・音楽・手仕事に特化したお洒落なムードで、SNSでも話題になっています。
「馥森阪治Trio」という名の小さな集落
施設全体が山に構築された1つの集落みたいな「馥森阪治Trio」。山の斜面には4つの建物が点在し、森の階段がそれらをつなぎます。ここに来れば、体いっぱいに大自然を感じ、リフレッシュできることでしょう。
園内見取り図。まるで施設全体が大自然に抱かれた小さな集落のよう!
温泉施設(Bath House)のある「Buta歩達」「Ayan雅諺」「Yabox犽梦」と呼ばれる建物は、この地に暮らすタイヤル族の礎となった三兄弟の名にちなんでいます。彼らは中部・南投から山を越えこの地に根を下ろしました。ここはタイヤル族が暮らす最北端のエリアでもあるのです。
園内入口にある3つの巨石はタイヤル三兄弟の象徴
|
|
先祖からの教えGAGAが刻まれています
|
B棟・Buta歩達の1階がフロント&ロビー。まずはこちらで受付を!
特徴的な漆黒の壁と工事中の足場のような骨組みの建物は、自然と調和しつつも圧倒的な存在感で訪れる人に迫ります
足場は構造上必要なものではないそうですが、タイヤル族の伝統建築にオマージュし、彼らと先祖、彼らが大切にする自然に畏敬の念を込めてデザインされています。
A棟
|
|
Y棟
|
Bath Houseはそれぞれの頭文字を取ってB棟、A棟、Y棟と簡潔に呼ばれることも |
のんびりと裸で浸かれる個室温泉
温泉は裸で入浴できる個室タイプが、A棟・B棟・Y棟に5タイプ全16室用意されています。広さや景観、趣がそれぞれ異なり、人気は山の緑が窓いっぱいに広がる「森沐」。部屋数が少ないため、早めに予約することをおすすめします。
■原沐:1~2人(利用時間90分)
4.5坪、ストリートビュー、共用トイレ、5室
温泉そのものを満喫したいなら!お部屋によっては窓から木々も臨めます。
■森沐:1~2人(利用時間90分)
6坪、マウンテンビュー、共用トイレ、4室
緑の額縁を眺めながら入浴を。デッキチェアで休憩もゆったりと。
画像提供:馥森阪治Trio
■偶浴:3~4人(利用時間120分)
8坪、ノービュー、トイレ付き、2室
湯舟からの景観はないけれど窓付きです。広めの休憩スペースでのんびりしたいなら。
■相浴:3~4人(利用時間90分)
7坪、マウンテンビュー、トイレ付き、3室
ファミリーでビューも楽しみたいならこのタイプを。ゆっくりくつろげます。
画像提供:馥森阪治Trio
■聊浴:3~6人(利用時間120分)
12坪、ノービュー、トイレ付き、2室
ファミリーに最適な広々タイプで、特に子連れにおすすめです。
いずれのお部屋もシャワーブースを設置し、備品としてアメニティのほか、タオル、ドリンク&スナックなどが完備されています。だから手ぶらで訪れても大丈夫!
お肌に優しい美人の湯
泉質は「美人の湯」と呼ばれる炭酸水素化ナトリウム泉。無味無臭でお肌に優しく、さっぱりしているのが特長です。湯上りはしっとり&すべすべ肌を体感できますよ。
神Puqing Knusが待つ森へ
A棟・B棟・Y棟と並んであるのが、鉄のトンネルでできた「虹の聖堂Hongu Charch」です。トンネルを覗くと、青々とした木々の上に鉄の十字架が浮かび上がります。
地元タイヤルの子どもたちが集まり祈りが捧げられることも。なんと偶然虹が掛かった瞬間!神の暮らす土地……?
この聖堂がちょうど温泉エリアと他エリア(レストラン/レジャー)との境界になっています。温泉で心と体を清め、ちょっぴり厳かな気持ちになったら神と人とをつなぐ聖堂を抜けてこの地の神Puqing Knus(クスノキの源という意味)の待つ森へ。
午後には「馥森阪治Trio」とタイヤル族の魂Utuxの理解を深める園内ガイドツアーも行なわれています。
■園内ガイドツアー「霊魂の旅程」
毎日13:30~(中国語)
※無料、フロントで要予約
地の食材を使ったヘルシーな原住民料理
聖堂の下にあるのがY棟1階のレストラン「INNORI 因諾莉餐廳」です。
INNORI 因諾莉餐廳
元々はタイヤル族の歌手・尤勞・尤幹(Yulao Yuka)さんが開いたライブハウスで、現在も月1でパフォーマンスが行なわれています(Fun Dining:第3土曜18~20時半)。ちなみに施設名は尤勞・尤幹さんのニックネーム「阪治」から付けられています。また、レストランの「INNORI」はタイヤル語で祈りを意味し、阪治さんのYaya(母)NORIさんの名でもあるそうです。
そんなレストランでは、原住民料理+地元食材+健康志向の3原則(TRIO)に沿ったお料理がいただけます。烏来老街で見かける素朴なタイヤル料理が、1ランク上のお洒落でヘルシーな一皿にアレンジされてテーブルをにぎわせます。目と舌で楽しめる数々を召し上がれ!
※6種のメインから1つが選べるコース料理のみ(別途ベジタリアンコースあり、ドリンク単品あり)
※価格はメインメニューにより異なります(980~1380元+10%サービス料)
※メニューは季節ごとに替わります
<ランチ一例>
アペタイザー:紅心橄欖・溪蝦・馬告香腸オリーブと川エビとソーセージの盛り合わせ
①原住民料理の定番スパイスを使った馬告ソーセージは欠かせない!
②檳榔みたいに形作られたオリーブは甘酸っぱくて梅みたい!
③定番の川エビもトルティーヤチップスの器に盛り付けてお洒落に変身!
①ソーセージ
|
|
②オリーブ
|
|
③川エビ
|
②→③→①の順にお召し上がりください |
サラダ:鱒龍魚・過貓・紅橡木篙苣チョウザメのゼリー クワレシダとサニーレタスのサラダ
昆布出汁でじっくり煮込んだチョウザメの皮や骨からしみ出たコラーゲンを固めてゼリーに。チョウザメの身を閉じ込めました。キャビアとレッドキヌアを添えて。
サラダはブーケのようなかわいらしい仕上がりに。レモン風味のドレッシングでいただきます。さっぱり爽やか~!
主食:紅茱萸・伊比利豬・天使麵 刺蔥とイベリコ豚のカッペリーニ
刺蔥と呼ばれるネギみたいな味わいのスパイスは、原住民料理特有のもの。香り高く後味も楽しめます。そんな刺蔥を使ったソースをとろけるイベリコ豚と極細パスタに絡めて。
スープ:蕈菇・黃金海鱸・昆布スズキの和風スープきのこ入り
炙って焼き目を付けたスズキの香ばしさが、あっさり味の昆布出汁を引き立てます。味の深みを添えているシイタケやシメジ、白ブナシメジもいい仕事しています。
メイン:①黑金剛花生・舒肥雞腿・馬告 980元馬告スパイスのチキンソテー ピーナッツ・マッシュポテト添え
ジューシーな鶏モモ肉のソテーは、丁寧に下処理されているから食べやすくてマル!付け合わせの滑らかマッシュポテトは、炒りピーナッツとの相性も抜群です。台湾でポピュラーな山菜、山蘇(オオタニワタリ)が見た目、食感、味のアクセントに。
メイン:②櫛瓜・龍膽石斑・綠胡椒 980元グリーンペッパーのタマカイのソテー ズッキーニ添え
巾着みたいな紙包みを開くと、鼻腔をくすぐる香り~♪ふっくらとした炙りタマカイが顔をだしました。ふっくらと柔らかなタマカイ。グリーンペッパーやピンクペッパー、カラフルなプチトマトが爽やかさをプラスしています。
デザート:山檸檬乳酪・竹炭香蕉飯/ドリンク:例茶山レモンのチーズケーキと竹炭バナナごはん/今日のお茶
かわいすぎるキノコ型のチーズケーキと屋台で見る「豬血糕」のようなごはんを使ったスイーツの盛り合わせ。食べるのがもったいな~い!遊び心を感じます。
自己と向き合う生活儀式「夢の輪」
Hka'Field平安広場
レストランからさらに階段で下ると、戸外空間「HkaField平安広場」が現れます。ここはタイヤル族の男たちが狩りに出かけた時に休憩をしたり、夜を明かしたりする小屋をイメージして建てられた場所です。
岩で築かれた火を起こしの場
|
|
木々の間を縫うように延びる階段
|
ここでは「夢の輪」と題されたパフォーマンスが行なわれます。これは馥蘭朵/馥森系列店の特色である自己と向き合える独自のプログラム「生活儀式」の1つです。
生活儀式「夢の輪」
「夢の輪(スーフィーのワーリング)」は、右手を空へ、左手を地へ向け、自分の内を広げて空・雲・風・木々……を抱きながらクルクルと旋回し、自己を解き放つ太古から伝わる瞑想法です。大自然の中で、特別な体験が待っているかもしれません。
■生活儀式「夢の輪」
毎日14:30~15分間
雨音に癒されて、自分だけのくつろぎタイム
Urai Shu Wu雨籟書屋
さらに階段を下ると、4つ目の建物 「Urai Shu Wu雨籟書屋」が。日本統治時代の初期には雨で靄がかかったここを「雨籟」と呼んでいたとか。
畳の敷かれた内部では、不定期で行なわれている展示を鑑賞できるほか、本を読んだり、休憩したり自由に使うことができます。雨の日に訪れれば、屋根を叩く雨音に癒されるはず……。
台北から小1時間ほどでアクセスできる烏来へ。「馥森阪治Trio」でとっておきの旅の思い出を刻んでみてはいかがですか?
以上台北ナビでした。