花蓮の美しいアミ族の海岸は、映画「沈黙」のロケ地です!
こんにちは、台北ナビです。
夏の太陽が照り付け、底抜けの青空が広がる中、台湾東部の海岸沿いを貫く花蓮海岸公路を車で走ってみました。海岸沿いには、台湾原住民のアミ族の集落が点在しています。台湾原住民の中で一番多い20万人強を占めるアミ族は、ほとんどが東部に在住し、この海岸沿いだけでも大小さまざま40余りの集落に分かれて生活しています。どの集落も祖先から受け継いだ歴史と文化を守りつつ、それぞれの特色を打ち出しています。
この日花蓮市内から、1時間強。遠雄海洋公園を右手に過ごし、ひたすら花蓮海岸公路を一路南下してきたナビたち。公路沿いには民宿や居酒屋風レストランバーなども点在し、いかにもリゾートに来ました!の気分がUP!!!温かい(いや、暑い?)海風が入ってくるにも関わらず、やおら車の窓を開けたくなり、しばし熱風にさらされ、また暑くなって窓を閉めたナビたちです。
「水璉」はアミ族の言葉で「Ciwidian(知維地岸)」
「水璉」はアミ族の言葉で「ヒルが多い地」という意味で、数百年前に稲作・漁労・狩猟を主な生業としていた彼らはこの地に定住しました。現在、牛山自然生態保護区という牛がのんびり草を食む平原、海岸特別景観保護区・東海岸漁業資源保護区の渓流から海岸まで、大自然がもたらしてくれた美しさは、水璉の特色の一つでもあります。
「吉籟狩人学校」(Cidal Hunter School)
スートンサークルのような石柱の広場が見えたら、水璉の中学校が遠くに見え、もうここから水璉集落のエリアに入ったことになります。この石柱は頭目石と言い、昔頭目が族人に何かを報告する際には、この石の上に立ったそうです。
更に車を走らせていくと、アミ族が創立した「吉籟狩人学校」があり、ちょうど夏休みの時期だったので、アミ族の文化や暮らし、伝統の狩猟を体験させてくれる体験学校が開催中でした。コース内容は、水漣集落の地理と歴史を学んだあと、月桃の葉で織られた冠を作り、その後竹などで鍋を吊るす鉤(かぎ)や水汲みなどの道具を作ったり、罠をしかけたり、野外で生き延びるサバイバルの知識を身に着けるもの。最後は「火」の起こし方を学んで、アミ族の料理を皆で作って食べます。これらのコースは事前予約で、水曜日は定休日ですが、冬場も行われています。狩人体験に興味がある方はどうぞ!
牛山呼庭へ
更に車を走らせていくと、「牛山呼庭」の看板が左手にあり、きれいな海が眼下に望めました!これは、降りていくしかないですね!
かなり急な坂を車で降りていきました。バイクが一番便利で、自転車は降りも上りも無理の模様。降り切ったところで真っ青な海が目の前に開けました!
碧い!もう降りていくしかないですね!
車を降りてここから入り
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50元を支払うと、向こうに見えてきました
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車を降りて道なりに歩いていくと、牛山呼庭の入り口があり、入場料が1人50元。これは、カフェなどで消費するとその分を差し引いてくれます。
外国人も多いようで、英語の説明書きもあります
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ここから海へ直進できます!
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映画「沈黙 サイレンス」
カフェが見えたところで、後ろを振り向くと緑の芝生の山が広がり、ここはまさしく2016年公開予定(日本では2017年)のマーティン・スコセッシ監督の映画「沈黙」のポスターの場面ではないですか!
これだったんですね!
台湾の各地がこの映画のロケ地となっているらしい、ということは以前聞いたことがありましたが、映画の重要な場面の一つがここだというのを、実はこの日ここへ来て、初めて知ったナビです。
海の反対側に目を向けると、また絶景!
ここ水璉の砂浜がある牛山(203m)は古くから牛の放牧地で、アミ族にHudin(呼定)と呼ばれ、これは大草原の牧場を意味します。海とは反対方向に目を移すと、青い山に囲まれる広い河谷盆地を水璉溪がクネクネと流れ、独特の地質景観は圧巻で、大自然のおおらかさに包まれている感覚に陥ります。
芝生に座り込んだり、寝っ転がったり、のびのびとしてみましょう。芝生のてっぺんから海岸沿いが見下ろせ、果てしない太平洋に向き合えます。
遠藤周作原作の「沈黙」は、暗く辛いストーリーの中、長崎の美しく碧い海は確かにあって、その情景がここ花蓮県寿豊郷水璉村牛山の海岸にナビの中で完全にかぶさりました。
民宿もあり
近年漂流木で作った小さな各小屋は、民宿!波の音や鳥の声を聴きながら眠りについて、朝目覚める…、太平洋から昇る日の出を眺め、夜は満天の星を仰ぐ…、大自然の中の格別な宿泊体験が味わえます。数年前の民宿は自然風に頼っていたそうですが、さすがに夏場はたまらんということで、今は冷房も完備され、快適な宿泊が可能になっています。
民宿エリアを抜けて歩いていくと
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座るところがあって
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ここからも海
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違った景色の海がありました
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カフェレストラン
自然生態保護区である牛山には漂流木で作られたカフェレストランがあり、ここで飲食をすると入場料を差し引いてもらえます。ナビはこの日、夏にしかないという「林投」のジュース(100元)を飲みました。さっぱりとしていて、暑気が吹っ飛んでいきました。
★この日は取材ということで、写真撮影の許可をもらいましたが、通常内部は撮影禁止です。
入ってみましょう
この日ナビが飲んだのは、夏場だけあるという「林投」ジュース
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この実から搾りました
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芝生の山にもありましたよ
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木はこれです!
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この景色を目に焼き付ける…
展望台にも上ってみます!碧い海にため息。
また、来られるかなあ、と思いつつ。
本当に青が冴えたきれいな海ですが、「牛山呼庭」オーナーの奥さんのお話しによると、年々水位が上がっているそう。奥さんが子供の頃には、海に向かって右の崖のふもとは陸で、そこをつたって崖の向こうの隣の村と行き来していたそうです。今はご覧のとおり、陸がないので、隣村へはいったん坂を上って花蓮海岸公路に出なければならないそうです。
その昔、右の崖のふもとには道があったそうです
以上、台北ナビでした。