パイナップルも台湾を代表するフルーツの一つです
こんにちは、台北ナビです。
パイナップルと聞けば、台南の関廟が有名ですが、台湾でのパイナップル生産の約40%は屏東産です。今日はネットショッピングで大人気のドライパイナップル「GRENLAND FLORA」でも有名な郭智偉さんの果樹園と工場、会社にやってきました。
パイナップル産業
観賞用としても美しいパイナップル
郭さんのところは親の代から続くパイナップル農家です。今の時代7~80歳代の親たちは、農業は大変だからと、また子供たちにはもっと学問を身につけてほしいとの願いから、次世代に農業を手伝わせてこなかった親たちが多い中、郭さんは小学校の頃から父の後について、見よう見まねで農業を手伝ってきました。
パイナップルのおいしい時期は、大体初夏から約4ヶ月の期間がピーク。郭さんの農家でもこの時期は13人の作業員を雇い、1日8時間、カゴに30キロ入れたのを車まで一人が約6,70往復するのだそう。1人1日2000キロを運ぶというわけです。彼らの多くは50~60代の男性たちで、若者はいません。最近農業に興味を持って携わる若者は徐々に増えてきましたが、上記のような理由で30~40代の人たちの空洞化が見られます。収穫の一ヶ月前に袋をかぶせますが、これももちろん一つ一つかぶせます。郭さん曰く「小さい頃から土地にどれだけ親しんでいたか、それがその土地に対する温度差を生むのさ」。高品質のパイナップルには、日本からの引き合いも絶えません。郭さんは、日本の「農家・オブザイヤー2014- 2015」で、「はちみつパイナップル」が銅賞に選ばれました!
いったい何種類のパイナップルが台湾にはあるんですか?と郭さんに聞いたら、台湾では今22号(22品種ということ)まで品種が出ていて、郭さんのところでは、うち10品種ほどを栽培しているとのこと。市場などで見られるのはほんの一握りで、もちろん南部の市場の方が種類は多いです。パイナップルは収穫するまで、約18ヶ月を要しますが、収穫後土地をならすのにも一定の時期が必要で、非常に時間のかかる果物なのです。
どうやっておいしいのは見分けますか?と聞いたら、他の果物と違って、外観で見分けるより、品種によって旬の時期があるので、旬に食べるのが一番だとのこと。旬じゃない時期に食べたらそりゃ酸っぱいさ、とのことでした。
パイナップル畑に到着!
郭さんの畑はすべて有機。最初の畑は、17号と呼ばれる金鑚鳳梨です。またの名を春蜜鳳梨と言われるのは、春が一番おいしいからです。台湾パイナップルの9割はこの品種で、甘くて芯まで食べられるのが特徴的です。ここでナビはパイナップルの花を初めて見ました!うす紫の小さな花で、かわいい。サボテンの花のようにも見えます。この花が全部咲き終わったら表面が硬くなって実が大きくなり始めます。収穫期は、暖かい屏東が2月~6月、5~8月は嘉義になります。大体市場で見かけるのも17号。日本へ輸出されているのも17号で、「GRENLAND FLORA」のドライパイナップルもこの種で作られています。
どこまでも続く…
次なる畑は蜜梨と土鳳梨
品種によって葉の色や形も変わるのですが、ここはまだ実の形もできていません。
ナビには、屋根の上のパパイヤの木の方が気になりました…。
まだ実の形もいていません
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屋根の上のパパイヤが気になる・・・
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土鳳梨
ここ数年来、「微熱山丘」のおかげで台湾土着の土鳳梨が脚光を浴びています。郭さんのお父さんたちが作っていた時代は酸っぱくてそのまま食べられないと捨てられていたものが、今では多くの店が土鳳梨を使用するようになったことから、土鳳梨は安定した価格が保てるようになったそうです。土鳳梨は農業用語では2号、3号とも呼ばれ、5,6月の収穫時期が一番甘いそうです。温度が低いと甘味が下がるので、冬場収穫されたのは酸っぱいのが特徴。この酸っぱさがいいという人も多く、ナビも土鳳梨の酸っぱみが感じられるパイナップルケーキが好きですね。繊維が荒いため、パイナップルケーキを筆頭にジュースやジャム、塩漬けなどの加工品に多く使用されますが、甘い時期はとても濃い香りを放ちます。土鳳梨の生産量は、全体の5%だそうです。
次に向かった畑は、入って左から蘋果(りんご)鳳梨、西瓜(スイカ)鳳梨、そして、17号の金鑚鳳梨。4~5月になると、蘋果鳳梨、7~8月は西瓜鳳梨が収穫されます。蘋果鳳梨は葉っぱも赤いです。そして、西瓜鳳梨はスイカという意味だけあって、普通サイズで3キロ、大きいものだと5キロもなり、人の顔の大きさにまで成長するそうで、葉っぱも実も青々しています。通常パイナップルは黄色い状態がおいしいとされていますが、西瓜の品種に限っては、黄色くなるともう食べられないそうで、緑の状態でいただきます。
ナビも収穫!
一面に広がる17号金鑚鳳梨の畑で、ナビも採らせていただきました!カバーが散らかっていますが、ちょうど今収穫の時期だそうで、残っていたパイナップルをナビも採らせてもらいました。葉っぱが硬くてチクチク突き刺さりますが、作業する人たちは厚手のズボンの上に雨合羽のようなものを着ます。熟したパイナップルは、ちょっと横に折るとすぐポキッと採れました。
甘くて、ジューシー過ぎる~
最近注目されているのに蜜梨、またの名を夏蜜鳳梨という品種があります。
部屋に置くだけで部屋中にいい香りが充満するという品種で、名のとおり夏が旬なので、5~8月に収穫され、部屋に置くと1週間はいい香りが持続するそうです。蜜梨と同じくいい香りを放つのに香水鳳梨という品種もあります。こちらは収穫期が少し早く4~5月。香水の方が蜜梨より小ぶりで、味は酸っぱいと言われています。フルーツの香りはマンゴーなどもそうですが、人を幸せな気持ちにする効果がありますね。郭さんの話では、今後蜜梨のマーケットは大きくなってくるよとのことでした。
ドライパイナップル
20代で父の後を継いだ郭さん、今では家業を屏東を代表するパイナップル農家の一つに成長させました。フレッシュだけでなく、ネットでしばしば売り切れとなるほどの人気商品のドライパイナップルも販売し、ナビはこの日、日本から商談で郭さんを訪問していた貿易会社の人にもバッタリ会いました。日本語のパンフレットもあり、ドライは日本のWEBサイトoisixでも販売中です。
ドライは台湾では一箱499元(16枚入り)。その場で試食をしたナビですが、中はしっとり、パイナップルの甘味も酸っぱみもしっかり感じられます。この箱には17号のパイナップルがなんと3個分詰まっているのだそう。ビタミンいっぱい、甘くてさわやかな味でした!
郭さんの農家は蜜棗も栽培しています
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こうやって皮を剥いて、まるごといただくのが屏東流!
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以上、台北ナビでした。