風の街新竹の代名詞「ビーフン」!真のビーフンを求めてビーフン工場へ潜入~♪
こんにちは、台北ナビです。
風の都市「新竹」。代表的な食べ物と行ったらビーフンですよね!炒めてもスープに入れてもおいしいビーフン。知っているようで実はあんまり知らないビーフンについて勉強してきました!
ビーフン工場へ潜入!
ビーフンを漢字で書くと「米粉」。そう、お米から作られる麺です。しかし、最近では100%お米から作っているのは新竹で3軒しかないと言われています。
それは、100%お米を使って作られるビーフン(純米米粉)は切れやすいという欠点があるためと言われています。それを補うためという理由をつけて、コーンスターチを混ぜているところがほとんどです。コーンスターチを使用すると、製造工程もかなり減少させることができるため、安価に供給できるということにもつながっており、台湾市場でもよく見かけるのはコーンスターチを混ぜたものです。しかし、純米米粉は風味が全く違います。日本ではほぼ手に入らないと言われる純米米粉がどのようにして作られているのか、探ってみました。
どう見分けたらいいの?
① 純米米粉→お米含量100%。100gのビーフンのうち7g前後のたんぱく質が含まれています
② 調合米粉→お米含量が50%以上。100gのビーフンのうち3.5g以上のたんぱく質が含まれています
③ 澱粉絲、炊粉、水粉など→お米含量50%未満。たんぱく質含量が100gのビーフンにつき3.5g未満。
蛋白質をご覧あれ!7.8gも含まれています♪
台湾のCNS1172号規定によると上記のように分けられるビーフン。成分表でたんぱく質の割合を確認するのが一番確かな方法ですが、もっと簡単に見分けるには色を見てください。
お米100%のものは少し黄色がかっているのが特徴です。そういえば、ジャーに残った白ご飯は、時間が経つと真っ白ではなく、黄色っぽく変色しますよね!ついつい真っ白の方が衛生状態がいいんじゃないかと思ってしまいがちですが、そうではないんですね。
スーパーではまず黄色みがかっているものをチョイスし、成分表でたんぱく質の欄を再度確認!をオススメしますよ。
ちなみに台湾で純米米粉に合格しているのはなんと6種類のみ!台湾国内でも手に入りにくいんだとか…。
ビーフン屋に嫁ぐ時は涙をぐっとこらえて…
今回ナビがお邪魔したのは伝統的なビーフン作りにこだわる「永盛米粉」さん。純米米粉合格の6種類のうち3種類(「聖光牌100%純米米粉」「聖光牌100%純糙米米粉(玄米から作られたビーフン)」「緑主張(主婦聯盟)」)がこちらで作られているもの。
国も認める品物作りの秘密は「17工程もかけてビーフンを作る」点にあると言われています。昔ビーフン屋に嫁ぐ女性は「こんな大変なところに嫁入りするなんて嫌だ…」と泣いたと言われています。最後はぐっと涙をこらえたそうですが、そんなに大変なのは朝3時から重労働をするからなんだとか。「永盛米粉」さんの製造方法はその昔からの方法を採用しています。
ナビが訪れた夕方にはその日の作業はほとんど終了していましたが、工場の中を見せていただきました。
17工程をご紹介!
① お米を選ぶ
② お米を研ぐ
③ お米を水に浸ける
④ 水漬けしたお米をそのまますりつぶす(いわゆる米漿を作ります)
⑤ 脱水
⑥ 一次練り
⑦ スクリュー状の団子にする
⑧ 半熟まで蒸す
⑨ 二次練り
⑩ 糸状に押し出す
⑪ 完熟まで蒸す
⑫ ビーフンをマッサージする
⑬ 形を整える
⑭ 裁断
⑮ ビーフンの絡まりを解く
⑯ お箸で形を揃える
⑰ 乾燥させる
一次練りと二次練りはこれで!
|
|
スクリュー状で出ています
|
伝統的な型をセッティングし…
|
|
この機械で押し出せば細~い麺が出てきます
|
工場の横で干されているビーフン。風が強いため、そうめんのようにカーテン状には干せないそうです
これはおしゃれ!お土産にオススメのカラフルビーフン♪
「本当はもうお店を畳もうと思っていた。」という四代目の「曾銘耀」さん。そんな時、米粉は米100%でないものばかり!というニュースが台湾中を駆け抜けました。純米米粉を昔から正直に作ってきた「永盛米粉」さんが注目されるのは想像に難くなく、注文数もぐんと伸びました。昔ながらの製造を守り、おいしいビーフンを作り続けるという当たり前のことを当たり前に続けてきたまじめさ、正直さが認められたようで、部外者のナビも何だか嬉しくなっちゃいました。
伝統を守るだけでなく、若さ溢れる曾夫妻は、野菜をプラスしてカラフルなビーフン作りに着手。これは調合米粉に分類されますが、お米以外は野菜の成分のみという健康にも良い、そして見ても楽しめる商品です。例えば聖光牌番茄蔬果調合米粉(トマト練りこみビーフン)は麺自体にトマトの酸味があるため、海鮮に合わせたり、タイ料理やパスタの替わりにも使えるそうです。他にも、かぼちゃ、さつまいも、しいたけ、牛蒡、ほうれん草や台湾らしくタロイモ入りというものもありました。
パッケージもよ~くみれば加えている野菜の絵が描かれているんです!こだわっています♪
カラフルビーフンは200g130元で販売しています。
また、贈呈用に一人前に小分けをしたビーフンが4袋で1箱300元、4箱を1セットにしたものは1200元と見栄えも◎。台湾では、結婚式の際、引き出物にお米を渡すという古くからの風習もあるそうで、「米より軽くていい!」とこのセットを贈る方もいらっしゃるそうですよ。
純米米粉は調理も簡単☆
プチプチと切れやすいと言われる「純米米粉」。しかし、調理法を少し注意するだけで、その欠点は補えます。
焼きビーフンとスープビーフンで調理法は少しだけ異なるので、別々に紹介します。共通するコツは「ビーフンを水に浸さない!!」という点にあるようです。お料理の工程がひとつ減るというのは、料理する側からしても嬉しいですよね。
焼きビーフン調理方法
① ビーフンを水洗いし、お皿に乗せる(この際、水に浸す必要はありません)
② フライパンに油を引き、しいたけ、エビ、お肉などを炒め、醤油や塩などで味を調える
③ ここで水を適量入れて煮込む。スープに味が沁み込んだところで、ビーフンとにんじんやキャベツなどの野菜を加え、箸を使って炒める。
(水の量は100gのビーフンにつき170cc)
④ ビーフンが水気を吸った後、蓋をして火を止め、3分ほど蒸らせば完成
かぼちゃをミックスしたビーフンはこんな色!
|
|
純米米粉
|
|
純糙米米粉(玄米から作られたビーフン)は純米米粉よりも色が茶色みがかっています
|
どれも、お米の風味が感じられてうまし~♪ |
スープビーフン調理方法① スープに味付けをして、煮たてる
② 沸騰後、ビーフンを入れ、再び沸騰したところで火を止めると出来上がり。
特別に形を揃える工程を体験させていただきました
無駄なものは加えない。そんなシンプルな強い思いが、工場を持ちこたえさせた「永盛米粉」さん。
こちらを訪れた後、ナビはスーパーでビーフンを見かけるとすぐ色を見て、成分表を見る癖がつきました。他のものより値は少しだけ張りますが、やっぱりいいものはいい!今後もお世話になりますよ♪そして、伝統を守り続けるのは大変なことなのに、曾夫婦の笑顔がキラキラ輝いています。この笑顔に会うために、またこちらを訪れたいなぁと思いました。