花やハーブの香りに癒されながら、おいしい花料理をいただく、人生の極楽とはこのことかもしれません
こんにちは、台北ナビです。今日は、苗栗県の山へやってきました。「苗栗」という地方名自体、知らない人も多いと思いますが、新竹の南、台中の北に位置する台湾で2番目に小さな県(一番小さな県は雲林県)です。卓蘭はイチゴやブドウ、枇杷の生産地としても有名で、車でいくと、まさに果樹園の中をくぐり抜けているようでした。深い山道へ入っていく途中には、鯉魚潭という底が透き通って見える緑色の湖がありました。こんなところにアロマオイル博物館をもつという観光花園があるのか?ナビの疑問を打ち消すように、道沿いには民宿もあちらこちらと増えてきています。自然を求めてどんどん山へ向かっていく台湾の人たちの意気込みを感じました。
まさに花園
山の頂上に近づいてくると、ありました!入口の左側には精油博物館という看板があり、ここで入場料を払うことになっています。1人100元ですが、園内の最低消費額が100元なので、食事などで消費するときに引いてくれます。さて、入りましょうか?甘くて、いい花の香りに引き込まれ、園内に足を踏み入れたナビたち。すぐ右側に「垂葉女貞」(中国語)という白い花が、積もった雪のように幾重にも垂れ下がっていました。鼻を近づけたナビ。香りの正体は、これだと確信。これから中へ入っていくのに、胸がワクワクしてきました!
園内は花だらけ
台湾は亜熱帯なので、日本にはない熱帯の花を見つけてはホォと感心。また、日本にあるものを見て親近感を覚えたり。色彩豊かな花たちの間を、きょろきょろしながら歩くナビです。
鮮やかな紫陽花、赤いのなんて初めて見ました、ちなみにこの日は梅雨ではなく3月4日
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「蔓陀螺」といって、4色あるそうです。いい香りがしますが、微毒があり、麻薬のような作用をもたらすそうです、ご注意
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「金年花」という食用花、ピリッとワサビの味がするのが特徴的
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池には蓮の花、水も景観の一つとして欠かせないものです
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レストランへ入りました
「花露香草能量花園」へ来る人たちは、花を愛でるためもありますが、多くはこちらの花料理が目的で来るそうです。まずは、3月なのに30度近い陽気だったので、オーナー陳基能さんが、花やフルーツがどっさり入った冷たい特製ドリンクで迎えてくれました。パイナップルケーキ、金柑、レモン、リンゴ、金年花などが入っていて、さっぱりとした味がのど越しよく、ゴクゴクと一気に飲んでしまったナビです。
白い花は、「素馨」といい、これもいい香り
花・ハーブ料理を食べました
では、食事の時間です!色あでやかな料理に、思わずお腹もグルグル反応してきました。どれから先に箸をつけようかなあ。
水果海鮮鍋巴・・・水果海鮮鍋巴魚の白身のフライをイチゴの甘酸っぱいタレで絡め、イチゴそのものも入っている料理でした。魚が柔らかく、口の中でとろけました。甘酸っぱいソースとも絶妙な組み合わせで、上品な味でした
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大和風山珍海味・・・見た目もきれいな、アスパラガス中心の野菜料理。炒めてあるのですが、エビやマッシュルームも入っていておいしかったです
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蒜泥鮮蝦・・・リンゴ、イチゴ、キウイ、レンブなどの果物サラダのうえに海老がのっかり、ニンニクが効いたドレッシングがかかっています。さわやかな味で、ナビは一番おいしいと思いました
イモごはん・・・「花露香草能量花園」で有名な料理のひとつです。ご飯に蒸したイモが乗っかってるだけでしょと思う人も多いでしょうが、このイモがおいしいんです。イモだけ食べて、ご飯は要らないって人もいるくらいだとか
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草茶山雞・・・「香峰草」というハーブを練りこんで、スモークしたチキンです。うまい!骨もほとんどないので日本人にも食べやすく、皮も脂っこくなかったのでパクパクいけました。このチキンも外せない料理のひとつ
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細香蔥鮮魚蒸・・・シンプルに蒸しただけの魚の料理ですが、うまい!陳さん曰く、魚は釣ったばかりの新鮮なのしかテーブルには出さないからねって。肉がホクホクと踊っているようでした
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パパイヤの酢漬け・・・これは、サービスで出てきたもので、いつもあるとは限らないのですが、うまい!これで白いご飯も食べられます
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2200元で8品という6人向きのセット料理があり、2700元、3300元と一品ずつ増えていきます。単品料理は、250元~。飲み物はラベンダーミルクティーなどのハーブ茶系は150元、コーヒーは100元~、アイスフロート150元~、おつまみ各種100元、食事は鍋セットなどが380元~で、サラダ、小皿料理、スープ、花茶、デザートがついています。アフタヌーンティーセットは150元/1人で、お茶菓子も4,5品ついてきます。
レストランの外のラベンダー畑では、列車に乗ることができます。ここには、情人椅という恋人たちのためのコーナーもありました。このコーナー、幼稚園の滑り台だったのを陳さんが改装したのだそうです。環境保護にも熱心な陳さん、利用できる廃棄物は引き取って、園内の各所に用いているそうです。さて、このラベンダー畑の片側を走る列車ですが、1人30元。大人も乗れます!
ハーブ園
200~300種のハーブが園内には植えられています。少し紹介をしてもらいましたが、台湾にしかないハーブも多いのだということがわかりました。台湾シナモンの葉は指で軽くこすっただけで、シナモンのいい香りがしました。
アロマオイル博物館
アロマオイルは、3000年以上前からエジプト人によって使用されていました。その昔は、香りを楽しむだけでなく、化粧品や薬の作用も兼ねていたのです。そして、台湾のアロマオイルの歴史ですが、日本統治時代の樟脳から始まっています。台湾では多い樟脳の木を、主要産業として成り立たせてきたのは日本人でした。かつては、この地方に研究所も設置されていて、様々な種類のアロマオイルが作られていました。
アロマショップ
園内には標識があって、どこに何があるのかわかりやすいです。ナビたちはショップに入ってみました。頭髪が落ちないハーブシャンプーなんてのもありました。増毛とは違うみたいですが…。せっけんも色とりどりできれいだし、ジャスミン、ラベンダー、ローズ…それぞれのいい香りがします。
山の中のステキな花園とアロマオイル博物館、そして季節の花や野菜や果物がどっさり盛られた料理の数々。台湾では、意外なところに驚きと感動を与えてくれるものがあるのです。さらにナビがうなってしまったのは、こんな山の中にまで、かつて日本人が開発と研究のために入り込んでいたこと。台湾の旅は、新しい発見だけではなく、自分のルーツを振り返りたくなるような奥深いものがあるのです。台北ナビでした。