教育分野で60年以上の歴史をもつ中国語の語学センター「国語日報」、台湾では1、2を争う優秀な学校なのです
ニーハオ!台北ナビです。今回は中国語の語学センター「国語日報」にやってきました。ナビももとはといえば台湾には中国語の勉強で来たのですが…机に向かって勉強をしなくなってから、かれこれ1年半…。今日は学生に戻ったつもりで、「国語日報」について、いろいろチェックしたいと思います!それでは~。
なが~い歴史
MRT「古亭」駅から徒歩約7分。大通り“羅斯福路”沿いに11階建ての立派なビルがそびえます。それが「国語日報」のビル。この2階が語学センター受付です。語学センターのわりには立派すぎると思ったら、親会社「国語日報」は新聞も発行する出版会社。1948年に創立され60年以上の歴史があるのです。主に教育関連の出版物を発行、販売しています。幼児教育から大学生レベルまでの総合的な教育出版社というわけで、語学センターは、「国語日報語文中心語文班」として1973年に創設されました。今では台北でも各大学に中国語の語学センターが設けられていますが、当時は「国語日報」を含めても2、3校のみ。あの中国語教育で有名な台湾師範大学の語学センターとも同時期の創設で、台湾で1、2を争うほどの優秀な学校なのです。1989年には、歴代最多1000名以上の学生数を抱えていたとか。2010年1月に、現在の「財団法人国語日報社付設 台北市私立国語短期補習班」という正式名に改名しました。
今日ナビは校長の朱錫林先生とベテランの宋先生にお話を伺いました。現在こちらには20数名の先生がいらっしゃるそう。女性の先生が中心ですが、どの方も中国語教育を学んだベテラン揃いだとか。基本的に授業は初級から中国語のみで行われます。「どうしても…」という時だけ英語も使います。日本人学生も多数在籍しているそうで、現在は約30名。全体の4分の1を占めています。授業の時間帯は留学生には午前中が人気。駐在の方や仕事がある方は夜の授業を受けています。また、夏休みだけの短期の方も多いそうで、7、8月には3倍近くグンと学生数が増えるといいます。
「国語日報」のホームページでも詳細を確認することができますが、現在のところ申し込みは直接2階の受付で。それからレベルテストを受けてクラスを決めることになります。受付スタッフは基本的には中国語か英語。日本語勉強中のスタッフも何名かいらっしゃるので、運が良ければ日本語OK。日本語のパンフレットも準備中でした。2010年4月からはホームページ上でレベルテストを受けることも可能になるそうです。
ところで、朱校長がいきなり「本をあげるよ~」と。「ありがとうございます!」とお言葉に甘えてナビが受け取ろうとすると、作者の欄には校長先生ご自身のお名前が。朱校長は小学校の校長、「国語日報」の講師などを経て、現在の校長職に就かれました。傍ら執筆活動もされているそうです。ナビがいただいたのは幼児教育の絵本。これならナビも不安なく読めますね!
入学時期、クラス分けなど詳細
入学は毎月可能!毎月20日から月末までに入学申し込みとレベル分けテストを受ければ、月初めにそれぞれのレベルに応じてクラスに入ることができます。学習時期は自由!最短なら1日でもOKだそう。旅行客だって体験学習できちゃいますね!この場合は、月初めでも関係なく相談してみてください。
*クラス分け*
常態班:グループ班と個別班の2種。グループ班はレベルに応じて3~9名ほどの班に。個別班は1対1です。
密集班:最低3ヵ月の学習を目標とする班。毎週最低15時間以上の学習時間となります。レベルに応じてさらにクラス分けされます。
主なクラスは上記の2タイプ。そのほか、夏休みなどを利用した子供向けのクラスや団体クラスなども…
*授業時間*
授業は月曜~金曜日の週5日。下記の時間帯から選ぶことができます。個別班の学生は時間や回数など、自由に選ぶことができます。
08:10~10:00、10:10~12:00、13:00~14:50、15:00~16:50、17:00~18:50、19:00~20:50
授業は毎回間に10分間の休憩を挟んでの前後50分。実際には100分間ですが、1日分は2コマ(110分)として費用が計算されます。
*レベル詳細と教材*
初級:基礎会話、注音(ボポモフォ)の発音練習
「看図学華語」=絵や図形で学ぶ中国語、「初級華語会話」、「華文課本(1-3)」、「実用視聴華語(1-2)」など
中級:「華文読本(4-6)」、「中級華語会話」、「新編初級説話課本」、「実用視聴華語(3-4)」、「今日台湾」など
高級:「実用視聴華語(5)」、「読報学華語」、「国語日報」、「現代散文」、「小説」、「迷你廣播劇」、「古文選読」など
選修:中国現代/古典文学類、中国歴史、文化課程、書法、写作など
*入学に必要なもの*
常態班:パスポートチェック、申請書記入、写真一枚
密集班は上記以外に下記の提出が必要となります。
パスポートコピー、写真一枚、5,000米ドルもしくは15万台湾ドル以上の財力証明書、学習計画
*費用*
常態班
グループ班:8000元/月 (月~金1日2時間の授業が受けられます)
密集班
30.000元/毎期(3ヵ月)
※この他にも個別班・二人班・華語高級班があります。費用等は直接学校へ問い合わせてください。
設備は?
主な教室は2階になります。全部で12教室。各教室とも20名ほど収容できる広さがあります。視聴覚室もあり、VCD、DVD、ビデオテープ、大画面に写せるプロジェクター(パソコン接続可能)、14台のオーディオデクテーション設備つきの机があります。学生は無料で学校や自分の資料を使うことができます。
6月から8月の夏休みシーズンは300~500名の生徒であふれかえるらしいですが、平均して常時150~200名の生徒が登録されているとのことです。日本以外ではアメリカや韓国からの生徒が多いとのことですが、インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、ビルマなどアジア圏、ドイツ、イギリス、フランスなど欧州からも生徒が来台するとのことです。
授業は?
授業は、どのレベルも各クラスとも先生が2名で担当します。たとえば、月・水・金がA先生で、火・木がB先生、という具合に。同じ先生で飽きてしまうことを避けるためにもいいことだなと感心しました。
初めての海外留学の人でも、和んだムードで授業を受けられます。やさしく、じっくり中華民国独自の発音記号「注音符号」(通称・ボポモフォ)から教えてくれるので、まったく中国語ができない人でもチャレンジできます。「国語日報」のポリシーとして、あくまで正確に中国語の発音を表すことができる「注音」にこだわるとのことです。他の語学学校がアルファベットをつかった中国大陸の「ピンイン」を採用するところもあるのですが、「注音」で学んだ方がより発音がよくなる、とナビも聞いたことがあります。アルファベットでは表しきれない音が中国語にあるからです。ただ、ナビのようにすでに日本などで「ピンイン」で学んでいる場合、特に中級以上のクラスなどでは希望により「注音」と「ピンイン」両方で授業を進めてくれるそう。(文字は繁体字です)
修了証明書も
学習終了後、全ての学生に修了証明書が出ます。最後には、学習記録書(Record of Study)も。学習開始年月日と終了年月日、習得のレベルパーセントなどが記載されています。また、在籍証明書もビザ発行に必要なときは発行してもらえますので、長期間台湾で学習するときには、受付で早めに取得しておくことをおすすめします。
教材費は費用とは別払いです。「国語日報」の1階には書店が併設されているので、いつでも購入可能。辞書もありましたが中日・日中など日本語の辞書はありませんでした。教材以外にも絵本などもたくさん販売されているので、中国語初学者の方など、絵本で勉強するっていうのもひとつの手ですよ。
ナビも初めて見ました!「国語日報」新聞。これは、たくさんの台湾の小学生が読んでいる子供新聞。どの字にも「注音」が付いていて、外国人にとっては立派な教材になるのでは…内容は、子供の作文なども載っていますが、きちんと台湾の最新ニュースも知ることができます。
もちろん「国語日報」一筋!というのもいいですが、ナビ友は以前、ほかの学校で勉強して、発音強化のためにこちらの個別班に合わせて通っていました。仕事のある場合は夜だけ、など…時間が自由になるのも「国語日報」のいいところ。中国語を学んだら、台湾の魅力をより深く知ることができますよ~!
以上、台北ナビでした。