4500点ものコレクションを持つ広々とした美術館、いつ、何回訪れても多くの作品を鑑賞できます
こんにちは、台北ナビです。
「台北市立美術館」は1983年12月にオープンした美術館で、2013年12月で30周年になります。展示は約3ヶ月ごとに入れ替わり、常に3つほどの展示があるのでいつ、何回訪れても楽しめます。
ナビたちが訪れたときにはコレクション展、現代美術展、写真展とそのジャンルも違っていました。より多くの作品を鑑賞したいという方にオススメです。
★毎週土曜の17:30~20:30は無料なのですが、さらに30周年を記念して2013年12月1日から2014年11月30日までは毎週金曜日は無料で展示を見ることができます!
広々としたロビー
メインの入口外には台湾の彫刻家、朱銘の作品を見ることができます。中に入るととても広く、天井も高い開放的なロビーと今、見ることのできる展示の大きなのぼりが迎えてくれます。
左手にあるのが朱銘の作品です。
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のぼりも圧巻です。
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16,847,987人
この数字は美術館が開館してから2012年11月までの入場者数だそうです。30周年記念として1年を通して様々な活動が行われています。ナビたちが伺ったときには入口近くで美術館へのお祝いのメッセージを書いてフェイスブックにアップしようという活動が行われていました。側のモニターでも見ることができましたが、30周年おめでとうや30歳Happy birthday!など思い思いのメッセージやイラストを描いたお客さんたちの写真がアップされていました。みんな楽しそうです。
中国語、英語のガイド
美術館作品解説ガイドは、1日2回、10時半からと14時半から、こちらは中国語で予約不要です。
英語のガイドは週に3回ほど、その他手話のガイドも行っているそうです。日によってどの展示のガイドになるかはインフォメーションでお問い合わせ下さい。
この美術館にはショップが2つあります。
ひとつは1Fにオリジナルグッズやアーティストのグッズ、おみやげなど。
もうひとつは、地下1Fに美術関係の本を主に置いてあります。1Fのショップでは多くのアーティストのポストカードを買うことができます。台湾のアーティスト陳其寬さんのポストカードは、猿が人間らしくユーモアに描かれています。顔水龍さんの作品はモザイク画です。MRT「劍潭」駅近くの劍潭公園で本物の作品を見ることができるそうですよ。
また、以前25周年記念のときに開かれたコレクション展の図録もおいてあります。こちらは日本語版、英語版もそろっています。
アーティストのオブジェからかわいらしい雑貨まで。子どもも喜びそうなものがたくさんありました。
25周年記念のコレクション展の図録です。日本語版があるのが嬉しいですね。
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子どもも喜びそう!
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まずはコレクション展へ
今回は3つの展示を見ることができました。
まず2Fでは「斜面連結INTERSECTING VECTORS」というこの美術館のコレクション約4500点の作品のうちの約160点の展示です。今回は大きく3つのテーマ、待續To Be continued、失重weightless、我在中山劉公館Me at Lius Homeに分かれています。
ひとつ目の部屋はフランスのサロンスタイルの展示方法で、赤い壁に作品が3段にも飾られていて、部屋に入った瞬間に迫力を感じます。しかし、絵や写真を1枚1枚鑑賞していくと、台湾の風景が多くを占めていました。台北駅を描いた作品もありました。顔水龍さんの油彩「蘭嶼の風景」、タオ族の船をモチーフにした人や自然の美しさを感じる作品です。
絵画だけでなく、現代のインスタレーション作品もあります。こちらは淡水や八里、蘆洲など台北の地名が書いてあります。気になったので聞いてみたところ、それぞれの場所でとった川の水が実際に入っているそうです。
こちらは日本人、日下淳一さんの作品「超越認同Across Identities」です。一見スーツのように見えますが、その素材にご注目。毛布やハローキティ柄の布を使ってスーツの形やネクタイまでも作っています。さらに見て行くと、派手なピンクの工場服や真っ黒や真っ赤な医者、看護師の白衣まで。毛布でネクタイのようなオフィシャルなものを作ったりなど、概念を壊すということが表現されています。
毛布素材でできていますが、形はスーツ。
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よく見るとキティちゃん柄!
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家ではなくここは展示室です!
こちらは展示空間をひとつの家と見立てています。玄関を入るとそこには美術館らしからぬ空間が広がっています。ソファーやピアノ、ベッド、小さな庭、なんとバスルームまで。もちろんバスルームは使うことができませんがソファーや椅子には自由に座ることができるので、鑑賞者の方もリラックスして鑑賞できますね。自分の家にも作品があったらこんな感じなのかなと想像が膨らみます。
家の展示室を出てとなりには小さな部屋があります。ここでは台湾のアカデミー賞にあたる第50回台湾金馬賞で最優秀監督賞を受賞した蔡明亮監督の約3分間の短編作品「是夢Its a dream」を鑑賞することができます。映画館をテーマにした作品です。置いてある椅子も昔ながらの映画館を思い起こさせますね。出演は同じく最優秀男優賞の李康生です。
上から見るロビーも圧巻です
階を移動して次の展示を見に行きます。エスカレーターに乗ると先ほどの入口ロビー全体が見渡せます。3Fまで吹き抜けになっているのでこの空間を利用した展示も行われているそうです。
1Fでは「迫 聲音Imminent Sounds」という現代美術の展示です。映像作品が多く見られました。Falls and Crossingsという副題がついており、その2つを主軸として構成されています。
この展示で特に目をひいたの天井から釣下っている作品です。すごくきれいなのですが、よく見るとたくさんのビニール袋に水が入っています。こちらを熱心にスケッチをしてる方もいました。
台湾人写真家の個展
最上階3Fは台湾の写真家、張照堂さんの個展です。張照堂さんは1943年生まれの71歳、今も現役で活躍されています。その多くは白黒写真です。撮っている被写体は人の顔や台湾の風景京など様々です。いろんな方の写真を撮っていますが、特に舞踏家や画家など芸術家の顔が多く展示されていました。ほぼ白黒なのですが、ある一面だけカラーの作品が見られました
写真の他にインスタレーションの作品や現像室を再現した部屋、そしてドキュメンタリー映像もあり、ここでは台湾の「迎王祭」(王爺を迎え入れる祭り)の映像を見ることができました。
地下1Fはカフェ、ショップ、展示とバラエティにとんでいます
地下1Fのロビーです
地下1Fにも展示スペースがあるのですが、ちょうど展示の入れ替え期間でした。
さらにこちらにはもうすぐ子どものための美術館ができるそうです。
こちらの美術館は教育活動にも力を入れているのでとても楽しみですね。
子どもにも嬉しいカフェ
イタリアンカフェ「Cosi O Cosi 」もあり、サラダやパスタなど軽食が食べられます。この美術館は展示スペースがとても広いので休憩をするのにぴったりです。
客席の中にはこどもの為のプレイスペースもあり、絵本やおもちゃなども置いてあったり、子どもが喜びそうなカラフルなお皿も用意されています。また、お子様ランチを注文するとクレヨンがつくなど子どもの美術館のオープンに合わせた工夫をされています。
お店の入口には手作りのイタリアンジェラートが目立っていました。シングル90元、ダブル170元です。種類も豊富でパッションフルーツやグアバ、レモンのお酒など珍しいものがあるのも嬉しいですね。
これからは偶数年に行われる台北ビエンナーレ(大規模な国際展)や台湾の公募展などが開かれるそうです。
展示の他にもアーティストのトークショーやワークショプ、親子連れのための体験イベントなどが催されています。
以上、台北ナビでした。