台東・成功の歩き方。魅力あるスポットがいっぱい!小さな港町を歩いて散策しよう
こんにちは、台北ナビです。
台湾の東海岸に位置する成功は、カジキの突きん棒で有名な漁港。2017年日本で公開された酒井充子監督のドキュメンタリー映画「台湾萬歳」の舞台でもあります。
ここは徒歩で回れる小さな港町。新鮮な海鮮料理レストランはもちろん、日本統治時代の史跡やご当地スイーツ、レトロで懐かしい雰囲気のリノベカフェなど素敵なスポットがいっぱい!
久しぶりの台湾をなじみの台北で過ごした次は、のんびりとした港町を歩いてみませんか?
それでは、台東・成功の旅へと参りましょう!
【観る】観光は日本ゆかりの場所へ
成功に来たら、まず行っておきたいのが「成功漁港」でしょう。別名「新港漁港」。地形を活かした港造りは、日本統治時代よりはじまっていました。
カジキ・カツオ・マグロ・シイラなどの新鮮な魚が水揚げされる港
カジキの突きん棒漁はまさに日本文化の名残りです。船の先端に立ってモリ1本で仕留めた魚は傷が少なく、捕獲後すぐに瞬間冷凍できることから鮮度がピカ一と高値で取引されています。
けれど、大変な危険が伴うため、成り手は減少の一途。現在成功の突きん棒船は14艘のみ、年間100匹ほどの捕獲といわれています。
そんな漁師たちの安全を見守るのが、「成功萬善廟」です。漁港となりの高台にあります。
ここを参拝した漁師さんが、大漁の願いを聞き入れてもらったお礼にと木製のカジキを献上したとか。このカジキ各部位に触れると、触れたところがよくなるそうです。ナビも目に触れてみました。
もう1つ外せない場所、それは「旧菅宮勝太郎邸」です。
菅宮氏は1922年新港支庁長に就任後、インフラ整備や漁港・道路の建設を進め、地域の発展に寄与してきました。そんな氏の邸宅をリノベーションし、資料館として開放されているのがここなんです。
当時の台湾南東部では珍しい木造の2階建て家屋
菅宮氏はこの地が気に入り、最期のときまでここで過ごしました。彼と地元台湾人や原住民との間にはさまざまはストーリーがあります。
そして今、ここが現存するのは地元出身の陳韋辰さんをはじめとした大勢の人の尽力があってこそ。昔も今も日本と台湾の絆を感じずにはいられない場所でもあります。
【食べる】漁港ならではの海鮮グルメと訪れたい地元の人気店
診療所の雰囲気を感じるリノベカフェで漢方ドリンクを
菅宮邸のとなりにあるのが、「
成功老屋X眺港Café」です。菅宮氏の家族がこの地を去り、次に買い取ったのが開業医。母屋となりに診療所を建てて患者を診ていたとか。現在は漢方医のご主人とその奥さんがカフェを開いています。
オーナー夫妻
漢方素材を取り入れた医食同源なメニューも並びます。身体にいい上、おいしい!リノベカフェならではのレトロな雰囲気も楽しめますよ。
漢方茶できれいに、元気になろう
港町で海鮮料理を楽しみたいのなら、「旗遇海味」へ。「カジキの達人」と呼ばれた買い付けの名手・林寶山さんを父に持つ林昱濱さんがはじめたレストランです。
港のすぐ脇にあり、絶景が臨めるだけでなく、父親譲りの目利きで選んだ新鮮な魚がいただけると評判です。
刺身の盛り合わせ
さまざまな漁法ごとにメニューが分かれているのも楽しい!どれを食べても絶品でハズレがありません。オリジナル商品をお土産にするのもおすすめですよ。
カジュアルに魚介類を味わいたいときは、魚市場の並びの食堂街へ。中でも「阿桃姐的魚干魯肉飯」が超おすすめです!
庶民的な食堂といった雰囲気
女主人の阿桃さん(桃ねぇ)は腕の立つ料理人。となりの漁港で水揚げされたばかりの新鮮な魚をさばいて調理しています。ご主人は漁師さん。なるほど、2人のコンビネーションでおいしい料理が生まれるというわけです。
看板メニュー「魚干魯肉飯」ほか、どれも美味
イチオシは魚の干物入りルーロー飯「魚干魯肉飯」。おなじみの魯肉飯のルーローにシイラの干物を入れて煮込んだものです。普通の魯肉飯よりコクがあって、出汁が効いていて、しっかりと味があるけれどしつこくなくて……ひと言でいうと「おいしい!」
「頂香早餐」は5時半~10時まで営業の朝ごはん屋さん。成功に宿泊したら、翌朝はこちらで朝食を済ませましょう。
飾り気のなさすぎるお店は知らないと通り過ぎちゃいそう。頭上の看板と人だかりを目印にしてくださいね。メニューは台湾式と洋式のミックスといった感じ。自分でピックアップするスタイルも楽しいです。
できあがったものからテーブルへ。そしてすぐに売り切れに……
テイクアウトしてホテルで食べるか、せっかくなのでお散歩がてら海辺まで歩いて、海を見ながらいただくのがおすすめです。
【買う】原住民スパイスやご当地スイーツをお土産に
伝統的な成功市場
地元の暮らしを見てみたいなら、「成功市場」へ行ってみては?室内型の伝統市場で、この地ならではの食材も豊富に並びます。
また、特別なお土産を探しているなら、「福和成餅店」へ。本店は街中にありますが、ナビは町外れにある「大同店」を訪ねてみました。
和のムードただよう福和成餅店(大同店)
名物はこの地域特有の月餅「封仔餅」です。月餅といえば、きれいな型押しの文様入りを思い浮かべますが、かつてそれらは高級品。誰もが手軽に食べられるようにと考え出されたのがこのシンプルな月餅なんだとか。
10個まとめた簡易パッケージが成功の月餅「封仔餅」
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ナビの推し「封仔餅」は断然ローゼル。甘酸っぱくて洋風パイみたい♪
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ここでは昔ながらのあずきやタロイモ、緑豆といった餡のほかに、台東らしいローゼル(洛神)味も販売中。お土産に最適です。
歩き疲れたら足裏マッサージはどうでしょう?「足跡再現」は、旧菅宮邸前にある複合型のマッサージ店。店主は台湾に足裏マッサージを広めた吳若石(ジョセフ・オイグスター)神父のお弟子さんだから、その腕に期待が持てますよ!
マッサージ椅子に座ると、窓の外には成功の海が広がります。サイコー♪ここで施術を受けたらリラックスまちがいなしです。お店はカフェも併設しています。絶景を眺めながらいただくお食事も悪くありません。
【泊まる】成功の宿なら日本人利用も多いここに!
菅宮氏のように、成功が気に入ったならぜひこの町にステイしてみては?そんなときにおすすめしたいのが、「新港民宿」です。
外から戻ると、フロントから日本語で「おかえり」と。でも日本語はこれだけかも?
民宿といっても旅館風のたたずまい。少々年季は感じますがきれいに改装済みで、清掃の行き届いた清潔な室内でのんびりできますよ。中心地にあるからアクセスも抜群。成功散策に最適な立地といえそうです。
■新港民宿台東県成功鎮民權路2號
(08)985‐4175
チェックイン:15:00
チェックアウト:11:00
http://xingang.tdbnb.net/
【足を延ばす】台東のシンボル「三仙台」にも行っとこ!
成功鎮の外れに位置するのが、「三仙台」です。ここは言わずと知れた台湾東部を代表する観光スポット、ここまで来たら行かずには帰れません!
台東といえばここ!「三仙台」は成功に
「三仙台」とは巨大な岩がある島のこと。伝説上の3仙人(呂洞賓、李鐵拐、何仙姑)が訪れた(らしい)ことからそう呼ばれているそうです。この島はアーチ型の橋(三仙台八拱橋)で結ばれており、歩いて上陸することもできるんです。
※現在工事中のため、渡ることはできません(工事予定:~2024年)
ここはお土産屋さんも充実しています。どちらも地元の農協と漁協の直営ショップだから、地元産の商品が多彩なだけでなく、ほかよりお得度最強!ぜひのぞいてみてくださいね。
台東・成功へのアクセスは?
観光バスみたいだけど、ここではこれが路線バス
台東県にあるので、台東空港か台鉄「台東」駅から成功へ……と思いますが、台北から直接行くなら台鉄に乗車し、「玉里」駅で下車するのが1番です。そこから8181バスに乗り、「成功総站」バス停まで。バス停は町外れにありますが、そこから主要スポットへは徒歩で10分ほど(「三仙台」へはバスで10分弱)でアクセスできますよ。
観光スポットをめぐるクルーズバス台湾好行バス「8101A東部海岸線」
また、滞在時間は短くなりますが、台湾好行バス「8101A東部海岸線」に乗車するのもおすすめです。成功漁港や三仙台だけでなく、東海岸エリアの主要スポットに立ち寄ることが可能です。
コンパクトだけど魅力的な町、台湾東海岸の成功漁港を訪れてみませんか?大都市にはない穏やかな時間を感じられるはずです。
以上、台北ナビでした。
【旅の予習】上記で紹介したスポットをもう一度おさらい!