新竹から電車に揺られてローカル線トリップ!終点の内湾は客家文化を育むホットな観光スポット!
こんにちは、台北ナビです。
今回は新竹から台湾ロコにも注目の山あいの村、内湾までを結ぶ鉄道の路線、内湾線をご紹介します。平渓線、集集線と並び台湾を代表するローカル線の1つである内湾線。以前は台鉄(台湾国鉄)の拠点でもある新竹駅と内湾を結ぶローカル線でしたが、2011年11月、高鉄(新幹線)新竹駅と接続する台鉄の駅、六家駅が誕生し、新たに六家駅と内湾線の竹中駅がつながり(六家線)、内湾線は高鉄の駅と新竹を結ぶ連絡線の一部として新たに生まれ変わりました。おかげで台北から新幹線に乗り、2度乗り換えればあっというまに内湾に到着!内湾は台北から日帰りで楽しめる観光スポットになり、週末ともなると多くの人が訪れています。そんな便利になった内湾線を見ていきましょう。
乗り放題のチケットもあり!
内湾線には1日乗り放題ができる「1日周遊券」があります。このチケットがあれば内湾線のすべての駅で1日何度でも乗り降りが自由。とりあえず内湾にしか予定はないけれど、もしかして途中の駅でも下りてみたくなるかも?そんな方にも1日周遊券がおすすめ。料金も内湾まで往復するだけの料金とあまり変わりません。1日周遊券は内湾線の出発駅である新竹駅や高鉄との接続駅である六家駅のほか、竹東駅や内湾駅など内湾線の駅、また台北駅や松山駅、板橋駅など台北にある駅でも発売されています。
内湾線へは?
台北から高鉄(新幹線)に乗り、3つめの新竹駅で下車。台北からは35分ほど。すぐ横に接続する六家駅から新竹行きに乗り、1つめの竹中駅で下車。時間にして5分ほど。向かいのホームから出発する内湾行きの列車を待ちます。ちなみに六家駅から新竹駅行きはだいたい30分に1本、内湾行きはだいたい1時間に1本。時刻表を確認し、なるべく待ち時間が少ない高鉄に乗りましょう。
また台鉄の新竹駅から行く方法もあります。台鉄の台北駅から新竹駅まで、各駅で1時間45分、特急の自強号で1時間10分ほど。新竹駅に寄るのはその駅舎を是非みておきたいため。1917年、日本統治時代に建てられた台湾最古の駅舎は風格があり、一見の価値あり!発車時間に余裕があれば新竹駅を出て、外から眺めてみるのもいいかも。上部だけならホームからも見ることができます。また新竹駅から乗れば、ローカル線を始発駅から乗ることができる楽しみもあります。
内湾線が発着するのは台北駅からの列車が到着するホームと別のホーム。「内湾線」の案内板にしたがって進みます。ただ現在、朝晩は新竹から内湾まで直通する列車が何本かありますが、昼間はほとんどが高鉄と接続する六家行き。内湾に向かうには途中の竹中駅で乗り換えることになります。
新竹駅からスタート!
それでは新竹から内湾まで全長27.9kmのローカル線に乗ってみましょう。内湾線は1947年、貨物運搬用に敷設された鉄道で、当初は新竹から竹東まで開通、1951年9月に内湾まで延長されました。
新竹を出発した内湾線は次の北新竹駅を過ぎると西部幹線に別れを告げ、東へカーブ。ここからはローカル線らしくない、高架となります。しばらく新竹の町を走ると、やがて左手の視野が開け、頭前溪の河川敷があらわれます。田畑地帯を走っていたと思うと、その間に2つの高速道路が頭上を交差。IT関連の大きなビルが横切るなど、ハイテクランドらしい断片が車窓を流れ過ぎてゆきます。
途中でローカル線の駅っぽくない、まるでMRTの駅のような千甲、新荘の2駅を過ぎ、新竹駅から約15分、次の竹中駅に到着。この駅も高架駅。ホームは2つあり、内湾に向かうにはここで下車します。地下道を渡り、隣りのホームへ。ここで内湾駅の列車に乗り換えます。
列車はロングシートで真ん中に半円形の仕切りがある、平渓線と同じようなスタイル。先頭や最後尾の窓からは運転士と同じ線路上の風景を眺めることができます。でもここは週末、子どもたちの特等席。鉄道ファンでもここは子どもたちに譲りましょう。列車の外側も天井などのデザインもアニメっぽくかわいい感じ。また吊革もかわいい。
途中の駅では
列車は竹中駅を出発。高架区間も終わり、ローカル線の雰囲気に。新幹線の高架線と交差します。
まだ町中にある上員駅、高い団地も建ちだした栄華駅を過ぎ、次の竹東駅は単線の内湾線が上下線で交差する数少ない駅。赤い瓦屋根も日本風。竹東は新竹の東にあるちょっとした規模の街ですが、竹東駅は町の中心からやや離れた場所にあり、街歩きするにはちょっと不便。
川を超え、次は無人駅の横山駅。このあたりから前方に山並みが見え、ローカル線のムードが高まります。
橋を2つ渡った次の駅が九讃頭駅。ここにはかつてセメント工場があり、視野が一気に広がります。構内には広々とした貨物線が並んでいます。
川と鉄道はお友達。川の1つ、上坪渓を超えます。
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現在の横山駅。バイクはなくなった?
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横山駅を出ると、車窓の風景も徐々に自然豊かに
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山も迫ってきました
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九讃頭駅の先にあるのがかつてスイッチバックのあった合興駅。一部の建物が昔のまま残されています。かつては寂れた感じがとっても絵になるロケーションでしたが、現在は線路と駅舎を活かし、恋人たちが訪れる観光スポットに。日本の北海道にある幸福駅とも姉妹駅で、「愛情駅」という愛称も。多くの観光客がここでも乗り降りします。
終着駅の内湾に到着!
小さな富貴駅を過ぎると内湾線の終着駅、内湾駅に到着。竹中駅からは約25分。短すぎず、飽きも来ない、ちょうどよい時間。
内湾駅舎はコンクリート造りながら待合室の木製の椅子など古臭さもあり、なかなかいい感じ。、この駅だけでも落ち着けます。
客家の街並みが残る古き良き街、内湾!
駅の階段を下りると左右に広がる目抜き通り。多くの人であふれかえっています。15分くらいで往復できるほどの小さな街ながらメインストリートには屋台や客家料理店が密集。ゆっくり歩き、買い食いなどをしていると1時間くらいかかります。左に行くと吊橋が、右に向かうと劇場レストランがあります。
シイタケのからあげや客家風の餅菓子など、いろいろなお店が並んでいます。つまみながら食べ歩きが楽しめます。
せっかく客家村にやってきたからにはきしめんのような客家粄條を食べるのも目的のひとつ!また名物の1つ?葱焼包もいただきます。肉がぎっしりの中華まんといったかんじ?
また通りのはずれにスイーツの店がありました。意外とお客さんが多い店。こちらでは伝統的なスイーツを味わえます。有名人も多く訪れているようで、壁には世界各国の言葉のメッセージも。
人通りのない道の奥に
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スイーツのお店が
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伝統的なスイーツの他、ルアック・コーヒーも。
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名物?鮮奶米麻糬。アイスとホットとあります。
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お茶のお店もあります。客家は、ピーナッツ、黒ゴマ、白ゴマ、松の実、かぼちゃの種、種類、茶葉等を擦ってまぜた擂茶が名産。
黒糖のお菓子と客家のちまきはおみやげに。
かつての映画館。現在は改装され、台湾映画が鑑賞できる客家料理のレストランになっています。
駄菓子や古い映画のDVDを販売しているコーナーも。映画館の前にはお店が密集し、ここだけでも大賑わい!
映画館の脇からは下の風景が見下ろせます。駐車場には車もいっぱい。マイカーを持つ豊かな家庭も増え、週末は車でレジャーも定着した台湾。台北郊外の桃園や新竹、苗栗近辺の田舎が脚光をあびています。内湾もそのうちの1つ。
よく見てみると、上の方の建物は古い感じ。そして人通りを抜けると、以前からあった街の姿が見えてきます。地元の人が家の前で、観光客を眺めながらくつろいでいます。そんな街の端には祠がありました。
吊橋も見学しましょう。通りを出て、道を渡ると川にかかった吊橋があります。時間があれば足を伸ばしてみてもよし。
数年前までは寂れた過疎村、という感じだった内湾。それが今では週末ともなると目抜き通りは人人人でお祭り騒ぎに!かつての映画館だった場所が中心に、町全体が「懐かしの街角」を演出しています。まるでプチ九份!また客家以外のものもたくさん売られているのは観光地となった証拠?
新幹線に乗り継いで台北へ!
内湾駅から新幹線で台北に向かうときは途中の竹中駅で下り、地下道を通り、向かい側のホームで六家行きを待ちます。竹中駅から六家までは約5分。
六家駅から高鉄新竹駅に向かうとすぐ改札があり、改札を通って目の前のエスカレーターに乗れば、すぐ台北駅行きのホームに到着します。連絡が良ければ内湾から1時間もかからないうちに台北に到着!