高雄で最もレトロな旧市街「鹽埕區」。路地裏探検も楽しいエリアです!
こんにちは、台北ナビです。
高雄で最もレトロなエリアと言えばやっぱり「
鹽埕區」。昔から営業を続けていて、まるで時が止まっているかのような商店街、飲食店もたくさんあって、高雄で古くから愛される老舗のグルメもここに集中しています。路地裏に入れば、シャッター通り?と思いきや、まだまだ営業している人気店を発見したり……と、路地裏探検も楽しいスポットです。
カラスミを売るお店が集まるカラスミストリートやリノベスポット「
駁二藝術特區」もあって見所もたくさん。新しいものと古いものがステキに融合しているナビ一押しのエリアです!
このエリアには明末清初の頃、製塩業を営む人々が住んでいました。「埕」とは台湾語の「庭」と同じで、「作業を行う広場」という意味です。その後、日本時代に日本人が高雄港を造り、その土壌はこの地域の埋め立てに使われ、塩田は埋立地となりました。この地域のMRT(高雄市地下鉄)駅名の「鹽埕埔」は、鼓山に近い地域、北端路、建國路の交差点辺り一帯を指す言葉だったようです。
元々製塩業を行っていた場所は金融業の中心へと移り変わりました。日本時代に市政の中心となったため、街は急速に発展しましたが、市の中心がほかのエリアへ移ってから、次第に人口やお店も減ってしまいました。それでも、現在までまだ営業を続けているお店も多いんです。それでは、「鹽埕區」へ散策に出かけましょう~。
まずは二大名所をご紹介~
建物をじっくりご覧ください~
五福三路から愛河を渡ったその先、五福四路からが「鹽埕區」となります。この地域の観光スポットで特に多くの人が訪れる二大名所は、北側の「高雄市立歷史博物館」と南側の「駁二藝術特區」です。
まずは「
高雄市立歴史博物館」からご紹介。五福三路から中正四路に向かって愛河沿いをずっと歩いて行き、左へ曲がると見えてくる立派な建物が高雄市立歴史博物館です。1939年に完成した建物は、日本時代に清水建設が建てたもので、日本時代には市役所、1992年まで市政府として使われていました。当時の建物が保存されていて、建物そのものが博物館なんです!帝冠式の和洋折衷のスタイルが美しい建物です。入場無料、写真撮影可、というのも旅行者にとって嬉しいですよね~!
駁二のシンボル、労働者と女性の漁師
二つ目の名所はアートスポット「
駁二藝術特區」。高雄港の水産加工物や砂糖などを保存していた倉庫がアートスペースとして生まれ変わった「駁二藝術特區」。鹽埕埔駅出口1から大勇路に向かって歩いて行くのが一般的ですが、倉庫群の周りにはLRT(ライトレール)も走っているのでLRTに乗って観光するのも楽しいです。倉庫は「大義」「大勇」「蓬莱」三つのエリアに分かれていて、徒歩でもまわれる距離。
倉庫はアートの展示だけでなく、おしゃれなカフェ、地元で人気のレストラン、クリエイティブな雑貨を売るお店なども入っているので、一日楽しめますよ~。「大義」倉庫の海沿い、「大勇」倉庫のインフォメーションセンターの横の通りには、週末手作り市が開かれることもあります。お土産も見つかるかも!
ライトレールが走っています
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「紅毛港」行きの船もここから出発
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ステキなお店がたくさん入ってます!
そして、少し離れてしまいますが、蓬萊倉庫の先にある2018年オープンの注目のスポット「
棧貳庫KW2」へもぜひ足を運んでみてください!「棧貳庫KW2」は、「蓬莱倉庫」から蓬莱路を海側(香蕉碼頭)に向かって歩いていくと右側に見えてきます。こちらも昔の倉庫を修復保存し、新たに活用している場所で、中には台湾ブランドがたくさん!雑貨からスイーツまでいろいろなお店が入っています。ガラス張りの店内からは港の景色を眺めながら食事もできる話題のスポットです。
2018年6月からはここからフェリーで旗津へ行くことができるようになりました。現在のところ、連休や夏休み期間の運行ですが、9月以降も運行されるといいですね~。
棧貳庫KW2蓬莱路17號
平日10:00~21:00、土日10:00~22:00
旗津への船も出ています
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港側にあるメリーゴーランドは大人気!
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五福四路を歩いて行くと…
それでは、愛河のほとりから五福四路へ歩いて行きましょう。少し歩くと左側には牛肉麺の老舗「
港園牛肉麵館」があります。1953年にできてから現在も地元の人に愛されている牛肉麺。蒋介石の長男蒋経国もこのお店に食べに来たことがあるそうです。
太麺でもちもちしたうどんのような麺にスープの味がしっかりついています。厚切りの肉がたっぷり入っていますがとっても柔らかくておいしいです。値段も高雄ならではの110元という安さ!休日は大行列になるので、食事時を外して行ってくださいね。
港園牛肉麵館大成街55号
10:30~20:20
一本道を入ったところにあります
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満席のこともしばしば
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こちらは大通りに面しています
行列で入れないときには、五福四路沿いにある「
銘邦港園牛肉麵」へ行ってみましょう。こちらは「港園牛肉麺館」の親戚のお店。「港園牛肉麺館」よりも広くて新しく、二階もあります。
銘邦港園牛肉麵五福四路53号
10:30~21:00
牛肉麺のお店と同じく、五福四路沿いにある「瑪莉食品」。定評あるお菓子は、太鼓の形をしたもの(旗鼓餅)や高雄市の花「木綿花」の形をしたもの(木棉酥)、ティラミス味で包まれた栗あんの「愛河栗子燒」などなど。和菓子のような洋菓子のような…かわいいお菓子がたくさんあります。
ナビ一押しの「愛河栗子燒」
日本人好みの味で、ナビ友にあげるといつも「和菓子的な味!おいしい~。」と大好評なんです。個包装のお菓子がそろっているので、バラでも買えるのがいいところ。箱には高雄の絵があったり、高雄の文字も入っているので会社などへのお土産にもぴったりです。
瑪莉食品五福四路25号
10:00~22:00(日曜~18:00)
五福四路を更に先へと進みましょう~
華王大飯店はこちら
お菓子屋さんを後にして五福四路を更に先へ進みます。道沿いには日本人がよく利用する老舗のホテル「
華王大飯店」をはじめ、本屋さんや文房具屋さん、薬屋さん、ドリンクスタンドなどなど様々なお店が並んでいます。
鹽埕埔駅のある大勇路に突き当たるまでは徒歩10分ほどです。五福四路と大勇路の交差点には歴史あるステキな文房具屋さん「
SKB」もあるので、ぜひ立ち寄ってみてください~。
鹽埕埔駅出口1からは「駁二藝術特區」方向が近いですが、道を渡って反対側4~2番出口の方へ向かってみましょう。大勇路を歩いて行くと彰化銀行が見えてきます。この前に通っている道が新楽街で、新楽街は1950年~1970年に栄えた「銀樓街」です。この通りに並んでいるお店の看板には「銀樓」の文字がたくさん。
「銀樓」とは金、銀のジュエリーなどを販売するお店のことです。1980年代以降行政、商業の中心が別の地域に移ってから以前のような繁栄はなくなりましたが、今でも高雄の地元の人は婚約指輪などをここで買ったりもします。それだけ地元の人にとって親しみのある場所なんです。
新楽街にはグルメもたくさん!
人気のミルクティーはこちら
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蓋がプラスチックではずれやすいので、持ち歩きに注意してください~
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新楽街は「銀樓」だけでなく、地元のグルメが集結している場所でもあります。まずはいつも行列のできている「双妃奶茶」。横に並んでいる水道のようなものから紅茶が出てきます。これにフレッシュな牛乳がプラスされます。タピオカパールトッピングは無料ですが、なくなり次第終了するので、遅い時間に行くと、入れてもらえないこともあります。
メニューは、甘さの調整ができない「双妃奶茶」をはじめ、無糖の「烏龍奶茶」(烏龍ミルクティー)や「普洱奶茶」(プーアールミルクティー)などがあります。値段は大杯(Lサイズ)40元、小杯(Sサイズ)30元。氷は入っていません。
双妃奶茶
新樂街173号
9:00~21:00
向かいにもミルクティーのお店があり、また新楽街を「銀樓街」の反対側にずっと歩いていくと「樺達奶茶」もあります。ミルクティー好きはこちらも要チェックです。
通りに看板が出ているのでそれを見つけてください
そして、細い小道に入るとワンタンのおいしい「
金記溫州餛飩大王」もあります。1954年創業の老舗で、店内1階、2階に席があり、道にも席がありますが、休日、ご飯時は座りきれず、列に並んで席があくのを待ちます。
「餛飩」(ワンタン)がおいしいので、ワンタン麺(スープ入り70元、スープなし90元)とワンタンスープ(60元)どちらかをぜひ試してみてください!ワンタンは、一つが大きくボリュームがあります。ワンタンの他に小籠包(75元)もあります。こちらの小籠包は皮が厚く、小さな肉まんのような食感。日本語のメニューもあります。
金記溫州餛飩大王新樂街163巷1号
平日14:00~21:00、土日11:30~21:00
ワンタン以外にもいろいろオーダーしてみてください!
ワンタン以外にも人気のお店がたくさんあります。一つ目の角を右に曲がってまっすぐ行くと右側には小籠包の屋台「永和小籠包」、そしてその先に「小西門燉肉飯」、更に進んで大仁路に出ると右側には「米糕城」があります。
安くておいしい屋台「永和小籠包」
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あつあつがいただけます♪
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「米糕城」も人気のお店
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「米糕」は小さめなので、お店をハシゴできます
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お土産探しにも~
新楽街には、食べ物だけではなくてかわいい雑貨もあります。ナビもよく行く「
印花樂」には、台湾のデザイナーがデザインしたかわいいプリント生地を使ったかばんや小物などがたくさんあるので、お土産探しにも立ち寄ってみてくださいね~。
印花樂鹽埕街36巷23号
11:00~19:00(金土日~20:00)
レトロな街並み新楽街を更に七賢三路の方角に進むと、左右に何やら細い道が見えてきます。ここ入れるの?お店があるの?と思ってしまうような細くてちょっと薄暗い道ですが、勇気を出して入ってみましょう!シャッターが閉まっているかと思いきや、営業しているお店もあります。
ここは「大溝頂」と言われている場所で、地元の人気店は「三郎麵包廠」「沙普羅糕餅小舖」「大溝頂虱目魚米粉湯」などなど。
息子さんと一緒にパチリ!
ナビ友は「
沙普羅糕餅小舖」の福氣餅(ヌガークラッカー)が大好き。ネギは入っていないんですが、塩味とバターの甘さがピッタリで、食べたらとまらなくなるおいしさ。ナビ友はいつも高雄に来ると必ず買って帰ります。先日は、あるだけ全部買い占めたそう!
また、編集部員の一人は高雄留学中にここを度々訪れていたといいます。優しいケーキの味に癒され、店主と言葉を交わしたり、いい思い出がたくさんあるよ~!と大好きなんだとか♪ちなみにここはケーキもオーダーメイドで作ってくれます。編集部員の誕生日ケーキも作ってもらったことがあるんですって!
沙普羅糕餅小舖新樂街198-18号
11:30~19:30、日曜不定休
「大溝頂虱目魚米粉湯」ビーフン入りスープ
そして、ナビは「
大溝頂虱目魚米粉湯」の「魚肚漿湯(60元)」がお気に入り。米粉(ビーフン)またはご飯追加は10元です。
出てくるのも早いし、値段も安いので、時間がない時やちょっとお腹がすいた時にもちょうどいい量なのでぜひお試しを~。
大溝頂虱目魚米粉新樂街198之38号
5:30~13:30頃まで
「三郎麵包廠」は「爆漿餐包」が大人気で売り切れのことも多いので、もし見かけたら是非ゲットしてください!
三郎麵包廠
新樂街198-8号
8:30~19:00、日曜不定休
年季の入った看板!
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10個入り60元という安さ!食べる前にレンジかトースターで温めてくださいね!
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細い道を抜けると五福四路に出ます
この細い道「大溝頂」を通り越し、五福路の方向へ戻るように歩いていくと、五福路上にはスイーツ(八寶冰や湯圓)で有名な「
李家圓仔冰」があります。台北ナビスタッフ曰く、ここの湯圓は台湾一おいしいと思う!と断言するほどおいしいですよ~。是非食べてみてくださいね。
李家圓仔冰新樂街213-35号
12:30~21:30(月曜休)
湯圓は氷で冷やされてモチモチの食感!
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夏でも冬でも人気の老舗です
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懐かしさただよう旧堀江
この「李家圓仔冰」のちょうど前あたりにある「
旧堀江商圏」は、以前は舶来品を扱うことで有名な商店街でした。今は若い人たちは中央公園の辺りの「新堀江」でショッピングを楽しんでいますが、昔ここで買い物をした年代の人たちは今でもここで買い物をすることも。質がよくて何でもそろっているというようなイメージもあるようです。
今も輸入食品や輸入雑貨などを扱っているお店があります。服やプーアール茶、骨董品などを売るお店もあって、ぶらっと立ち寄ってのぞいてみるのも楽しいですよ~。
通りの左右にお店が並んでいます
ぶらっと立ち寄ってみてください
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お土産も見つかるかも~
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鹽埕區グルメ&散策はまだまだ続きます。ここで、日本人観光客にも人気の二店をご紹介!
七賢三路と大公路の交差点にある「周燒肉飯(鹽埕店)」は炭火焼「燒肉飯」のお店。炭火で焼かれた豚肉と付け合わせに生姜とキュウリがご飯の上にのっています。生姜とキュウリが油っぽさを解消してくれます。燒肉飯は、35元とリーズナブルなお値段!
周燒肉飯(鹽埕店)
七賢三路144号
9:00~21:00(日曜10:30~)
こちらが人気のお店
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店内で食べる場合にはレジ近くにある紙に記入してお店の人に渡しましょう
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そして、同じく炭焼きグルメをもう一つご紹介。大公路にある「
大ㄎㄡ胖碳烤三明治」は炭焼きサンドイッチのお店です。こちら、地元でも大人気のお店ででいつ行っても人が多いんです。でもお店の方は手際がいいので、すぐ順番が回ってきます。キュウリ、ハム、たまごが入った看板メニュー「招牌三明治(40元)」をぜひ味わってみてください~。
大ㄎㄡ胖碳烤三明治
大公路78号
7:00~10:50、18:00~22:50
一見普通なサンドウィッチですが、食べるとハマるおいしさ!!
グルメは七賢三路にも!
かき氷有名店が三店集まっています。どのお店もフルーツのカットが大胆で食べ応えバッチリ♪
「
鴨肉珍」「
冬粉王」、かき氷のお店「
高雄婆婆冰」「
阿婆子冰」など、七賢三路にも有名なグルメがあります。
このほか、カラスミを売るお店が集まるカラスミストリートもここです。
外で乾燥させています
皆さん、カラスミの産地が台湾南部だってご存知でしたか。高雄の茄萣地域は「カラスミの故郷」とも呼ばれる有名な産地なんです。
産地に行かなくても高雄市内七賢三路にはカラスミを売るお店が集まっています。お店が集中しているので、競争も激しく、ほかで買うより値段が安いので、おススメ。たくさん買うとサービスしてくれることも!
昼は暑くて外に出たくない方に「鹽埕區」は夜もおススメです。お店はあまりやっていませんが、新楽街の辺りは昼とはまた違ってノスタルジックな雰囲気になるので、少し気温が下がって涼しい中をゆっくり歩いてみてください!
また、「棧貳庫KW2」は夜21:00頃までやっていて、港の景色が眺められるのでこちらもおススメです!昼間とはまた違う「鹽埕區」もぜひ楽しんでみてくださいね。
以上、台北ナビ(湯山千里)でした。