台南公園 (台南市)

臺南公園

閉店・移転、情報の修正などの報告

100歳を迎えたご長寿公園!市民の憩いの場を絵地図でふり返ります


こんにちは、台北ナビです。

南国フルーツやかき氷など、夏のイメージが強い台湾ですが、冬の台湾もおすすめですよ!特に、熱帯モンスーン気候に属する台南の冬は、雨が少なくカラッとした日が続くので、街歩きにもってこいのシーズンです。南部特有の、ゆっくりと流れる時間を楽しむなら、市民の憩いの場である「台南公園」をお散歩なんていかがでしょうか?

台南公園は、日本統治時代の1917年に開園し、2017年で100周年を迎えました。昔からこの場所で、移りゆく台南をずっと見守ってきた公園です。今回は「台南新芽」と「B面文化工作室」のご協力を得て、開園前から現在に至るまでの様子を絵地図で振り返ってみます。日本時代の面影も残す台南公園を、さっそく歩いてみましょう。

駅からすぐ!台南で最も古く最も大きな公園

台南公園は、台鉄「台南」駅を出て北門路を北に5分ほど歩いた場所にあります。風にゆれるヤシの木やガジュマルの木が、南国情緒たっぷり。大きな木陰で、おしゃべりや読書を楽しんだり、運動で汗を流したり、たくさんの人々が思い思いの時間を過ごす場所となっています。

台南公園が開園したのは、今から100年前の1917年(大正6年)!開園当時は熱帯樹の実験林も兼ねた場所でもあり、多種多様な植物が植えられています。台南で最も古い公園であり、1913年(大正12年)には、当時まだ皇太子だった昭和天皇も立ち寄られたそう。戦後には「中山公園」と名称が変わりましたが、2011年に元の「台南公園」に再度改められました。
存在感がすごい雨豆の木

存在感がすごい雨豆の木

南国情緒ただようヤシの木

南国情緒ただようヤシの木

サボテンエリア

サボテンエリア

手描きの絵地図を見ながら公園散策へ出発!

日本時代の宿舎を利用した「321巷藝術聚落」

日本時代の宿舎を利用した「321巷藝術聚落」


台南公園100周年にあたり、台南を拠点に活動を行っているNGO団体「台南新芽」とデザインを手掛ける「B面文化工作室」とで共同作成された「台南公園的手繪地圖(台南公園の手描き絵地図)」が公開されました。

地図は、開園前の清朝時代と開園を迎えた日本時代、それに現在との3枚。情報収集には3カ月もの時間を費やしたという渾身作です。大きな変化が見て取れる3枚それぞれを見比べながら、のんびりと公園を歩いてみると、ひと味違った楽しみ方ができますよ。

この手描き絵地図は、台南公園のすぐそばにある芸術村「321巷藝術聚落」の中にある「萬屋砌室」にて展示が行われています。会場にて絵地図のポストカードも販売しているので、興味のある方はぜひ足を運んでみてくださいね。

3枚の絵地図でひも解く台南公園の今と昔

清朝時代:公園ができる前の様子

清朝時代:公園ができる前の様子


それでは早速、最初の1枚目…まだ公園ができる前の清朝時代の様子を見てみましょう!

当時「台湾府」が置かれていた台南は、城壁にぐるりと囲まれた都市でした。その城壁が台南公園の現在の場所を貫いていて、地図の左側が城内になり、外側を結ぶ「大北門」も描かれています。現在は公園の景勝地となっている池「燕潭」は城壁の外側にあり、運河につながっています。それゆえこの辺りには「市仔頭」という市場ができ、商業が盛んな場所でもあったそうです。
日本時代:開園当時の様子

日本時代:開園当時の様子

かつて動物の小屋があった場所

かつて動物の小屋があった場所


2枚目の絵地図は、開園当初の様子です。日本統治時代に入ってから市区改正が行われ、公園設置計画が持ち上がります。

古くなった城壁や、墓地などを撤去し、運動場や、花壇、噴水などを広大な敷地に設置する大掛かりな作業には、たくさんの日本人技術者も関わっていました。地図の中には、小さな動物園のような場所も描かれています。そういえば子供のころ、台南公園にサルを見に来たな…そんな思い出のある若い世代がいるように、公園に動物がいたのはそれほど昔の事ではないそうです。園内のいたる所にある防空壕も、当時の歴史背景を物語っています。もうこれが二度と使われることがありませんように……。
今ではかわいらしく装飾されている防空壕

今ではかわいらしく装飾されている防空壕

清の時代の3級古跡である重道崇文坊は、日本時代に台南警察署前から移築されたもの

清の時代の3級古跡である重道崇文坊は、日本時代に台南警察署前から移築されたもの

日本時代の建物で現在は駐警隊所在地となっている台南公園管理所 

日本時代の建物で現在は駐警隊所在地となっている台南公園管理所 

日本時代にあった滝は、修復工事が終わり現在の姿に

日本時代にあった滝は、修復工事が終わり現在の姿に

現在の公園の様子

現在の公園の様子

子供たちの遊び場

子供たちの遊び場


最後の絵地図は、現在の台南公園の様子です。体を動かしたりおしゃべりしたり……大人から子どもまでが利用できる施設が多くなっているのがわかります。

中央にある池「燕潭」は小さくなったものの、クネクネとした橋がかけられ、なじみのある現在の姿に。もともと別の場所にあった図書館も公園の東側に移転されて来ました。そしてその傍には、台湾の歴史学者であり詩人である連横(連雅堂)の像が、ひっそりと建てられています。台湾の教科書にも登場する「台湾通史」の著者だそうです。いろいろな目印が描かれた絵地図を見ながら、歩いてみるのも楽しそうですね。
「燕潭」にかかるクネクネ橋

「燕潭」にかかるクネクネ橋

「連横」の像

「連横」の像

図書館には日本語の本もありますよ~

図書館には日本語の本もありますよ~

露天劇場

露天劇場

児童科学教育センター

児童科学教育センター

噴水があった場所には波のようなオブジェが

噴水があった場所には波のようなオブジェが


それにしても、広すぎる台南公園…。ゆっくり見て歩いていたら、冬にもかかわらず汗だくになっていたナビ。公園というと平和的なイメージがあり、それ以外の事はついつい見逃してしまいがちですが、絵地図を見て歩くことによって、100歳を超えるご長寿公園が言おうとしているメッセージが何となくわかったような気がしてきました。台南公園の魅力は何といっても、ギラギラとした南国の日差しさえをも遮る、緑豊かな植物たちだと思います。この木々に守られて、この先100年後、200年後も平和な公園であってほしい……。そう願わずにはいられないナビなのでした。

以上、台北ナビ(岩田優子)がお送りしました。

記事登録日:2018-02-05

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スポット登録日:2018-02-05

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