怖いようで美しい!ミステリアスなガジュマル屋敷
こんにちは、台北ナビです。
台鉄台南駅から、車で約20分。台湾で最も歴史ある街として知られる「安平」にやってきました。いたるところに歴史を感じる古跡や民家が立ち並ぶ、まるで街全体が歴史遺産のような場所ですが、ここに自然の生命力を感じさせてくれる“ミステリアス”な古跡があります。その名も「安平樹屋」。
長い年月をかけガジュマルの木に浸食された廃墟は、まるでアンコール遺跡群さながら。ちょっとゾワゾワするような怖さもありますが、早速行ってみましょう!
ガジュマルの木に浸食されるまでのお話
安平樹屋の敷地内には、メインの樹屋の他に「朱玖瑩の旧居」と「徳記洋行」、それにカフェやスーベニアショップも併設しています。
入場門を入って、すぐ左手にある白亜の建物は、「
徳記洋行」。
ここは、1867年にイギリス人によって設立された「洋行」、つまり現在の商社でアヘンや樟脳、砂糖などを大口で取引する会社でした。その2年前となる1865年には、安平の港が開放されるとともに、海外の商人たちがここ安平にこぞって商社を設立したそうです。なかでもイギリスの「徳記」「怡記」「和記」、そしてアメリカの「唻記」、それにドイツの「東興」が最も有名で、この5行は「安平五洋行」と呼ばれていたそうです。
館内では当時の貿易にまつわる展示が行われています。
その後日本統治時代に入ると、アヘンと樟脳の交易権は日本政府によって回収され専売となってしまったため、外国の商社はそれに太刀打ちできず、次々と撤退を余儀なくされてしまいます。徳記洋行も台塩株式会社に売却され、戦後には台湾総塩工場の事務所になります。
しかし、その事務所も移転し、長い間倉庫として使われていた裏手にある建物(現在の樹屋)は荒れ始めます。そして、ガジュマルによる長い長い「浸食時代」が始まるのです。
本題の樹屋へGO!
それでは、徳記洋行の裏手にある樹屋へ行ってみましょう!
大きなガジュマルの木がうっそうと茂る建物は、一見怖さを感じるものの、神秘的なパワーというか不思議な魅力も感じられる空間になっています。高温多湿を好むガジュマルの木にとって、ここは繁殖に適した場所だったのでしょう。
長い間、廃墟と化していた樹屋は、2000年頃から三期にわけて整備が行われました。現在は見学ルートに木桟道がつくられ、樹屋にまつわる展示も行われています。見学ルートは2階へも続いていて、そこからは網目のようにはりめぐらされたガジュマルの幹や枝を見下ろすことができます。
2階からの眺め
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頭をぶつけないように気をつけて~!
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エリア内にはこんな見どころも
樹屋咖啡(樹屋カフェ)樹屋に寄り添って営業している、その名も「樹屋カフェ」。ここでは、コーヒーや紅茶などのドリンクメニューのほか、ティラミスやワッフルなどのスイーツが楽しめちゃいます。
またここでは、台南の正興街にある有名なソフトクリーム屋さん「蜷尾家」のソフトクリームも販売しています。本店では、待たずしては食べることができませんが、ここではすぐに食べられます。ラッキー!!味は1種類のみで日により異なります。樹屋を歩き回って疲れきっていたナビですが、ここのソフトクリームで生き返りました!
販賣部(スーベニアショップ)「打開倉庫」と「樹屋小舗」のふたつのショップが入ったお土産販売コーナーは、数年前に新しくできたばかり。
メイドイン台南のデザイン雑貨や、ローカル食材をつかった食品などがずらりと並び、見ているだけでもたのしくなってしまいます。樹屋のポストカードなど、ここでしか販売していないものもあるので要チェックです。
朱玖瑩故居(朱玖瑩の旧居)
入場口を入ってすぐ正面に見えるのが「朱玖瑩の旧居」です。
中国の湖南省出身の朱玖瑩は、中国で省府委員を歴任した後、台湾で台塩の管理職を務めていました。大の書道好きでもあった朱玖瑩は、1996年に他界するまでこつこつと練習に励み、晩年には書道書も出版しています。この旧居には、そんな彼の作品が展示され、オリジナルグッズの販売コーナーや、書道体験コーナーもあります。
人々によって築かれた歴史と自然とがうまく絡み合って生まれた遺産に、すっかり圧倒されてしまったナビ。なんとなくパワースポットのような気もしてきました。またパワーが必要になった時(!?)また来ようと思います。
以上、台北ナビ(岩田優子)でした。