嘉義県の最北端に位置する台鉄「大林」駅は、西部幹線が停車する小さな駅です。日本時代の1903年(明治36年)に開業し、当時は「大莆林驛」と呼ばれていました。1913年には付近にあった「新高製糖株式会社」によって台湾糖業鉄路(小梅線・新港線)が敷かれ、交通要所として大変にぎわいました。
現在、台湾糖業鉄路は廃線となり、かつてのようなにぎわいはありませんが、駅舎は建て替えられ、 エコ仕様の木のぬくもり感じる駅に生まれ変わりました。アクセスも容易になった後站(駅の裏側)へと続くコンコースは、壁一面の窓から心地よい風が通り抜け、人々の憩いの場としての役割も果たしています。そんなコンコースから前站(駅の表側)へ向かうと、一般より緩やかな階段が現れます。この角度、嘉義に通る北回帰線(北緯23.5度)にちなみ、23.5度の角度に設計されているんだとか。階段を下りた先には「大林 My Daling」の文字。中国語で「ダーリン」と発音する「大林」と英語を掛け合わせています。描かれているのはこの地方の特産品、米と蘭の花。
駅の隣にはかつての駅長の宿舎がリノベーションされ、ノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。また周辺は「国際スローシティ」に選ばれた、のどかな昔ながらの町並みが今なお残ります。さらに後站の駅前広場では毎週月曜日に夜市が立つそうです。そんな大林の入口、「大林」駅をぜひ訪れてみませんか?
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スポット登録日:2017-10-23