バロック建築が残るレトロな観光地! 映画のロケ地にもなって台湾人にじわじわ人気が出ています
こんにちは、台北ナビです。
今日は中部の雲林にきています。高鉄「雲林」開通後、ますます近くなった雲林。雲林を代表する「西螺延平老街」はバロック建築が残るレトロな街。有名な老街よりも観光地感は少なく、ゆったりとした時間が流れています。
このレトロで素朴な雰囲気を気に入った周杰倫は、彼が監督主演を務めた「天台 RooFToP」のロケ地としても使用しました。その後、たちまちロケ地巡りとしても人気が出てきており、今注目すべきスポットとなっているのです。
西螺延平老街を知るにはココ!「捷發乾記茶莊」
「西螺延平老街」へやってきたら、まず訪れたいのが「捷發乾記茶莊」です。100年以上の歴史のあるお茶屋さんでしたが、今では西螺延平老街の文化館的な役割を担っています。
西螺延平老街に関する資料もたくさん置いてあり、昔の生活の様子を展示しているので、ここで西螺延平老街のことを把握して街を歩くと理解が深まりますよ~!
すべて「茶」に関するものが書かれています!門には店名の捷發にかけた句が書かれています!
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松聲→お茶を淹れるためにお湯を沸かす際に出た音が、松が揺れた時の音に似ている
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魚眼→お湯が沸騰した時に気泡が出る様子が魚の目に似ている
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一見お茶に関係なさそうな言葉でも、実はお茶に関するものなのですね~ |
音声ガイドもありますよ~!
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歴史を感じるレトロな階段
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柱を見るだけでもそれを感じられます!台湾で長寿の象徴である亀の甲羅が上に、下の部分はヨーロッパスタイルなんです
清の時代、福建省泉州から渡ってきた許金さんが、西螺で初めてのお茶屋さん「捷發乾記茶莊」を始めました。
台湾の老街でおなじみのウナギの寝床のような長~い建物ですが、台湾、日本、ヨーロッパの文化が融合していると言います。それはこの建物に限ったものではありませんが、日本統治代に建てられた建物はヨーロッパへ建築を学んだ日本人が設計したものが多いため。そして、彼らはヨーロッパの建築に台湾、そして日本の要素を取り入れて設計したのです。だから台湾の老街に来ると初めて訪れるのに懐かしい!という思いに駆られるのでしょうか。
ヨーロッパ風の建物ですが、台湾でよく聞く「步步高升(とんとん拍子に出世する)」という成語にちなみ、中に入れば入るほど高くなっています
時間があれば2階へも上がってください。
2階から見られる壁には「許」の堂々たる文字と悠々と羽を広げる鷲が見えます。この鷹には「許家にお金を持ってきてくれる」という思いが込められているそうです。これを見るだけでかつて許家がどれだけ栄えていたかが見てとれますよね。
またレリーフにも台湾・日本・ヨーロッパの要素がちりばめられています。
3階にもあがってみました。すると年季の入った道具や家具が置かれていました。
ナビが一番感動したのが壁。当時のままの姿をとどめているというのですが、よ~く見てみると昭和十年八月三十日と書かれた新聞紙が貼られていたんです。
写真には何人ものアメリカ人の姿も見られます
1953年に完成した雲林を代表する「西螺大橋」。これは北部から南部を結ぶ国道「台一」に最後にかけられた道路橋です。これについての展示が1階にあります。1930年代に建築計画を立てられたものの、日中戦争のため工事は延期したといいます。そのため、橋脚は日本統治時代に作られ、その後アメリカの支援を受け完成しました。完成した当時は東南アジアでは1番長い橋だと建てられました。
この老街から徒歩圏内なので、是非見に行ってみてください。その近くにあるセブンイレブンには、オープンちゃんのイラストが描かれていてかわいいですよ~。
住所:西螺鎮延平路92号
電話:(05)586-0101
時間:08:30~17:30
休み:月曜日
E-mail:siluo8610@gmail.com
橋脚
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1950年代は製糖業が盛んだったため、道路と鉄道が走っているそうです
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台湾一古い西洋薬局!「良星堂」
現在3代目が切り盛りする「良星堂」は1924年に創設されました。先代の「程日良」さんが星薬科大学の前身である「星製薬商業学校」で学んだことから店名に「良」と「星」の文字が使われているそうです。
「星製薬商業学校」の校訓は「親切第一」だったそうで、「良星堂」のお店のモットーも「親切第一」。お店に入ると、星製薬商業学校の卒業証書や昔のポスターに使われているハンコなどを気前よく見せてくれ、親切に説明してくださりました。
元々立ち寄る予定ではなかったのですが、ついついお邪魔してしまいました。こういう出会いも老街ぽくっていいですよね。
卒業証書拝見~♪
「螺情懷舊冰釀滷味」は桃園空港第二ターミナルフードコートにも店を構えるお店。海外にも進出を果たしています。
老街の中にあるこの店は雲林出身のオーナーが故郷のために!と開いたもので、建物の歴史を感じながら滷味や牛肉麺をいただけます。街歩きに疲れたらよってみたいお店です。
開放的な店内!中央では豆類の量り売り
多種多様な豆類が並ぶ「台灣永豐米糧行」は台湾産のものにこだわったという品ぞろえ。ただ商品を並べているだけなのに、目を引くカラフルさです。店内は高い天井と奥へと長~く続く空間。ここに住んでいた人はタダものではない!そう感じてしまいます。
起源は200年以上前にさかのぼり、林集山さんが広東潮州から台湾にやってきたことから始まります。その後ここ西螺で子孫を繁栄させ、「廣合」大家族を呼ばれるまでになりました。この建物は1932年に建てられ、「廣合商行」という名前で貿易業を営んでいたそうですよ。代々優秀な人材を生み出していて、例えば真理大学創立者、前雲林県議長、県長など、すべて林さんの子孫と言われています。やっぱりタダものではなかった!!
元は3階建て!3階に当たる部分は竹で作られていたそうです。鮮やかな色のガラスが目をひきます
お店の前では雲林産のにんにくやしょうがも販売!
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ジュートに入れられたお豆ちゃん
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現在「台灣永豐米糧行」を経営している方は、林さんの子孫ではなく、借りているということですが、廃墟同然だったというこの建物を、昔の面影は残しつつ、創意工夫しリノベーションしたそうです。建物への愛情が伝わってくるようなリノベーションで、ナビが林さんの子孫なら、絶対喜びます。
一番奥のスペースにはイートスペースもあるので、時間に余裕がある方はこちらで一休みするのもオススメします。ナビがお持ち帰りした「緑豆沙」はさすが豆を売るお店だけあって、豆本来のおいしさが感じられる一品。豆類のドリンクのレベルの高さは見逃せません。
住所:雲林県西螺鎮延平街57号
電話:05-5876229
喫茶エリアではアフタヌーンティータイムも!
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暑い夏にぴったりな緑豆沙
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小腹がすいたら「西螺東市場」へ! 文創ショップも集まっています
老街に最初に作られた「西螺東市場」。元々は雲林県において南北雑貨が取引される重要な拠点で、ここら一帯の産業の発展に大いに寄与したと言われています。以前は市民達が訪れる伝統市場で、生鮮食品なども売られていたそうですが、人口流出のため市場としての機能が保てなくなりました。2008年に取り壊そうとしていたところ、観光局によって改修が施され、現在のように文創(文化創意の略)のお店も営業しています。
古さと新しさが融合したエリアは買物できて小腹も埋められます!ぶらぶらしてお気に入りのお店を探してみてくださいね。
数あるお店の中から、ナビが一番気に入ったのは「西螺祖傳麻糬大王」。西螺で作られたもち米から作られたお餅は柔らかく、餅自体にほんのり甘さを感じて美味~♪これにピーナッツと砂糖を丁寧にいためたものをふりかければ止まらぬおいしさなのです!ナビが餅好きというのもあるかもしれませんが、さっきまでお腹いっぱいだったのに、パクパク食べてしまったほどです!こちらに来たら是非多くの方に試してもらいたいです。
住所:雲林県西螺鎮延平路43巷6号
電話:(05)587-4105
営業:8:30~17:00(月・火休み)
ナビは木のいい香りに誘われて「湧林工作坊」というお店にも入ってみました。
お店一番手前右側においてある駒がとっても懐かしい!思わず回してみると、ある速度になった瞬間、急に上下がひっくりかえりました!!!わぁ~面白い~!周りの台湾の方には日本にはないの?これ、よく遊んだよ~と言われてしまいましたが、ナビは初めてみました。調べてみると日本でも「逆立ちゴマ」と呼ばれ、売ってあるそうなのですが、旅の記念にお買い上げ~。
ひとつ30元!
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ひっくり返った瞬間「やった~」と叫んでしまいました♪
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雲林には醤油屋さんが多くあるのですが、台北では手に入りにくい醤油を扱っている「加温刀」にもお邪魔してみました。
加温刀とは、台湾語の発音で「ここが私の家」という意味だそう。老街には「丸荘醤油観光工場」があり、雲林の醤油屋さんといえばこちらが真っ先に思い浮かびますが、この外にも瑞春醤油、陳源和醤油なども人気です。数ある醤油の中からこの中で店員さんがオススメしてくれたのが「陳源和醤油の生抽壺底油」。これは黒豆と塩のみを使用したお醤油で、煮物などで使用すると具に味がしみ込み、とっても美味しくなるそうですよ!
一度食べると止まらなくなるとネット販売で人気のカシューナッツなどが試食できるのも嬉しいです。
西螺は黒豆醤油が有名な町。その黒豆醤油の歴史や作り方を体験できる観光工場です。
基本的には自由参観となりますが、事前予約をしていればスタッフがお店の歴史や黒豆醤油の作り方をガイドしてくれるサービスもあります(中国語のみ)。もちろんガイドを聞くと黒豆醤油への理解は深まりますが、写真やイラストを使ったパネルを見るだけでもなんとなく意味は伝わります。ちょっと懐かしい雰囲気が漂う建物で台湾の醤油作りに触れてみてくださいね。
また、「借問站」という旅のインフォメーションステーションの役割も担っているため、旅で困った際には飛び込んでください。
困ったらコチラへ!
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なんと!お醤油アイスクリームもあります
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1930年代に作られた映画館。現在はもう使われなくなってしまいましたが、特別に見せていただきました。中に入ると…まるで廃墟のよう。
当時は台湾映画が多く上映され、布袋戲や歌仔戲も見られたそうです。多くの観客で埋め尽くされていたであろう映画館。独特の雰囲気が漂い、見入ってしまいました。2017年にはこちらを改修する予定もあり、できれば3年ほどで完成させたいのだとか。どんな風に改修されるのか、是非見てみたいと思います。
日本人アーティストの大谷俊一さん
雲林を代表する老街「西螺延平老街」。地元民が積極的に街を復活させようと試行錯誤を重ねながら頑張っています。2016年7月末~8月末にはモダンアートフェスティバルも開催され、国内外のアーティストが集まり街を盛り上げました。その中には日本人アーティストもいたんですよ!
きっと今後も色々な活動が開催されると思います。訪れた時に何か開催されていれば、積極的に参加してみてくださいね。きっと温かい笑顔で迎えてくれるはずです。
以上、ピーナッツのお餅がまた食べてきたくなったナビがお届けしました。