老舗黒豆醤油屋さんの観光工場! どこか懐かしさを感じる雰囲気も素敵♪
こんにちは、台北ナビです。
今日は雲林県の西螺延平老街にきています。老街をぶらぶら歩いているとオレンジの看板が目に入ってきました。ここは丸莊醬油觀光工廠。
西螺は黒豆醤油の産地として有名で、数ある黒豆醤油の中でも最も規模が大きいのがここ「丸莊醬油」なのです。そんな丸莊醬油の歴史や黒豆醤油作りを知ることができちゃう施設ですよ~。
作れるものは醤油だった…
オーナー
物資が少なかった時代、何かビジネスをはじめなければ食べられない…と思った創業者の荘清臨さん。醤油を売ることを思いつき、量り売りしていました。
というのもこの時代、どの家庭でも自分で醤油を作っており、自分でも作れたからなんだとか。この醤油が評判となり、1909年にお店を創立。西螺地区ではもっとも歴史のあるお醤油屋さんです。1941年に2代目がマーケティングを担当したことで、規模を一気に広げました。
株券
第二次世界大戦の時は、原料の管制が敷かれていたため、1941年「虎尾醬油工業統制株式會社」を創立。雲林県唯一の政府公認の醤油生産会社であり、「丸荘醤油」二代目が社長を任されていました。そのため、戦時下でも醤油が作れたということなのですね!
現在では、台北にも支店を持ち、台湾全土で購入が可能になった丸莊醬油。お料理好きのお友達やお母さんに台湾土産として送るのも良さそうです!
ずら~り並べられた商品たち。販売もしています
丸荘(まるそう)でおなじみ!
元は「荘義成醤園」という名前でしたが、荘清臨さんが自分の名字である「荘」に赤ペンを用いて丸をしたものを商標としたことから、丸荘(まるそう)という愛称で多くの方に親しまれていました。
その後、1977年に丸莊醬油という名前で登記しようとしたところ、「丸」という漢字は日本をイメージしすぎるということで、「圓莊食品工業有限公司」と台湾の漢字を使用。しかし、対外的には「丸荘醤油」というブランド名で販売していたそうです。
1996年にやっと「丸」の文字が使用可能となり、晴れて登記上でも「丸莊食品工業股份有限公司」となりました。そういえば台湾で「丸」の文字を使っているお店ってあまりないような…。この名前も日本の影響を受けていたとは、驚きです。
気になる日本の醤油と台湾の伝統的な黒豆醤油の違いとは…
日本で一般的に売られているお醤油は大豆、脫脂大豆などを蒸し、炒めた小麦を麹床に入れ3日間で「麹(醤油麹)」を作ります。そして大きな容器に放り込み発酵させ熟成させます。これを台湾では「豆麥醤油」と呼んでいます。小麦が発酵する際、アルコールが蒸発するためにステンレスのタンクを使用しているそうです。
一方台湾の黒豆醤油作りでは小麦は使用しません。蒸した黒豆に竹ざるで7日間かけて作られた「麹(豆麹)」と食塩を甕の中へ入れ、約4~6カ月かけて熟成させます。7日間もかけて麹を作る理由。それは大きな黒豆を丸々1つ使うから。そうしないと中まで菌が入りこみません。約2倍という時間をかけて作られた麹は、外側の層を洗い流します。そうしないと香りがきつくなってしまうのです。
こうやって時間をかけて造られた黒豆醤油は舐めた後、甘さがのどに残るのが特徴なんだそうです。ここで使われる甕の多くは水里産。この甕が自然に温度調節をしてくれるそうですよ。
元の黒豆よりも一回り大きくなった麹
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菌のにおいというかカビのようなにおいでした…
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漬物を漬けるような桶のビッグ版!笑 これに加熱した醤油を入れ7日間寝かし、沈殿物が桶の下に溜まります
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この桶には穴がありますが、これに管を取り付けて醤油を瓶へ入れるためなんです。なぜ2つの穴があるのかというと…急ぎで醤油が欲しい方には上の穴から注ぎ、沈殿が完全に終わったら下の穴から注いでいたのだとか…
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4~5ヶ月経ったもの。塩はカッチカチでしたよ~!
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少し味見させてもらいました!
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麹はここで!
今回ナビは観光工場裏にある本当の工場へ入らせてもらいました。
観光工場で紹介しているのは昔の醤油つくりですが、工場では生産量が増えたため、大きなタンクも使用していました。でも、屋上では無数の甕が並べられ、昔ながらの方法で発酵していましたよ!
甕だらけの屋上!
水里産のものを使用していましたが、手に入らなくなったため、ほかのところで作られたものも使用しているそうです
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蓋をちょっとずらしておくのがコツなんだそう!
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2階は元々工場として遣っていた当時の様子を留めており、自由に見られます。畳のお部屋やレトロなタイルのお部屋もあり、かわいらしいつくりになっていて、ついつい写真をたくさん撮ってしまいます。また、パネルではイラスト付で当時の様子を説明しているのですが、従業員の一日というパネルには…「朝5時から昼まで働き、昼食を食べ、再度午後働き、おやつを食べ、夕方から夜まで働き、夕食を食べる」と書かれていました。朝早くから合計12時間半も働いていたようなのです。大変すぎる…。こういった縁の下で働く人々の努力があり、今の丸莊があるのだなぁと感じました。
中国語がわからなくてもなんとなくイラストから感じ取れるパネル
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足元も見てくださいね!
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たたみのお部屋
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台湾ではたたみの音からこう書きます!
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台湾へ来てはじめの頃は台湾の醤油と日本の醤油の味の違いに苦戦していたナビ。黒豆醤油のほんのりした甘さに魅了され、台湾料理作りにチャレンジしてみようかなと思い始めています。
まだまだ日本の方には知られていない台湾の黒豆醤油。料理が上手な方への贈物にも喜ばれそうです。
以上、次回はDIYにも挑戦したいナビがお届けしました。