サイシャット族民俗文物館（苗栗県）

ここへ来ると、サイシャット族の伝統文化、慣習などがよくわかります

サイシャット族民俗文物館は、苗栗県南庄郷の向天湖の横に位置し、1階から3階までが展示室で、地下1階はカフェレストラン「向天湖738文創餐坊」と一部が展示室になっています。サイシャット（賽夏）族は人口約6000人。この地方は南サイシャットといい、北サイシャットは、新竹県の五峰地方に住んでいます。パスタアイ（巴斯達隘/矮靈祭）という北と南に分かれて2年に1回、6日間にわたって行われるお祭りが有名で、お祭りの期間は、台湾各地からの観光客でにぎわいます。パスタアイは、サイシャット族に米の耕作や歌と踊りを教えたタアイと呼ばれる小人たちとの伝説にもとづいています。

山間にある文物館ですが、地元だけあって館内にはサイシャット族の竹編みや苧麻織品、彼らが使用していた漁業や濃厚器具などの展示のほか、祖霊祭やパスタアイ（矮靈祭）の祭典の流れや使用される祭品、慣習も詳細に紹介され、ここへ来れば彼らのすべてがわかるほどの内容の豊富さです。精緻に織り込んだ織物などの手工芸品や赤と白を基調とした衣装、装飾品などは本当に美しいです。ナビが最初にうなったのは、十分理解できていなかったサイシャット族固有の名字の由来。ここでは各名字のサイシャット族の読み方や意味がきちんと表になって説明されていました。また、1年間の祭典の名前や日時、主祭者の名も。なんて詳しい！

旧暦の10月15日前後に行われるパスタアイ（矮靈祭）。ナビは今回10年に一度の大祭の機会に文物館を訪れましたが、お祭りでなくても向天湖は美しいところなので、南庄老街観光と合わせてくるのもいいでしょう。民族特有の文化を大切に保存継承しているサイシャット族民俗文物館を含め、湖周辺の散策や原住民料理、民芸品や特産品のお店なども楽しんでください。


館内内容/画像提供：賽夏族民俗文物館