台南から嘉義へ向かう途中、偶然車で通りかかり、停まってじっくり見てみたくなった駅です。嘉義駅から2つ目のこの南靖駅は、1901年4月、水上郷水掘頭(現在の水上駅)に作られたのですが、1910年に南靖糖廠(サトウキビ工場)の運搬作業のため、現在のところに移されました。1920年には水上駅と呼ばれていましたが、1941年12月の嘉南大地震で駅舎は倒壊。1943年に復建されてから南靖駅と名付けられました。駅と言えば木造駅舎が主の日本統治時代ですが、終戦2年前という関係で物資も不足し生活も窮乏していたので、建築は簡素化され、現代主義のデザインに変わっていく過渡期の建物になり、コンクリートで造られています。正門とトイレのあたりが奥まった全体的に簡単なスタイルです。が、駅の内部の光景は、日本の昔の駅そのものでした。駅横にはレトロなカフェがあり、その隣には木造の建物が廃墟に近い状態で残っています。当時の水上郷はサトウキビ工場の好況で大変にぎわっており、「一つの郷に3つの駅がある」とも言われていました。
南靖駅に来たら、真向かいにあるサトウキビ工場の跡地にも寄ってみましょう。工場の初代は明治製糖株式會社で、1909年に設立しました。終戦後は1958年に蒜頭糖廠と合併され、嘉義總廠となりました。その後も改称したり合併したり、2005年にその幕を閉じます。二二八事件時には、工場内で5名の作業員が国民党に殺されるという事件もあったそうです。嘉義はその気候と土地が肥沃なことから良質のサトウキビの生産地です。現在残っている建物は台糖の管轄の下、販売所となり、パイナップルなどの台湾フルーツのアイスキャンデーが人気。敷地内には蘭の花の展示室や当時のサトウキビ運送列車や防空壕跡も残っています。ぜひ駅と一緒に散策してみてくださいね。
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スポット登録日:2016-05-24
スポット更新日:2016-05-25
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