台南旅行にお役立ち!中心部の主要観光スポットを巡廻する旅人御用達バス
こんにちは。台北ナビです。
ここ数年、じわじわと知名度を上げつつある台湾南部の街、台南。地下鉄のない台南では、市内を縦横無尽に走るバスが大活躍!中でも88番の「府城巡廻線」バスは、台南中心部の鉄板観光スポットを結ぶ「観光客の味方」的な存在です。気軽に海外旅行が楽しめなくなってしまった今日この頃ですが、ぜひネクスト台南旅行のプランニングにお役立てください。
台南のバス事情と「台湾好行」の観光バス
現在工事中の台鉄「台南」駅(台鐵台南火車站)。西口(前站)のロータリーには、たくさんのバスが絶え間なく入っては出て行き、戸惑ってしまいそうな交通量ですが、台南市内を走るバスは、主に3種類に分けられる……とナビは勝手に理解しています。
まずひとつ目は、市の中心部を走る0~21、70、77の番号がついた市バス。このバスのほとんどが台鉄「台南」駅を基点とし(中には駅を通らない路線もあります)、中心部のあちらこちらへと延びています。
そして2つ目は、台鉄「台南」駅と郊外、もしくは郊外と郊外を結ぶ幹線バスです。このバスは6種類あり、それぞれ緑、青、茶色、オレンジ、黄色、赤の6色に車体が塗り分けられています(時間帯によっては、白いバスの時もあるのでご注意!)。
そして最後は、上記2種類以外のグループ。新幹線の台南駅(高鐵台南站)と市街地とを結ぶシャトルバスや、2階建てのオープントップの観光バスが含まれ、今日ご紹介する88番の台湾好行バスも、こちらのグループかなと思います。
台南駅は現在工事中…
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ロータリーからバスがあちらこちらへ
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「台湾好行バス」とは、在来線や新幹線の駅と主要観光地を結ぶ、旅行客にとって便利なバスで、台湾各地に路線が企画されています。台南にも5つの路線が運行してますが、台鉄台南駅を基点とした台湾好行バスは、これからご紹介する88番府城巡廻線と、海辺を北上する99番安平台江線の2路線になります。88番のバスも、以前は海辺方面まで走っていたのですが最近ルートが変更になり、駅周辺の巡廻線となりました。安平まで行く場合は、99番バスをご利用ください。
赤ラインが88番バス(台南旅遊網パンフより)
88番バス時刻表(台南旅遊網パンフより)
台鉄「台南」駅周辺の、代表的な観光スポットを結ぶ88番バスは、平日と土日祝日ともに10:00~20:00までの間、1時間に3本の間隔で運行しています。巡廻バスなので、万が一迷子になりどうしようもなくなってしまった…という場合でも、88番のバス停さえ見つければ大丈夫。絶対に駅まで連れて行ってくれる心強い味方でもあります。
現金派?カード派?旅のスタイルに合った利用方法を
こちらは一卡通
台南市中心部を走る市バスのほとんどは、一回一律18元で乗車することができます(長距離になると途中から加算される路線も一部あり)。88番バスも一回18元ととてもリーズナブルなので、気軽に利用することができちゃいます。
支払いは現金、もしくは悠遊卡(EasyCard)や一卡通(iPASS)などの交通カードで行います。現金の場合は、乗車時に運転手さんの横にある回収箱に運賃を入れますが、おつりが出ないので乗車前に小銭の準備が必要です。
交通カードは、乗車時と降車時にカードをタッチして精算します。
台南おもしろカードは4枚の古跡チケット付き
もし新幹線を利用し台南の古跡巡りを楽しむのならば、台南好玩卡(台南おもしろカード)の利用を検討してみては?これは新幹線の往復チケットの3割引きと、台南の市バス&台湾好行バスが初回利用から48時間乗り放題、それに安平古堡、安平樹屋、赤崁樓、億載金城、4か所の古跡入場券がセットになった便利なカードです。
購入はセブンイレブンのibonで行い、新幹線のチケットは支払い時に受け取ります。カードの方はその後、新幹線「台南」駅か台鉄「台南」駅のインフォメーションセンターにて受け取ります。提携店でのお買い物が安くなるうれしい特典もあり。カードはバスの乗り放題終了後も、現金をチャージし電子マネーとして引き続き利用することも可能です。
ibonでのカードの購入方法(中国語)
アプリも駆使してバス旅の上級者に
大台南公車&Lí hó Tainan 你好台南
ここで、台南のバスを利用する際に、便利なアプリをふたつご紹介します。
ひとつめは「大台南公車」。
このアプリは、ルート検索や、利用したいバスが現在どこを走っているのかを知りたいときに便利です。ゆるい台南ゆえ、正確さが気になるところですが、その辺も問題なし。かなり正確なので安心できます。郊外を走る幹線バスも網羅しているので、運賃検索にも便利です。
そしてもうひとつの「Lí hó Tainan 你好台南」も、同じくルート検索や運行情報がわかるほか、現在地付近のおすすめ観光スポットや、グルメ、宿泊情報なども紹介してくれます。どちらのアプリも日本語対応なので、ぜひ利用してみてくださいね。
おすすめの途中下車ポイント
88番バス乗り場
88番バスの停車駅は全部で13カ所。中でも、おすすめの途中下車ポイントは……の説明の前に、まず起点となる台鉄「台南」駅(臺南火車站)バス停をご紹介します。
ここは多くの市バスのハブバスステーションとなっているところで、88番バス乗り場は、ロータリーと中山路が交差するあたり、ちょうどお寿司屋さんと定食屋さんがある所ところに位置しています。電光掲示板があるので88番バスが、あとどれくらいで到着するのかも一目瞭然です。
カラフルなコンテナを積んだ新バスターミナル
ちなみに、台鉄「台南」駅バス停のふたつ先にあたる台南バスターミナル(臺南轉運站)バス停は、長距離バスが発着するバスターミナルに隣接するバス停です。このバスターミナルは、今年初めに供用が始まったばかりで、点在していたバス会社が集約され、長距離バスの利用がより便利になりました。他都市からバスを利用して台南入りし、台湾好行バスを利用するなら、こちらのバス停が乗り場になります。
それでは、こんどこそおすすめ途中下車ポイントをご紹介します。
孔廟(台灣文學館、臺南市美術館1館)バス停
台南孔子廟
「台南孔子廟」と言えば、台南で最も有名な古跡のひとつ。1665年に鄭成功の息子である鄭経によって建てられたもので、台湾各地にある孔子廟の中でも最も古い歴史があります。敷地内は自由に入ることができますが、大成門の先からは入場料(25元)がかかります。門をくぐったすぐそばには、学問成就を祈願する願い札の書きどころがあり、受験シーズンともなれば、たくさんの学生たちが訪れます。大成殿にまつられている孔子の位牌や、歴代の皇帝や総統、それに現総統の扁額も見もの。また、孔子の誕生日であり教師節とされる9月28日は、孔子廟にて毎年催し物が行われます。
平日の府中街
府中街、台南市美術館1館、2館
「孔子廟」を訪れたなら、街路樹に囲まれた府中街散策も忘れずに。平日は静かな通りですが、土日になると、おいしいものやお土産の屋台が並びにぎやかな通りになります。
また、2019年にオープンしたばかりの新たな観光名所「台南市美術館」1館、2館もすぐそばなのでぜひ足を延ばしてみてくださいね。
台南市美術館1館
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そこから歩いて5分ほどのところにある2館
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林百貨、鄭成功祖廟バス停
外観からすでに昭和なデパート
林百貨レトロモダンな外観が目を引く「林百貨」は、メイドイン台湾の雑貨や食品を取りそろえる便利なお買い物スポット。長らく廃墟となっていた昭和時代のデパートをリニューアルし、数年前に再オープンしました。どことなく昭和の雰囲気が残る店内は、フロアごとにテーマが決められ、台南にちなんだ雑貨や、ローカル食品、林百貨でしか手に入らないオリジナル商品などが所せましと並んでいます。
また、屋上には商売繁盛を祈願した神社が残されていたり、壁には戦争中に受けた砲弾の跡が保存されていたりと、歴史的な一面から建物を鑑賞するという楽しみ方もできます。
「林百貨」の近くには台南を代表する小吃擔仔麵の名店「度小月」や丈夫な帆布バッグに定評のある「永盛帆布行」もありますよ!
赤崁樓バス停
赤崁樓
先ほどの「孔子廟」と並び、台南のランドマーク的な存在である「赤崁樓」。1653年にオランダ人によって造られた要塞で、当時は行政や商業の中枢を担う重要な役割を果たしていました。民族路側の入り口から入り、手前には海神のご加護を受けるため建立された海神廟、その奥には学問の神様である魁星爺がまつられている文昌閣が並んでいます。激動の時代の目撃者である建物は、人災や天災により、崩壊と修復を繰り返し、今もなお神聖な雰囲気を残しています。
ここ最近の「赤崁樓」は、お隣の成功小学校の敷地と合わせ、地下駐車場をつくる工事が進められていましたが、工事を進めるにあたって、大量の遺跡が発掘されたため、現在工事は中断中。異様な光景ではありますが、こんな赤崁樓が見られるのは今だけかもしれません。
きれいだったお庭が大変なことに!
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台南古跡限定販売のお土産もそろっていますよ~
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大天后宮、祀典武廟
「赤崁樓」から民族路を挟んですぐのところには、台南を代表する大きな廟がふたつあります。媽祖を主神とする大天后宮と、武聖関公を主神とする祀典武廟です。どちらも一級古跡であり、縁結びの神様である月下老人がいることでも有名です。台南には4大月老(月下老人)と呼ばれる、パワーの強い月下老人が4人いて、このおふたりもその一員なのです。月下老人の部屋には、願い事がかなった方々の結婚写真がいっぱい。信仰の厚さがうかがえます。意中のお相手がいる人はもちろん、これからの良き出会いを求める人にもご利益があるそう。そして、願い事がかなった暁にはお礼参りをするのを忘れずに!
小南天生活輕旅
女子旅ならば、赤崁樓から歩いて5分ほどのところにある隠れ家ホテル「小南天生活輕旅」がおすすめです。一瞬見過ごしてしまいそうな細い路地にたたずむ、こちらのホテルは、台南情緒ただよう古民家をリノベした居心地のいいホテル。客室はコンパクトながら、アメニティやサービスにおいて、女性がとことんくつろげるような工夫がいっぱいです。全室バスタブ完備もうれしいポイント。赤崁樓のような定番観光スポットだけでなく、有名小吃店やオシャレなカフェなどが密集するエリアに位置しているので、旅の拠点に便利です。
旅の情報収集もできる公共スペース
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なんだかいい香りのする客室
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この付近は美食店が多いことも見逃せませんよ~!
小西門(大億麗緻)バス停
藍晒圖文創園區
小西門(大億麗緻)のバス停を降りると、まず目に入るのは何といっても新光三越デパートでしょう。その向かいには、アートスポットであり、ショッピングスポットでもあるブループリント(藍晒圖文創園區)があります。日本統治時代の司法宿舎群がおしゃれな変身を遂げたブループリントは、アートとお買い物が楽しめる、台南カルチャーの発信基地のような場所です。台南でしか出合えない雑貨なども数多くあり、2、3年にいちどテナントの顔ぶれが変わります。このバス停の名前になっている大億ランディス(大億麗緻)ホテルは、残念なことに今年廃業となってしまったのですが、台南晶英酒店やHOTEL COZZIなど、ほかにもラグジュアリーなホテルが並んでいるエリアでもあるので、このエリアを旅の拠点とするのもいいかもしれません。
藍晒圖文創園區
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ライトアップされる夜は幻想的な雰囲気
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神農街バス停
神農街は台南観光の人気スポット
神農街古きよき台南のノスタルジックな雰囲気を味わうのなら、神農街は外せません。ほんの300mほどの短い通りですが、ここには築100年を超える歴史に磨かれた町家造りの建物が今でも数多く残されています。レトロな雰囲気をのこしつつ、新しいスタイルを取り入れたカフェや雑貨店が人気を集めています。昔このあたりに5本の主要運河が流れ、商人たちが船に乗って商売をしていたころ、神農街は「北勢街」という名称で、たくさんの人々が行きかうにぎやかな場所だったそう……。町家造りの建物にも、当時商売をするための便利な仕掛けがいろいろと施されています。
と、そんな話を、一緒に歩きながら教えてくれるガイドツアーも行われています。中国語になってしまいますが、重要ポイントを押さえた、内容の濃いツアーになっているので、挑戦してみたい!という方は台南観光局のサイトをご覧ください。
台南旅遊網 五條港舊城漫遊
このあたりのことならおまかせのガイドさん
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市場の中の水仙宮も通ります。
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日本語のパンフレット
まるで体験型ガイドブックのような充実ぶりをみせてくれる、88番の府城巡廻線バス。このバス1本だけでも、十分台南の魅力を感じることができます。
インフォメーションセンターなどでは、台湾好行バスの88、99番のパンフレットが用意されています。これには、バスの乗り場やその周辺のおいしいお店なども紹介されているので、見つけたらぜひ参考にしてみてくださいね。
以上、台北ナビ(岩田優子)がお伝えしました。