自然が作り出した「緑のトンネル」に感動!大眾廟や二級古跡の四草砲台(礮臺)もお見逃しなく♪
こんにちは、台北ナビです。
日本の方にもじわじわと人気が出ている観光地「台南」。中心地から離れた「安平」にも立ち寄る方が増えています。
安平まで来たなら是非立ち寄って欲しいのが「四草」。マングローブが作り出す「緑のトンネル」、見事な廟、古跡にも指定されている砲台が一気に見られちゃいますよ。
アクセス簡単!
四草へ行くには「台湾好行」99台江線に乗り、「四草生態文化園區(大眾廟)」にて下車すぐ。台鉄「台南」駅、赤崁樓、安平の町沿いなどにもバス停があります。
運行は休日のみです。その他、台南市のバス「10」番線でも、到着します。同じく「四草生態文化園區(大眾廟)」で下車してくださいね。
自然豊かな四草
台湾で8番目に国家公園指定された「台江国家公園」内にある「四草」。台南の西側に位置しますが、ここは昔「台江内海」と呼ばれていました。その後、曾文溪が幾度も流路を変更したことにより、泥砂で塞がれ、現在の潟湖の地形となりました。この泥砂が堆積している部分に内海が形成していた特殊な海岸地形の様子が留められているため、他では見られない生態が見られるのだそうです。
特に「四草」は湿地としても有名で、長い時間をかけて作られた広大な湿地生態系には、多くのマングローブが見られるだけでなく、絶滅の危機に瀕している黑面琵鷺や東方白鸛などの鳥も運がよければ出会えます。
「緑のトンネル」が大人気
四草といえば、マングローブが作り出す「緑のトンネル」が台湾のミニチュアアマゾン川と言われ、マングローブの種類と数は台湾一の多さを誇ります。
では、早速ナビも体験といきましょう。まず、受付で「綠色隧道(緑のトンネル)」のチケットを購入します。同じ受付で「台江觀光船」という約70分のクルーズのチケットも販売しているので、こちらと間違わないように注意しましょう。
クーラーの効いた待合室で人数が30~40人になると、船が出ます。ナビが訪れたのは土曜日だったので、乗客が多く、船が次から次へと出ていました。
チケット売り場はガラス張り!
|
|
値段表を確認!緑のトンネルは30分間です!
|
狙うは最前列
順番が来たら、ライフジャケットを着用し、笠をかぶり…とにかく最前列の席をゲットしましょう!もし最前列が無理なら最後尾を狙いましょう。そうしないと、見渡すは頭ばかり…という悲しいことになります。そして、マングローブやカニなどを見るなら左右の端っこに陣取りましょう。というわけで…もっともいい位置は最前列の右か左。
お風呂場の椅子に座ります
|
|
休日になると、船の上は満員!
|
前に人がいると、こんな風景に…涙
|
|
というわけで、今回は最前列をゲット!
|
緑のトンネルに感動!
最前列のド真ん中の席を確保したナビ。いざ、出発~♪
各船にはガイドさんが乗っていて、マングローブやカニ、鳥の説明をしてくれます。
時折台湾語も混じってくるので、ちんぷんかんぷんなところもありますが、マングローブの種類は名前がかかっていますし、カニや鳥が見える時は周りの動きを見れば一目瞭然。
小さなカニちゃん。大量にいます
呼吸根でしょうか?すごい密度です
|
|
枝がかなり低くなっているので、注意してくださいね!木に触るのは厳禁です
|
そうこうしているうちに、緑がうっそうとしてきて、辺り一帯がトンネルっぽくなってきます!
ここからシャッターを押すスピードがアップ♪マングローブが水面に映りこみ、絶景。ガイドさんが何を言っているかわからなくても、この景色を見られればそれでいい!!そんな風に思わせてくれますよ。
行き止まり~!
清朝の時代には関税所だった「釐金局遺址」が折り返し地点。
ここから、Uターンして乗船した場所まで戻るのですが、ナビはこの逆からの景色が気に入っています。方向が違うだけで、同じ場所を通っても見える景色がちょっぴり変わるのも楽しいです。
美しいでしょ?
「大眾廟」にも立ち寄ってください
綠色隧道(緑のトンネル)を運営する「四草大眾廟」は、300年あまりもの歴史を持っているといわれています。1700年に成功軍とオランダ軍との戦いの戦死者をまつるため、時の皇帝の命令で建立されたそうですが、前身となる廟はオランダ統治時代の地図にも載っているほど歴史があります。
主神は台江の神様と言われる「鎮海元帥」。名を陳酉といい、海濱沿岸に住んでいました。牛板車で運搬に従事していて、誰よりも力持ち!「牛車の酉」とも呼ばれていたといいます。その力で数々の奇跡を起こし、台湾人で初めて「奇人」となり、「神」になったのです。彼は鄭成功が戦いに勝利した際、先鋒隊の副将を務めましたが、讒言に遭い、海へ身を投げ自害しました。その際大雨暴風だったにも関わらず彼の身体は会場で立っており、そのまま今の「四草大眾廟」もたどり着いたと言われています。
後殿には「十方聖賢」がまつられています。「十方聖賢」は、戦死者と開墾に勤しんだ方々のことなんだそう。
英雄である成功ではなく、その戦いで命を落とした方や開墾に尽力された方をまつっているというのが、意味深いなと思います。
前殿には「鎮殿鎮海大元帥」がまつられています
|
|
後殿には「十方聖賢」
|
文聖君(後殿)
|
|
武聖君(後殿)
|
鹿と鶴で「福祿壽」を表しています |
そして廟の裏に興味深いものがありました。それは「鄭成功開臺古戰場紀念碑」と「荷蘭人骨塚」です。1970年代に、廟の脇で無数の人骨が掘り出され、その中には戦で命を落としたオランダ人のものもありました。台南政府は2008年、当時の戦火を思い、これを設置したのです。
記念碑
|
|
荷蘭人骨塚と書かれていますが、実は台湾人の人骨の方が多いそうです
|
マングローブも見た、廟も見たという方、これで終わりではありません!鎮海國小の壁の一部となっている「四草砲台」も見学してください。
これは1840年のアヘン戦争が勃発した際、イギリス軍が台湾への進入を防ぐために作られたもので、この時代の砲台がほぼそのままの姿で残されていることが珍しいことから、二級古蹟に指定されています。
壁には10個あまりの丸い穴があり、ここから砲口を出していたといわれています。気根に覆われている砲台はなかなか見られません。
緑のトンネルだけ見たらそれでいいだろうと思っていた四草。しかし、外国からの侵略を防ぐため、ここで様々な戦いが繰り広げられました。台湾の歴史にとってここはとても重要な場所。バスの本数も少ないことですし、ゆっくり時間を取って見学して欲しいなぁと思います。
以上、何度来ても「緑のトンネル」の美しさに心奪われるナビがお届けしました。