とにかく豪華な音楽ホール。カフェ、ギフトショップ、レストランも併設!
こんにちは、台北ナビです。
台北のランドマーク「中正紀念堂」の前で向かい合う中国様式の巨大な2棟の建物。先日はそのうち南側にある国立劇場「國家戲劇院」をご紹介しましたが、今回は北側、信義路に面した国立音楽ホール「國家音樂廳」をご紹介します。
國家音樂廳も國家戲劇院に負けず劣らず音楽鑑賞するだけでなく、食事やショッピングができる空間になっています。中正紀念堂を見学したついでに、一服がてら立ち寄るのにピッタリな場所です。では、見ていきましょう。
基本的には戯劇院と同一規格の建物ですが、違いも有ります
1975年に亡くなった蒋介石元総統の記念施設建設に合わせ、國家戲劇院と一緒に計画・建設された國家音樂廳。設計は戲劇院と同じく、圓山大飯店を手がけた楊卓成氏です。建設の経緯や中国の宮廷をイメージしたデザインから見ても、音楽庁と戯劇院は完全に双子といって過言ではないでしょう。実際、向き合う2棟の敷地面積は全く一緒。完全に向き合った状態になっています。
ただ、じっくりと観察すると違いがあるのが分かります。外観で特徴的なのは屋根の形。音樂廳は戯劇院に比べてほんのちょっとだけ複雑な構造になっています。そして、赤い柱の本数と、その奥に設置された金色の装飾の数が異なっています。
あまり知られていないのですが、戯劇院と音樂廳に挟まれた中央の広場にも、ちょっとした秘密が隠されています。この広場の中央でパンパンと手を叩いてみてください。すると、少しだけ遅れてペチペチと高い音が響いてくるはずです。
これは向かい合う二つの建物がほぼ同一設計だからこそ起きる反響現象。知っているとちょっと自慢できちゃう豆知識ですよ~。
誰でも入れるグランドフロアと地下1階
建物は地上5階、地下1階建て。地面の直情にある階は英国式に「グランドフロア」となっています。グランドフロアと地下1階は基本的に自由に出入りできます。1~4階は上演40分前にならないと開放されません。
グランドフロアにはギフトショップやレストランなどがあり、音楽観賞するだけではなく、散歩がてらにふらりと立ち寄って休憩したり、ショッピングを楽しんだりと、色々な使い方ができます。
特に中正紀念堂の敷地内は雨風をしのげる場所が少ないので、夏の厳しい暑さや突然のスコールなどに見舞われた時になかなか逃げ込める場所が有りません。こんなスペースがあるのは実はとっても嬉しいです。
国家両庁院のオリジナルグッズが購入できるショップも有ります。中華テイストの置物などは縁起がよさそうですし、ポーチやエコバッグなどはデザイン性だけでなく機能性もよくて、日常使いができそうなのがいいです。
グランドフロアと地下1階をつなぐ階段には、國家兩廳院の構造を図解した展示があります。元々は期間限定の展示だったそうなのですが、好評だったことから常設展示になったとか。
国の威信をかけた建築だけあって、さまざまな工夫が凝らされているのがよく分かります。目に見えない場所が見られるのが楽しいです
今回は特別に、上演前ではないですが1階から上の階を見学させてもらいました。赤い絨毯が敷かれたエリアで、戯劇院同様、非常に豪華なつくりです。外観こそ中国様式ですが、内装は欧米風で、格調高い雰囲気が伝わってきます。
ホールにはオープンから30年の歴史を感じされる展示物がありました。オーストリアのピアノ製造・ベーゼンドルファー社のグランドピアノで、國家音樂廳のオープンに合わせて購入されたものです。
リニューアルの際、古くなり、演奏に耐えられないとされた楽器はそのほとんどは処分されたのですが、このグランドピアノは、國家音樂廳の発展を支え、多くの演奏家たちに使われた特に思い入れのあるものだったため、残留が決まり、ホールに残されました。
今でもきちんとメンテナンスされ、時折イベントがあると、味わい深い音色を奏でるということで、これからも末永く愛されていくことでしょう。
ナビがいいなと思ったのは、万が一上演時間に遅れたり、途中退席してしまった際に使えるエリア。舞台の様子を中継するテレビとソファが置かれていて、見逃しを最小限に抑えることができます。
実は國家音樂廳では親子で楽しむプログラムがたくさん組まれています。だから、このコーナーには絵本も数冊置かれていて、突然ぐずってしまってもここであやしてあげることができます。
小さな子供を連れて芸術鑑賞するのは何かと不安要素が多いものですが、こんな気遣いがあると安心ですよね。
こだわりのコンサートホール
写真提供:國家兩廳院
音樂廳のメインコンサートホールは、2000人が収容できる巨大なものです。舞台上で目を引くのは、巨大なパイプオルガン。幅14メートル、高さ9メートル、奥行き3メートル。パイプの総数は4172本。オランダのフレントロップ社製で、完成までに2年の歳月がかかったんだとか。
30年が経過したホールですが、リニューアルを経て観賞環境はもちろん高水準を保ったまま。観客席の空調は足元に吹き出し口があり、快適な環境をつくる工夫が随所に見られます。
写真提供:國家兩廳院
このほか、350人が収容できる小規模ホール「演奏廳」もあります。
中正紀念堂の前にたたずむ國家音樂廳。これまで外から建物を見るだけだったというアナタも、ぜひこれを機に中に足を踏み入れてみませんか?観光客には外観以外にあまり知られていないスポットですが、実際に足を踏み入れると、意外と使い勝手がよい施設だということが実感できるはずです。
以上、台北ナビがお伝えしました。