澎湖の原風景がここに!ゆったりとした時間が流れる町で町民と触れ合いました
こんにちは、台北ナビです。
澎湖と聞けばやっぱり海でしょ!そう思っていたナビですが、湖西郷にある「南寮」はナビが想像していたどの澎湖とも違う姿がありました。まだ本格的に観光地化されていないため、訪れる人も少ないです。そのためゆっくりと時間をかけて「澎湖の原風景」を楽しめちゃうのです。
農業の町
町には手書きの地図などが!
清初期、南寮と北寮はもともと「龜壁港」や「奎璧」と呼ばれていました。亀というのは海からみたところ亀のように見えたからと言われ、その文字面が悪いということで「亀」を「奎」へ変更し、現在もこの地名が使われている場所があります。
清中期になると、農業で生計を立てるものの多くが南へ、漁業に携わるものは北へと住み分けが始まりました。南を「奎璧港(社)」、北を「北寮(社)」と呼ぶようになり、その後「奎璧港」を現在の「南寮(社)」と呼ぶようになり、定着しています。
農業の町だった南寮ですが、若者のたちは進学や就職のため外の町や台湾本島へ出てゆき、人口の流出は止められなくなってしまいました。町に残るのはおじいちゃんおばあちゃんばかり…。経済発展からは取り残されていました。
その反面、昔ながらの建物や習慣がそのまま残されています。最近になるまでは忘れられていた町でしたが、その素朴な風景を感じようとじわじわと注目され始めているのです。
漁業にも貢献!
昔ながらの風景として、他のエリアではあまり残されていないのが「魚灶(魚のかまど)」です。これは冷蔵庫がなかった時代に、魚の水分を飛ばすことで保存期間を延ばすために使われていました。その加工方法とは、塩水で魚を洗い、鍋にいれて水を蒸発させ、陽に干すというもの。その後ここで箱詰めされ台湾各地に送られていたそうですよ。
現在はたまごを使って「魚灶」がどのように使われていたかを教えてくれます。要はゆでたまごを作ってくれるのです。火種は澎湖でよく採れるピーナッツの皮や木の皮などを使用。日常生活ではごみとして捨てられるものを上手に使っているんです。ココでの昔ながらの生活はエコであるため、台湾内でも注目されているそうです。
ゆでたまご作りは時間がかかるため、まずココを訪れてから、村の散策をオススメします。そして最後に、素朴なゆでたまごを食べて散策終了というのが理想的なコースです。
女性の年齢をたずねなくても知るコツ
村の広場にもいました!!
澎湖の日差しは台湾本島と比べようがないほど厳しく、気を抜くとすぐに日焼けをしてしまいます。男性は麦茶の様な肌の色の方が多いのですが、女性の肌は白い方も多いのです。それはなぜだろうと思っていたのですが、ココに来て謎が解けました。
日焼け対策がばっちりだからなのです。
澎湖流の日焼け対策は布とタオルの2枚使いで忍者のように顔を覆います。これにサングラスをかければ完璧に肌を守れるそうで、タオルを口に当てることで、直接暑い空気を吸い込むことがないので、見た目以上に快適なんだそうですよ!そして、年齢が若ければ若いほど、タオルと布の間が狭くなるそうです。肌を白く保ちたいという女心ですよね。昔から澎湖の男性は女性を見る時にはまず、布とタオルの幅を確認していたんだとか!
伝統的な冬の燃料とは…
農業の町では水牛が欠かせません。こちらでも水牛乗り体験もできるそうですよ!残念ながらナビは体験する時間がありませんでしたが、その代わりといってはなんですが、冬の燃料作り場を訪れてみました。
澎湖は東北季節風のため大きな樹は育ちにくく、冬には燃料不足に陥ることが多々あったそうです。そのときに使用したのが…牛さんのうんち!これに水を少し加え、足で踏み!!薄く延ばしたものを珊瑚の壁にペタっとつければ完成。牛は草食なので、糞は臭くないといっていましたが、十分芳しい香りが漂っていました。それなのに、燃料以外にも女性はこれで顔のパックまでしていたそうですよ!!おそるべし澎湖女性♪
このように珊瑚に貼りつけて乾燥させます
井戸での出会い
牛屎窟の近くに井戸を発見!その時偶然、町内の方が声をかけてくださり、一緒に井戸水で水浴びを楽しみました。
日本語も片言ですが話せるので、日本語でちょっとだけコミュニケーションを取ったりもしました。こういう地元民と触れ合えるのも楽しいですよね!つるべ(桶)には使用済みの浮球を再利用しているのも何とも南寮らしいなと感じました。この地下水は直接飲むことができるくらいすばらしい水質です。
しかし、一度汲み上げた水は井戸には返さず、必ず使い切ってくださいね。
殺風景な中にカラフルな浮球。ほぼ観光地化されていない町並みはありのままの生活が見られます。
珊瑚や玄武岩を積み上げて作った背の小さい家は東北季節風の影響を受けにくくするため。澎湖人の生活の知恵を感じながらゆっくりと歩いてみて欲しいと思います。
南寮許返古宅清咸豐年間(1851~1861年)に作られたにもかかわらずほぼ完璧に残されている点、芸術性、建築史、技術史の価値があるということから澎湖県の歴史建築に指定されています。
建築には疎いナビですが、この家は特別な家だということは感じ取ることができました。ビクトリア模様のタイルや昔の絵本の一部のような場面をタイルに描いているものなど、装飾品がとにかく豊富です!
もうひとつ「趙氏古厝群」も訪れるべき場所なんだそうですが、この日は改修中で見られませんでした。残念!
何度か澎湖を訪れたことがあるナビですが、こんなにも静かで温かみのある町に来たのは初めてでした。現在、南寮ではこの昔ながらの生活を観光客の方に知ってもらおうと体験ツアーを計画中です。どうかこのままの姿を残しつつ、観光客が増えればいいなと思います。
以上、澎湖の方に忍者頭巾をプレゼントしたくなったナビがお届けしました。