「一府、二鹿、三艋舺」と言われたように、鹿港はかつて台湾第2の都市でした
こんにちは、台北ナビです。
台湾の歴史を語るには、台南、鹿港、萬華を掘り起こさざるを得ません。「一府、二鹿、三艋舺」は、その栄えた3か所の順番のことです。鹿港には、三大古蹟の文祠、龍山寺、天后宮があり、八景と十二勝もあり、民俗文物陳列館には、多くの鹿港文物が保管されています。
中でも一番賑やかだった中山路には、「不見天街」と言われる屋根が通路に大きくせり出した建築物が並んでいます。鹿港は海が近いことから風も強く、屋根は風が運んでくる砂を防止する役割もあったようで、多くの家の屋根がそんな感じだから、上を見上げても空が見えない「不見天街」(空が見えない街)とも呼ばれました。
今回は鹿港鎮の埔頭街という、鹿港老街のごく一部だけですが、歩いてみたのでレポートします。
街観光に人力車はいかが?乗ってみない?とのお誘いもあり
寺廟宮の多い古い街では、旧暦にのっとって多くの行事や祭典が営まれています。四月十二日の媽祖誕辰が一番盛大で、次は五月初七日の蘇府王爺物、端午節にはドラゴンボートレースもにぎやかに執り行われます。
鹿港は昔ながらの食べ物にも名産が多く、手工芸品には伝統的な味わいを感じることができます。
鹿港鎮の埔頭街
南靖宮と鹿港芸文館、この前の道が埔頭街、ここから建物に向かって右の方へ歩いてみました
瑤林街と埔頭街は、古の鹿港商業の中心地で、古蹟保護エリアにもなっています。レンガ色の道を歩くと、人力車はのんびり進み、人々はゆっくりと歩いているので、自然とナビの歩みも遅くなってきました。
と、歩みが遅くなるのは、建物をじっくり眺めてしまうからでもあります。門構えには、魔除けの意味合いも込めて、いろんな植物や動物などが描かれていたり、彫られていたりします。これらは他方の老街にもよくある光景ともいえますね。
観光地化されていますが、
平日は人が少なめで歩きやすいです。
阿舍茶楼
今回、冰糖杏仁茶を正統な伝統的製法で作っているというお店に来ました。
メニュー内はほとんど手作りで、特に杏仁茶は、杏仁を細かく挽いて糊状の液体にし、氷砂糖を加えるという古法を伝承しています。弱火で煮込んで作られた杏仁茶は濃厚でおいしい・・。
自然の杏仁の香りもするし、しっとりとなめらかな口当たりは、濃いのに飽きません。健康的でもありますね。
冰糖杏仁茶 50元普通は温かいのですが、改良を重ねた結果、冷たい杏仁茶が完成しました。2~3年かかったのだそう。濃厚さも温かいのと同じで、油條(15元)をつけていただきます。
冰麺茶 50元
阿舍茶楼で有名な麺茶には、アイスとホットの2種類があります。
こちらも麺粉を炒めたものに、熱いお湯を注いでいただくホットが普通なのですが、アイスで出てきた麺茶は、麺茶の粉に大量のトッピングと氷が入っています。味も薄くならないし、おいしかったです。
ホットは、伝統的な麺茶に小粒のポン菓子が添えられて出てくるそうですよ。
麺茶剉冰 70元かき氷の上に緑豆、仙草、粉粿。そして、麺茶がどっさりと載った一味違うかき氷。粉系がかき氷に載っているのは珍しいので、どんなものかと食べてみると麺茶がかき氷に混じった味は何とも香ばしくて美味。固形の3種とも見事なコンビネーションで、お店の組み合わせの極意にパチパチと心の中で拍手してしまいました。他店と御多分にもれず、お椀も大きいのですが、自分の碗にスプーンでひたすらよそうナビは、これ、何だか一人で食べられそう~!個人的には、仙草と粉粿も大好きなので、鹿港発祥のこのスイーツ、台北でも流行ってほしいと今願っています。
メニューを見ると、麻花巻(水あめでからめたねじったお菓子)や熱黒糖片栗粉など、他方では食べられないものも多いので、鹿港でちょっと一息つきたいときは、阿舍茶楼に寄ってみてください。
捏麺人
鹿港には、台湾工芸の国宝級の方たちが多く住んでいるのですが、阿舍茶楼の若オーナーのお父様である施教鏞さんもその一人。小学校のころから先代について捏麺人の修業を積んできました。
捏麺人は、麺人(小麦粉人形)のこと。昔の子供たちは、捏麺人を作る屋台で店の主人が話す物語を聞きながら、その手から物語の人物が作り出されるのをじっと見ていました。出来上がった人形は黒砂糖シロップにつけていただきます。
今では、お菓子というより、芸術品の域に入った捏麺人。
ここでは、捏麺人のDIYを受けることもできます。
施教鏞さんとお店を仕切っている息子さん
捏麺人DIYコース
予約:1週間前に電話予約必須、10人で開講。
所要時間:1時間~1時間半 費用:200元/一人
阿舍茶楼
住所:彰化県鹿港鎮埔頭街32号
電話:(047)76-1527 営業時間:10:00~18:00 休日:9:00~19:00
最低消費40元
鹿港の楽しみ方
路地が面白い
鹿港では、時間の流れがゆっくりしているので、足取りも自然と遅くなってきます。食べ歩きや飲み歩きしながら、時々気になる店の前で、立ち止まったりして、商品を眺めたり。
自由きままに楽しんでください。
キンモクセイの路地って、この先何があるのかな?
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無性に行ってみたくなります
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ちょっと色彩は、金門に似ている
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この朽ち加減もいい味が出ています
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以上、台北ナビでした。