金門県烈嶼郷とは小金門のこと、ぐるっと巡って20㎞ほどの小さな島ですが、観光内容はぎっしり!
こんにちは、台北ナビです。
小金門は金門県烈嶼郷を指しますが、一般に金門島を大金門、烈嶼郷を小金門と呼びます。中国大陸厦門(アモイ)からの船は、小金門を通らず、直接大金門の水頭港へと入ります。人口5~6000人(登記は約1万人だそう)の小さな島は、1日で観光要所は回れないこともないですが、肉眼でアモイがすぐそこに見えたり、島で一番高い山が119mだったり、何だか面白そうな場所が満載なのです。のどかで時間もゆったり流れているので、時間に余裕がある人や島大好き人間、リラックスしまくりたい人などは、ぜひ泊まってみてください!
水頭港から出発!
さて、小金門の玄関は、九宮碼頭(港)といいます。ここでは大金門の水頭港との間をフェリーが毎日28往復し、乗客以外にバイク、車、荷物を輸送しています。この区間は約20分。船は6:30~22:00の間、30分おきに出ています。60元/大人・片道(2014年8月現在)。
電瓶車に乗る!
こちらが電瓶車のチケットです
この日ナビたちは、小金門の北と南の2種類のコースを走る電瓶車(屋根あり、窓なし)の電気自動車の北・午前コースに乗るため、朝到着。
この車は、九宮港を降りたら、まず「九宮坑道」の観光へそのまま徒歩で進み、羅厝漁港で乗車となります。車には北線か南線を表示してあるので、ご注意。運転手さんがガイド役も兼ねています。乗車の予約は、港にある九宮碼頭旅遊服務中心で問い合わせましょう。
自転車やバイク、車のレンタル申請もこちらで行います。
降りてすぐのインフォメーションセンターへ
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こちらで何でもお問い合わせください
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外国人は国際免許証の提示が必要
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バイクのバッテリーを充電中でした
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環境にも優しい「電瓶車」は、2014年に始まったばかり
(一)北線コース:
羅厝漁港(乗車場所)│八二三砲戰紀念碑│(湖埔路、后頭社區、林邊を通過)│勇士堡、鐵漢堡│仿雷區公園│(車轍道、蓮湖、貓公石を通過)│L36據點│湖井頭戰史館│(九井路、八達樓子を通過)│東林市場│(南環路、九井路を通過)│九宮碼頭。
(二)南線コース:
羅厝漁港(乗車場所)│(習山湖、九井路を通過)│文化館│西方社區│下田國姓井│(雙口戰鬥村を通過)│雙口出海口│(南環車轍道、西湖を通過)│上林將軍廟│(陵水湖賞鳥區を通過)│烈女廟│(陵水湖を通過)│吳秀才厝│(上林國小を通過)│八達樓子│(東林市場、南環路、九井路を通過)│九宮碼頭。
観光タクシーです
★また、2014年12月末までに、「台湾好行」の金門手帳(999元)を購入すると、2人分の往復船チケットとタクシーで3時間の小金門観光を盛りだくさんの内容で回ってもらうことができます。小金門は初めてという方、ちょっと自由をきかせたい方には、タクシーもおすすめです。手帳がない場合は、現地交渉となります。
豊富な内容の中身は:八二三砲戰紀念碑、八達楼子、烈嶼郷文化館、呉秀才厝、陵水湖を経て、烈女廟、李将軍廟、湖井頭戰史館、国姓井、北風爺、猫公石、勇士堡、鐵漢堡、将軍堡、九宮坑道
予約はこちらまで:0937606850(許さん)
★手帳を持っていない場合は、電瓶車の1コースは100元。
九宮碼頭旅遊服務中心予約電話:(08)236-4881
営業時間:8:00~12:00、13:30~17:30。
午前は8:00受付開始、8:30出発~、午後は13:30受付開始、14:00出発~、1回のコースは2時間半で、25人までです。週末や祝祭日は混むので、事前予約をおすすめします。
出発します、九宮坑道から!
まずは北や南のコースにかかわらず、こちらは必ず通っていきます。港から2分ほど歩いたところに入口があり、入ったところは洞窟で、ここで小金門の生態や九宮坑道について説明を受けます。小さな島ながら岩石の種類は特色があり、猫公石は小金門にしかない岩石です。また、最前線の地だった小金門では、この洞窟内が野戦病院だったというのも驚きました。
この後坑道へ入ります。距離は短いですが、当時の採掘状況を表す人形が…本物かと思ってしまいました。他の坑道と同じく、岩盤の固い花崗岩を砕く作業は大変なものだったのです。
1、羅厝漁港(乗車場所)
坑道を抜けて、左に海を見ながら歩いていくと、電瓶車の乗り場に着きます。ここはスーパーもあるので、水などをこちらで購入。電瓶車は、北線、南線の表示がしてあるので、間違わないように乗ってくださいね。ナビたちは、北線コースへ!
2、八二三砲戰紀念碑
八二三砲撃戦勝利記念碑は、砲撃戦の勝利を祝って建てられたものです。九宮埠頭から小金門へ経由する際の道路に建っているのですが、緑色の大きな砲弾はすぐわかります。
これは、小金門の扉を守る石敢當(魔よけの石碑や石標)のような役割もあるそうですよ。
3、湖埔路、后頭社區、林邊を通過
まず廟を過ぎ
古民家とその背景がのどかで、気分もゆったりしてきます。途中「麒麟山」という登山歩道の入口も通りました。
標高119mで、小金門では一番高い山だそうです。頂上からは、360度海が見えるのでしょうか?機会があれば登ってみたいものです。
4、勇士堡、鐵漢堡
到着
勇士堡と鉄漢堡は、地下坑道で連結しています。ここ数年金門観光に訪れる人たちが増え、観光地はとてもきれいに整備されてきています。こちらもナビが数年前に来た時とは違い、地雷の紹介や各国の実物を展示したトンネルがとても見やすくなって大変身でした。ここではいろんな地雷があるのですが、案内してくれた人の話によると、台湾の地雷は体重64㎏以上の人が踏むと爆発するというもの。子供や女性は踏んでも反応しないとか。地雷を踏んだ錯覚に陥る通路も過ぎると、鉄漢堡に連結。以前使用していた大砲などが見られます。ここを抜けるともう出口。田んぼに牛がいたり、「風雞」もいました。大金門では各所に「風師爺」という獅子のような形をした魔除けの像を見かけますが、小金門では鶏が多いのです。
牛が各所に見られ、のどかです
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「風雞」発見、パチリ
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5、仿雷區公園
金門へ伸びる途中の橋
勇士堡、鐵漢堡の隣にある、実際に地雷が埋め込まれていた公園にも行きます。地面のものはダミーですが、ちょっと怖いですね。ここにも牛が数頭いてのどかそのもの。海岸に降りると、猫公石!不思議な景観をつくっていました。
そして!海の方を眺めると、橋のようなものが見えます。これは、金門大橋と言って、大金門の金寧郷と小金門を結ぶ海上に架かる橋になるそうです。全長5.4㎞、海に架かる部分は4.8㎞。2017年完成予定だそうですが、地元の人たちは首を振っておられました…。
これが猫公石、鉄分を含み、長年の風化でこのようになりました
6、車轍道、蓮湖を通過
野鳥観測をしている人がいました。
7、L36據點
ここは、L36據點を過ぎた海岸沿いです
実は、今回軍人人形があり、戦闘の様子を模しているL36據點は、コースに入っていたのですが、素通りしてしまいました…。それで・・・。
肉眼でアモイが一番近く見える場所へ行きました。
ち・か・い。驚きです。
でも、もっと近い場所があるはず!と、そのずっと先に停まってもらうと…望遠レンズで撮ると、画像のようになりました。ちょうどアモイと小金門の間にある獅嶼島という島が、こんなに近い。この島は小金門から小舟で20分ほどのところ。兵士も駐屯していて、毎日台湾側から小舟で物資を運んでいます。小さそうな島ですが、5~6mの坑道もあるそうな。
観光客はここへは渡れませんので、あしからず。兵士のレクリエーションのためか、島の頂上にはバスケットボールコートもあり。
ここでした…一番近いところ
8、湖井頭戰史館
しばし、大陸との距離を間近に感じていると…実際皆の携帯電話が一斉に「漫遊」(海外にいるってこと!)に変わったのでした!
と、皆が今私外国にいるわよ!と狂喜している間に、車は湖井頭戰史館に到着。
1988年、当時の郝伯村上將が烈嶼視察に訪れた時、この地にも烈嶼の戦歴を残す史蹟館が必要と提案し、翌年完工となりました。2007年には内部を改装後再オープン。烈嶼師旅の戦績、鐵漢の雄姿、金門を守る人々、兵士たちのストーリーや声、眺望体験エリアなど、非常に分かりやすい展示になっています。入口にある爆弾のようなものは、戒厳令が敷かれていた当時、対岸の共産党が打ってきたもので、中には共産党を宣伝する内容を書いた紙が入っていたそうです。もし子供たちが拾って、学校へ持っていったら学校から表彰されたそうです。
眺望体験エリアには、4機の昔の電話から、当時の状況を紹介する兵士の声が聞こえました。望遠鏡をのぞくと、対岸の岩に書かれた「一国両制 統一中国」(一つの国、二つの制度)、1978年に中国が台湾との統一を実現するために打ち出した統一方針のスローガンが見えます。
金門県烈嶼郷894号 電話:(08)236-4403 開館時間:8:30~17:00 入場無料
9、八達樓子も通過
コースには通過と書いてましたが、八達樓子で、ちょっと停車してもらいました。
1966年、本来古北口に駐屯していた長城部隊が小金門に配置転換となったのですが、八達楼子を死守するため7名の兵士が犠牲となりました。彼らを追悼するため、国民党軍がこの八達楼子を建てたのです。
塔の中にも入ることができます。
八達樓子の隣にある「金瑞成」店舗は、竹の葉でくるんだ貢糖で有名なお店。濃厚なピーナッツ味がうまい!
最近発売の「芋泥餅」というタロ芋ペースト入りのお菓子もおすすめです♪
10、東林市場
昔栄えた街は今…
1963年、小金門に作られた唯一の市場でした。当時は駐屯していた兵士も多かった時代なので、物資の交易も盛んでした。が、時代の流れによって、規模はどんどん縮小していき、当時何軒もあった朝ごはんやさんは、現在『廣東粥』店だけになりました。東林市場を走る道路は、小金門で最初の道路でもあったそうで、最も賑やかだった通りでした。
店舗は最盛期から10分の1に減り、他方へ移転した店も多いそうで、ちょっとさびしげな風情が漂っていました。
少し先の東林5號の民家の前には、東井という井戸があります。
この井戸は、宋代に作られたもので、大小金門で一番古い井戸。古跡としても認定されています。特徴としては、井戸の口が広いこと。深さは4.5m。水質はすでに汚染されているので使用されておらず、普段は蓋がされています。井戸の四方は、長方形に削られた24個の花崗岩の石で固められています。
古跡なのです
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棺のようにも見えます
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もう使用はされていません
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近くの家の前を通っていくと
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廟の後ろに到着
徒歩圏内に「佛祖廟」という土地の神様を祭った小さな廟があるのですが、ここも必見。内部には素人の住民が描いたという墨絵が壁一面にあります。素人とは思えないくらいの立派な作品です。
11、南環路、九井路を通過
小金門は、スローガンだらけ。
12、九宮碼頭(港) 到着。
いかがでしたでしょうか?
今回ナビたちが乗ったのは、北線。両線とも冬場と雨の日は、ちょっと大変かもしれませんが、電瓶車に乗れば観光は便利。
次回は南線に乗車し、他にも標高119mの麒麟山への到達や「西方彩繪村」もぜひ!と思案中のナビです。
以上、台北ナビがお届けしました。