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日本ではもう無くなったものが、ここにはたくさん残っていました


こんにちは、台北ナビです。
今日は、台南市後壁区の菁寮にやってきました。
ここは、大台南公車の黄幹線が停まる「新營」で黄6支線に乗り換え、「菁寮國小」で下車。菁寮聖十字架天主堂と日本統治時代の建物が残る小学校が目の前にあります。

菁寮聖十字架天主堂

台南市後壁区の菁寮國小の斜め前に不思議な形をした建物があります。
St.Francis系列の教会で、台湾へ伝道されたのは1956年のこと。ドイツの伝統的な教会とキャッスルの神秘的な雰囲気を醸し出したこの建物は、1960年に設立しました。教会の建築家は、ドイツ人のGottfried Bohm氏。彼は1986年「建築界のノーベル賞」 であるプリツカー賞を受賞。台南人を歓喜へ舞い上がらせたのは、彼の海外での最初の作品が、ここ台南市後壁区の「菁寮聖十字架天主堂」だったからです。

その独特なデザインは、とんがった銀色の屋根が天空を指しているところ。周辺の赤レンガの壁や黒い瓦で作られた伝統的な家屋が並ぶ素朴な情景とは強烈な対比を成し、それ故遠くからでも菁寮のランドマーク的な目印となっているのです。教会は、鐘樓、洗礼堂、聖殿、聖體宮の4つの箇所に分かれ、どの建物も屋根がとんがっていて、てっぺんには鶏、鳩、十字架、皇冠が置かれています。コンクリートの壁面の内部は開放的な空間で、赤い窓枠の木の格子が印象的。神父は台湾語を話すフランス人です。教会の開放時間は決まっていますが、教会のイベントや神父の都合で開放しないこともあり。また、内部は撮影禁止です。

東を守る神様、祠の中には馬と人の折り紙のような人形がありました

東を守る神様、祠の中には馬と人の折り紙のような人形がありました


教会の前には、後壁区の東を守る台湾の神様の祠があります。
昔々地方によっては、そこに住む人々を守る神様がその地の東西南北に祀られ、ここは東にあたったところなのです。

台南市後壁区墨林里294-1号 
個人参観時間:14:00-15:00(土)、10:00-11:00、14:00-15:00(日)、14:00-15:00(祝祭日)(但し、いつもこの時間に必ず開放するとは限りません)
教会周辺の家々 教会周辺の家々

教会周辺の家々

菁寮國小

バス停

バス停



日本統治時代の講堂と職員室がきれいに残され、今現在も使用中でした。講堂のガラスは、割れたらその都度調達できたガラスをはめ込んでいたようで、模様がバラバラ。でもその様子、日本人からすると、建物を大切に使い続けてくれたんだなあという感謝の気持ちが湧きおこってきます。
講堂の右側の像は孔子様

講堂の右側の像は孔子様

窓ガラスにご注目 窓ガラスにご注目

窓ガラスにご注目

瓦は張り替えられています

瓦は張り替えられています

昔の小学校の風情があります

昔の小学校の風情があります

鳳凰花が咲き誇っていました

鳳凰花が咲き誇っていました

壁にご注目、観光案内があります

壁にご注目、観光案内があります

小学校前の壁にも案内がありますが、後壁区の「無米樂」社区というのは、菁寮國小と菁寮老街を含みます

菁寮老街

菁寮では、昔の家に修理を重ね、うまく保存されています

菁寮では、昔の家に修理を重ね、うまく保存されています


「菁寮國小」から歩くこと約10分強。
菁寮は、古くて小さい、純朴な村ですが、2005年の「無米樂」のドキュメンタリー映画で一躍その名を知られることになりました。ここは伝統的な農業が根付いているところで、村全体が日本統治時代~1980年で時が止まったままなのです。
後壁区は台南市の最北にあり、北の八掌溪を越えると嘉義県に入ります。このあたりは福建省同安県一帶からの移民たちが土地を開墾し、農業を始めたのが最初ですが、1980年台以降、都会への人口の流出によって、昔の有り様がそのまま取り残されていきました。
まず、活動中心で菁寮老街~教会一帯を含む「無米樂」社区の紹介を聞きました まず、活動中心で菁寮老街~教会一帯を含む「無米樂」社区の紹介を聞きました まず、活動中心で菁寮老街~教会一帯を含む「無米樂」社区の紹介を聞きました

まず、活動中心で菁寮老街~教会一帯を含む「無米樂」社区の紹介を聞きました

後廍茄芷阿嬤ショップ

活動中心でビデオを見てからすぐ、お隣にある「後廍茄芷阿嬤」ショップへ入りました。ここでは地元のおばちゃんたちが地元産の材料でバッグやかごを編んでいます。花布なども使用し、バッグには作成者の名札があり、金額も作った人が決めるそうです。ちょっとおしゃれなものもあったりして、お手頃価格で手に入ります。

台南市後壁区菁寮里73号 電話:(06)662-3703
夏っぽい

夏っぽい

台湾色買い物バッグ

台湾色買い物バッグ

こちらは1000元

こちらは1000元

耳扒子・兩美理髪店




ここは理髪店。店先では、耳かきを販売中。もちろん中で耳かきサービスもあります。中へ入ると、2代目のおじいちゃんが親の時代から譲り受けたという日本統治時代の散髪屋さんの椅子を紹介してくれました。壁に貼ってあるポスターも粋ですが、先代は日本人から理髪の技術を学んだそうです。当時使用していたはさみなどの理髪用具の棚も、当時からずっとそのままそこにあっただろう場所に置いてありました。
日本統治時代の理髪店の椅子

日本統治時代の理髪店の椅子

かなり具体的です、日本語もあり

かなり具体的です、日本語もあり

先代が理髪を学んだ書も紹介してくれました

先代が理髪を学んだ書も紹介してくれました

崑濱伯乀店・芳榮米廠

どうですか?カッコいい~

どうですか?カッコいい~





隣は米屋さんです。台湾10大好米にも選出されたおいしい米屋さん。おじいちゃんがワイルドでかっこいい。写真撮っていい?と聞くと、毎日乗り回しているというオートバイにまたがってくれました。
昔の看板や量りも当時のもの 昔の看板や量りも当時のもの 昔の看板や量りも当時のもの

昔の看板や量りも当時のもの


どのお店もご年配の方が多いのですが、皆ニコニコと楽しそうでした どのお店もご年配の方が多いのですが、皆ニコニコと楽しそうでした どのお店もご年配の方が多いのですが、皆ニコニコと楽しそうでした
どのお店もご年配の方が多いのですが、皆ニコニコと楽しそうでした どのお店もご年配の方が多いのですが、皆ニコニコと楽しそうでした どのお店もご年配の方が多いのですが、皆ニコニコと楽しそうでした

どのお店もご年配の方が多いのですが、皆ニコニコと楽しそうでした

和興氷菓部


この店も時が止まった感があります。米屋の真向かいで、入り口にはピンクの屏風があるのですぐわかります。昔田舎でお見合いをする時は、この屏風で外部から見られないよう遮断したそうです。店内もレトロでかわいいし、コップやお椀の棚もきれいに磨かれ、清潔。笑顔がステキなお店のおばあちゃんにモデルになってもらいました。

台南市後壁区菁寮里46号 電話:(06)662-1877 営業時間:8:00~18:00
四果冰30元 ふわっとした甘い氷にドライフルーツやお菓子がのっています。氷はすぐ溶けていくので、混ぜながら食べるとおいしい。

四果冰30元 ふわっとした甘い氷にドライフルーツやお菓子がのっています。氷はすぐ溶けていくので、混ぜながら食べるとおいしい。

花生牛奶冰35元 煮て柔らかいピーナッツではなく、そのままでも食べられる固いピーナッツ。ふわふわ氷によく合っています。

花生牛奶冰35元 煮て柔らかいピーナッツではなく、そのままでも食べられる固いピーナッツ。ふわふわ氷によく合っています。

瑞榮鐘錶店

創業1934年。
今年90歳という元気なおじいちゃんが案内してくれました。毎日現役で時計の修理もしています。こちらも店内では時が逆戻りした感…。
そして!午後5時になると、掛け時計がいっせいに鳴り始めます。100年近い時計やお値打ち時計が所狭しと並んでいます。画像の通り、かなりの年代物もあるので、価格もそれなりのもの。骨董時計に目がない人は、この時が止まった空間で溺れてしまうことでしょう。

台南市後壁区墨林里207号 電話:(06)662-1195
店内には、掘り出し物がざっくざく 店内には、掘り出し物がざっくざく 店内には、掘り出し物がざっくざく
店内には、掘り出し物がざっくざく 店内には、掘り出し物がざっくざく 店内には、掘り出し物がざっくざく

店内には、掘り出し物がざっくざく

午後5時のパフォーマンス!

菁寮老街の中心




菁寮(北勢)老街が、別名:菁寮嫁妝(嫁入り道具)老街と呼ばれるのは、布団や日用品などほとんどの嫁入り道具をこの通りで調達することができたからです。菁寮は、後壁区で最も栄えた集落でした。中でもひと際にぎやかだった商店街であるこの通りは、酒家や飲食店、宿、服飾店、薬屋、家具店、美容院、自転車店などが集中し、高い消費能力を誇っていましたが、80年近くを経た今は、建物だけがその歴史を物語っています。
入口には、枕やクッションのお店

入口には、枕やクッションのお店

萬味香醤園



クッションやさんの隣りは醤油屋さん。
醤油は日本人の生活に切っても切れない調味料ですが、台湾でもそれは同じ。
台湾の醤油の種類も多いし、日本にはない種類もたくさんあります。

台南市後壁区菁寮里58号 電話:(06)662-3623
ちょっと重いけど、お土産にはいい感じです ちょっと重いけど、お土産にはいい感じです
ちょっと重いけど、お土産にはいい感じです ちょっと重いけど、お土産にはいい感じです

ちょっと重いけど、お土産にはいい感じです

阮家古厝

阮さんです

阮さんです


日本統治時代よりも古く、建物の歴史は約250年。長年薬を扱っていて、当時の様子がそのまま残されています。建物がほぼ完全な形で原形を留めているのも感動ですが、現在も住居として使用しているというのも驚きです。
映画のロケ地としてもよく使われるそうですが、中央のテーブルはオーナーがいつも近所の人たちとお茶を飲んだりする憩いの空間になっています。
入口がオープンになっていれば、中に入れます 入口がオープンになっていれば、中に入れます

入口がオープンになっていれば、中に入れます

稲稲米






この地区の集会所のような役割をしている場所です。
昔は荘さんという村長さんのお宅でした。村に多くの貢献を成した方です。

老茶室

女性が横に座って、お酒が飲めた店で、古のクラブ、バーといったところでしょうか。菁寮になぜこのような場所が多々あったのかいうと、ここはちょうど海と陸の交易の中間点にあたり、多くの商人がここで体を休めたり、一泊したりしたからだそうです。

找尫巷

老茶室の向かいに体を横にしないと通れない狭い通路があります。これは昔老茶室へ女性目的で遊びに行った男がなかなか家に帰らないので、奥さんが迎えに行った時、慌てた男性がこっそり隠れて帰った道だということです。挟まって動けなくなるくらい、狭いんですが…。
狭い… 狭い…

狭い…

隣の木造の建物は、いわゆる連れ込み宿だったそうです 隣の木造の建物は、いわゆる連れ込み宿だったそうです

隣の木造の建物は、いわゆる連れ込み宿だったそうです

荷蘭井湧泉民宿


菁寮里129号にある井戸は、オランダ時代から現在まで300余年使用し続けていて、住民に天然水を提供しています。当時乳飲み子をおんぶした母親たちがこの場所で洗濯をしていたそうです。
オランダ井戸の後方にそびえる荷蘭井湧泉民宿は、典型的な三合院建築の建物で、昔の形を保ったまま。各部屋は布団を敷く部屋で、菁寮農村生活の体験博物館も併設されています。布や傘など興味深いものを販売しています。

台南市後壁区菁寮里129号 電話:(06)662-2705

ディープな台湾ここにあり



菁寮老街は、台南市内からバスで乗り継ぐと1時間半はかかってしまう場所ですが、来てよかった~と思えるところだと思います。着いたらゆっくり歩いて楽しめるところなので、皆があまり行かないようなところに行ってみたい、昔の日本を探してみたい、という方にはおすすめです。
以上、台北ナビでした。

記事登録日:2014-08-22

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2014-08-22

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