森全体が博物館!高山民族「ブヌン(布農)族」の森は刺激的~☆
こんにちは、台北ナビです。
今日は別名「ブヌン族のディズニーランド」と言われる「鸞山森林文化博物館」(以下:森林博物館)にやってきました。博物館と言っても、箱モノではありません。森そのものが博物館なんです。門も看板も何もない!だけど、今台湾では徐々に人気を集めているそうなのです。
事前予約制!予約がないとたどり着けません
こちらを訪れるには電話かE-MAILでの事前予約が必須。料金は森林博物館巡り【昼食付】500元/人(20人以上で催行)、【昼食なし】300元/人(6人以上で催行)と人数が集まらないとなかなか参加できないようで、自由旅行の方には少しハードルが高いかもしれません。また、これ以外にも1泊2日、2泊3日コースもあり、どっぷりブヌン族の文化に触れることができるそうですよ。他の参加者がいればもちろん少人数でも参加可能ですので、興味のある方は連絡してみてください。
※上記の料金は小学生以上の料金です。
【昼食付き】幼稚園児300元/人、1~3歳は無料です。
集合場所にたどり着きました~!
Longさん
予約の際に教えてもらった集合場所(鸞山派出所廣場)に到着したナビ一行。ここからは解説員のLongさんの指示に従っていきましょう。まず、集合場所ではこれからの流れを簡単に説明してくださいます。
集合場所から車で進んだところにあるところでは「會走路的樹(歩く樹)」を見学、その後森の中に入るための体力づくりとして小米酒などが振る舞われます。準備ができたら、いざ森林博物館へ入っていくという流れ。森林博物館のある「鸞山」はブヌン族の言葉で「Sazasa(肥えた土地)」と呼ばれているほど、自然豊かな山。人間の力では到底作り出すことができない自然の博物館に入れるなんて、説明を聞きながらナビの期待はどんどん膨らんできました。またここで簡単なブヌン族のあいさつ講座も行われました。「ありがとう」はウミナァ、「こんにちは」はミフミサというそうですよ。アクセントなどがちょっと難しいのですが、是非覚えてみてくださいね。
「會走路的樹(歩く樹)」ってなんじゃ?
ほんとにここが入口?と思ってしまうような場所から森の中へ入っていきます
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Longさんを信じて歩くのみ!
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集合場所から車に乗り5分ほどのところで下車し、山道へ。解説してくれる人がいなかったら見逃してしまうような場所がから奥へと進みます。道は狭く、足元はかなり悪いです。特に樹の根っこを踏んでしまうと滑りやすくなっているので注意してください。そうこうしている内に、突如ナビの目の前に映画アバターに描かれたような景色が飛び込んできました。視界の中には収まりきらない大きな枝垂れ榕樹(シダレガジュマル)がで~んと立っています。これが「會走路的樹(歩く樹)」と呼ばれる樹。目の前に見えるのが1本の樹なんだそうですが、信じられないくらい大きい!空も覆ってしまっています。ここはジャッキー・チェン主演の映画「ライジング・ドラゴン」のロケ地にもなっているんだよ~とこっそり?Longさんが教えてくれました。そういえばこんな風景出てきたかも!!
これが一本の樹だなんて信じられますか?
ではなぜこのような名前がつけられたのでしょうか?それはこの樹の気根が育つスピードが早く、気根の始まりがどこかすらわからなくなるほど、気根が広がっていくことが由来です。その昔、ブヌン族が森に入って、道標として印をつけていたのですが、次に森へ入った時には見つけられなかったそうで、これは歩く樹なんだと信じられていたそうです。
この見事な樹。樹齢何年くらいだと思いますか?まずは答えを聞かず考えてみてください。考えましたか?では、答えを発表しますよ~。
Longさんが小さい時、おじいさんに樹齢を聞いたそうです。そうすると、おじいちゃんは「自分が子供の頃にも同じことをおじいちゃんに聞いて、おじいちゃんは「わからない」と答えたそうです。シダレガジュマルには年輪がないそうで、今となっては誰も樹齢はわからないんだとか。でも、ブヌン族の方々に語り継がれる正しい答は「自分が思う樹齢が、このシダレガジュマルの樹齢なのかもしれない」なんだそうです。ちょっと煙に巻かれたような答でしたが、この樹の生命力の前にして、人間の知っていることなんてちっぽけなんだなぁと思いました。
展望台で景色を望み、ちょっと休憩!
Longさんはスクーターで展望台近くへ
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少ししか登ってきていないと思いましたが、台東の色々なところが見渡せました
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円になってお肉を焼きます。「あなたのもう焼けてる!」「私のはどう?」などここで他の方たちと仲良くなりました
ナビが訪れた日はちょっと曇っていて、視野がよくありませんでしたが、展望台からは中央山脈や鹿野渓、卑南渓などなど台東が見渡せました。景色を楽しんだら、もう少し奥にある藁ぶき屋根の小屋へ移動します。ここでは、しょうがなどの調味料に漬けた猪肉を竹で作った棒に差したものを焼いていただきます。その時に特製の小米酒が振るわれ、狩り人のスポーツドリンクと言われる飲み物もいただけます。これはシナモン、紅サトウキビ、生姜などで作られたドリンクでスポーツドリンクのような効能があるそうです。ナビはこのスパイシーなドリンクが気に入っちゃいました。この時は採れたてのバナナもありました。これでパワー注入!早速森林博物館へ入っていきましょう!
さぁ、どうぞ!とお肉が渡されます
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お肉を刺しているのも手作り!
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味がしみ込んだお肉を
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炭で焼くのは結構時間がかかりました
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ナビは15分もかかりました
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ガスや電気がない生活ってやっぱり大変です |
神様への挨拶を忘れずに!
森林博物館の入口はおごそかな雰囲気がします
ここであいさつを!
意気揚々と森林博物館の入口に来たナビ。しかし、すぐに入ることはできません。まずは山の神様への挨拶を行います。神様の好きな物は小米酒と檳榔。これらを仏壇のような場所にお供えします。しかし、決してお参りするというものではなく、神様に今から森に入らせてもらいますねと挨拶をしているそうです。ここには狩りで仕留めた戦利品が飾ってあって、その前に3杯の竹で作られたコップへ小米酒(米酒でも大丈夫です)をそれぞれ注ぎ入れ、檳榔をその前に置きます。そうすると解説員のLongさんがブヌンの言葉で挨拶してくれますので、ナビは何を言っているのかはよくわからなかったのですが、心を静かにして今から入らせていただきますと心で言いました。霊感みたいなものにかなり疎いナビですが、この神聖な雰囲気は感じ取ってしまうほど、ちょっと他とは違う空気が流れていましたよ。
もって来た檳榔をお供えし、米酒を注ぎます
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Longさんがあいさつしている時は目をつぶって静かに!
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度胸と体力が試されます
関門についての説明中!
「さぁ、ブヌン族のディズニーランドへようこそ!」と語るLongさん。いよいよ森林博物館へ入っていきます。ディズニーランドのようなアトラクションはありませんが、この中には4つの関門があります。すべてを回るには約30分かかります。また、この森の中には触ってしまうと肌に痛みを覚える植物もあるそうなので、ご注意を。関門の中には道がかなり小さくなっている場所があり、足元も悪いので、貴重品以外の大きな荷物や傘などは入口に置いていってくださいね。ここからは見習いのワサビさんがLongさんの代わりに道案内をしてくださるので、Longさんはみんなの荷物を見ていてくれます。
① 「好漢坡」
全長10m強の上り坂をロープで登っていきます。これは比較的簡単!急ぐことなくゆっくりと登っていけば大丈夫です。
これは余裕~♪
② 「一線天」
太っちょナビが通れるか心配になった細~い道。岩で出来た壁と壁の間を抜けていきます。肩を岩に平行にしないと通れませんでした。ナビよりもふくよかなLongさんはここを通ることはできないそう。服は汚れるは、足元は悪いは…でも、通れた時の達成感がたまらない!
一番細いところでは、体を横にしないと通れません・・・
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ヤッター!「出られたよ~お母さぁ~ん」となぜか叫びたくなりました
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③ 「爬樹」
根っこが長~く伸びている樹。この樹を登ればブヌン族ディズニーランドはほぼ制覇できます。ここにも蜘蛛の巣のようにロープが張り巡らされているので、実際登ってみると案外すっと登れますよ。しかし、命綱などはないので、落下だけには気をつけてくださいね。おならも絶対しちゃだめだよ!とはlongさんのお言葉。笑
香港メディアの人が「降ろして~」と泣きながら叫んだという関門
このロープは観光客のためにつけられたもの。ブヌン族の方はこんなもの必要ないのだとか!驚
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上から下を見てみました~
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④ 好漢下坡
下り坂にもロープが張ってあるので、ロープを握り下っていきます。でも、前日雨だったせいで地面がかなり滑りました。一本道だから迷わないよ~先に行って~と言われたのでどんどん進むと道がふた手に分かれています…。ここに暮らすワンちゃんが進んだ左手に歩を進めると元の場所に戻れました!!
根っこをつかみながら下ります
一番の案内人?のワンちゃんの行く方へ進むと…
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展望台の方へ戻れました~
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4つの関門には旅行者が挑戦しやすいようにロープなどが設置されていますが、ブヌン族の方が猟に出る時にはもちろんそんなものはありません。だけど山の中を走りまわっていたそうですよ。
マイナスイオンをいっぱい浴び、森林のパワーを感じることができた森林博物館。ここに住む人達は電気を使わずに生活をし、大自然と共に暮らしています。都会暮らしに慣れたナビには完全にこのような生活をするのは難しいですが、少しだけでも自然と仲良くなれた気がします。服や靴は泥まみれになりますが、それ以上の物が感じられる希有な博物館。少し大変ですが、是非ブヌン族のディズニーランドを楽しんでみてくださいね。
以上、森林の神秘な世界に興味を持ちだしたナビがお届けしました。