MRT「蘆洲」駅からバスで30分強のところに、リフレッシュできる山があります♪
こんにちは、台北ナビです。
新北市の淡水から河をはさんだ向こうに神々しい山が見えます。この山は、その輪郭が観音様の横顔に似ていることから「観音山」と呼ばれています。北の方向が頭部の冠で、額、目、鼻、口、あご…と目鼻立ちはかなりくっきりしています。
観音山は陽明国立公園の大屯山からつながっている休火山。火山岩で形成され、18本の峰が連なっています。最高峰は硬漢嶺の616m。登山歩道になっているので、頑張れば到達できます。観音山の美はその外観からも見て取れますが、特に淡水、八里海岸線から伸びるラインは美しく、サイクリングロードとして、週末は多くの人たちでにぎわいます。また、あまり知られていませんが、大坌坑文化、圓山文化、十三文化と台湾の古代文化の発掘地としても有名な山なのです。
MRT「蘆洲」駅から出発
画像提供:社團法人台北市野鳥學會
この日ナビは、「観音観鷹」(観音山で鷹を見よう)というイベントに参加するメディアの人たちと一緒に貸切りバスに乗りました。普段でも三重客運の橘20番のバスが、MRT「蘆洲」駅から観音山遊客中心まで、朝の5時40分から20時の間、1時間ごとに走っています。土日はバスの便数も倍近く増えます。運行時間は約30分~40分。緑がだんだん増えてきて、空気もよくなってくると郊外に来た~という清々しい気分になります。
楽しめる観音山
観音山遊客中心
MRTの「竹圍」や「紅樹林」駅からは、観音山の横顔がかなり明確。ナビは台北の郊外に住んでいるので、平日は通勤で観音山を拝んでいます。別に手を合わせているわけではありませんが、朝は緑の清々しい姿を右目に、夜はきれいにライトアップされた関渡大橋から八里の後方に黒くそびえる姿を左目で確認。
淡水に居を構える人たちの中には、観音山が眺められる場所に住んでいることに幸せを感じている人も多いそうです。山を見ることで観音様の穏やかな表情を思い浮かべ、平和な気持ちになるのでしょうね。それで、こんなに身近に観音山を感じているナビですが、実は麓までは何回か行ったことがありましたが、上の方まではなく、今回が初めてとなりました。
「観音山遊客中心」へ到着して、MAPをもらってびっくり。これは楽しめそうです~!
MAP参考:北海岸及観音山国家風景区管理処
観音山遊客中心にもバスの時刻表があります
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まず観音山紹介をVTR観賞
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展示館の中へ入ってみます
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観音山の四季や時間ごとの美しい姿がありました。
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観音山へは、蘆洲以外に五股、八里、淡水からも到達できます。
凌雲寺や凌雲禅寺も見どころですが、牛寮埔、硬漢嶺、楓櫃斗湖、福隆山、牛港稜、尖山、林梢の7本の遊歩道は、長さも費やす時間も、そして、景色も様々。今回ナビたちは初級クラスの林梢歩道(800mでほぼ平坦)を歩きましたが、本当に歩き、だったので、山好きな方はこれでは物足りないでしょう。超難関は、観音山のてっぺん標高616mへ登る硬漢嶺歩道で、距離にして階段の入口から1563mで約1時間かかります。歩道というより山道?もう一ヵ所の難関は、尖山歩道。標高は380mですが、出発地点の凌雲禅寺から距離は1620m、約70分かかります。
観音山遊客中心は400m近い標高。
鷹や鷲などの猛禽類
台湾でも普通にご登場のゆるキャラ、鷹くんです
観音山内の観光は、お昼ごはんの後にゆっくりということで、まずは3~5月から観音山に多く見られる猛禽類の紹介を受けました。そうです!この日ナビが同行させていただいたのは「社團法人台北市野鳥學會」(台北野鳥の会)の方々で、日本をはじめ、世界中の野鳥の会と交流をもっている人たちです。
実は今まで毎年9~10月、南へ向かう猛禽類は台湾南部の墾丁で一番多く見られ、3~5月に北へ帰る時には、中部の八卦山で見られるとされてきました。
が、赤腹鷹や灰面鷲鷹などの種類は、観音山を抜けて日本へ向かうことが明らかになり、観音山でも2014年からこの時期に「観音観鷹」(観音山で鷹を見よう)イベントを始めたのです。この日は、観音山の猛禽類を紹介した新書の発表会とそれに合わせたバードウォッチャーたちの集合、デジスコを使用しての猛禽類の観察など賑やかに行われました。
「社團法人台北市野鳥學會」スタッフ、野鳥の専門家です
猛禽類は、鋭い爪とくちばしを持ち、肉食である鷹や鷲の種類です。フクロウもそう。台湾では31種の猛禽類が確認され、そのうちの24種が観音山で観賞できます。
ナビはこの日初めてデジスコを通して「大冠鷲」を確認。目は黄色で、胸と腹に白い斑点があり、頭部には冠のような羽。この日は木の枝に直立不動で停まっていました。りりしい顔立ちに鋭い眼光、獰猛で冷静、まさに孤高の鳥の王者といった様相に、惚れ惚れしてしまいました。
一般のカメラだとこんな感じ、この木々のどこかに大冠鷲がいるのです
残念ながら、背筋をピンと伸ばし、木に停まった雄々しい姿は、ナビの望遠カメラでは撮影できません。
後で野鳥の会からいただいた写真は、羽を広げて、気流に乗って飛ぶ姿。かなりの高度で山を悠々と旋回する様子に力強さを感じます。猛禽類が旋回する場所は、山中の気流が溜まっているところ。あんなに気持ちよさそうに飛べたらいいだろうなあと、旋回のリズムにナビの体も揺れてくるようでした。
大冠鷲の飛ぶ姿
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威嚇している姿
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こちらは、灰面鷲鷹
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赤腹鷹
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画像提供:社團法人台北市野鳥學會 |
碧瑤山荘
台湾の郊外に来たら、山菜料理や鶏肉のおいしいことったら。こちらも例外ではありません。この日はお天気がよかったので、戸外のテーブルが大人気。まずテーブルに運ばれてきたのは、土鶏と言われる蒸した地鶏。肉に弾力があり、噛むほどに甘味も感じる上質の鶏肉。これを食べたらブロイラーチキンはボソボソで食べられないという人も多数という絶品のチキンです。そして、剣筍の煮物やニンニクがたっぷり効いたモロヘイヤ、お店の看板メニューである宮保臭豆腐などが続々と登場。
更には、春にしか採れないという観音山名産の緑竹筍も!これを食べに山へ来るという人もいるくらいの期間限定、超美味の筍です。今日は各自が白いご飯をよそって食べる方式でしたが、ご飯も進むし、会話も弾む。台湾の人たちと丸テーブルを囲むと賑やかで楽しいですね。
碧瑤山荘 庭園餐庁住所:新北市五股区凌雲路三段112号(凌雲寺バスターミナルそば)
電話:(02)2291-1507
営業時間:11:00~22:00
定休日:月曜日
凌雲寺
おいしい食事の後は少し歩きます。
レストランへの歩道途中には、最難関歩道の尖山歩道へ続く階段があります。レストラン駐車場の横が凌雲寺。レストランオーナーの楊海塗さんは、観音山レジャー発展協会や凌雲寺の総幹事も務めているので、今日は総合案内をしてくださいました。まずはお寺の後方に回ると、樹齢300年の大きな茄苳樹(日本名はアカギ(赤木)、カタン)。茄苳樹の根元に初代の土地の神様の祠がありました。そして、2代目神様がその前に。そして、その向かいには、なんと宝くじで大当たりをした土地の人の寄付で出来上がった3代目の土地の神様宮がありました。
1739年に建立された凌雲寺は、後方に凌雲禅寺を控え、真正面から望むと山の斜面に沿って寺が続いているようでとてもきれいです。そして、一番後ろには観音山のてっぺんである硬漢嶺。なかなかこういう景色には出会えません。
凌雲寺は、清の時代、謀叛人たちをかくまった寺でその後焼打ちに遇いましたが、後にほぼ原型の形に復元されました。
凌雲禅寺
1909年寶海法師によって創建された寺です。日本統治時代には、台湾4大仏教宗派の1つで、同時に3大法師の1人である覚力法師もここに務めました。
さて、2階へ上がりましたが、こちらの観音像には、驚きました。大きさは、奈良の大仏様の3分の1くらいかなとお見受けしましたが。入口は「粛清」という文字。静かに入って拝んでください。撮影に関しては大丈夫です。
その大きさに圧倒されました
硬漢嶺
ここから最高峰の硬漢嶺への入口まで歩きました。
次回はここから頂上まで登ってみたいものですね…。
頂上からは台湾海峡も望めるそうですよ。
楞巖閣
覚浄法師が創建したバロック式と閩南式が合わさった建物で、当時の高層の住居兼招待所だったそうです。今は朽ち果てていますが、建材に観音山石を用いたこともあって骨格は見事に残り、当時の風格が感じとれます。
開山院
大正15年に建てられたインド式の建物で、門の中央に台湾で1、2を競う大きな銀杏の木がそびえています。敷地内には石観音がいくつかあって、日本の花山法皇が推奨した「西国三十三所霊場巡礼」の流れを汲んでいるとか。
基隆、宜蘭、台北、新竹にも石観音霊場があるそうです。
林梢歩道
開山院の入口横に林梢歩道がありました。
左に緑竹筍の畑を見ながら、吊り橋のような歩道を進んでいきます。林梢歩道は観音山で、一番新しい歩道。途中一ヵ所階段がありますが、それ以外は平坦なので、子供もお年寄りも楽しめます。景色も最高で、約20分で「観音山遊客中心」に着きました~!
台北の郊外で、楽しめるところをまたひとつ発見しました。
春に来たら、鷹や鷲の飛ぶ姿を肉眼で確認できる楽しみもあります。
以上、台北ナビでした。