松山空港や行天宮から近く、台北市民の憩いの場として愛され続けている栄星公園
こんにちは、台北ナビです。
松山空港や行天宮から近く、台北市民の憩いの場として愛され続けている栄星公園。大通り民權東路三段に大きな木陰を作っています。6.8ヘクタールの広さを持つこちらの公園は、1968年に辜(グー)家一族によって開園され、当時台北市内では有名な庭園だったそうです。1989年より台北市政府へ引き渡され、それまで入場料制だったものを無料で解放することとし、現在に至ります。朝には太極拳、昼にはヤシの木で日向ぼっこを楽しんでいる台北市民の姿を見ると、生活の一部を垣間見られているようで和みます。
*辜一族:中国信託(ChinaTrust)など、台湾を代表する大企業を率いる台湾大財閥の1ファミリー。日本との関わりは、日本軍の台湾無血入城を交渉した辜顯榮に始まり、辜家一族の繁栄も、日本の台湾統治の開始と共に始まりました。
晴れた日にはふらりと足を運びたくなる、そんな公園です
こちらの公園、大通りに面しているのに、園内は意外と静か。鬱蒼と生い茂る大きな木々が騒音を遮ってくれているのでしょうか。入ってすぐに目に飛び込んでくるのは、だだっ広い芝生!ゴロンと寝転がりたい衝動に駆られます。休日になるとキャッチボールを楽しむ家族連れや、日光浴をする人などで賑わいます。ドッグランとしても使われているようですので、ピクニックされる方や、寝転がりたい方にはレジャーシートの持参をオススメいたします。青空の下でいただく台湾式サンドイッチと豆漿、なんていうのも台湾ならではかもしれません。こちら平坦な芝生ではないので、走り回る際は突如現れる小さな穴にくれぐれもご注意を!
公園で食べたい!!近所のオススメ朝ごはん屋さん「京園早安早餐店」
早起きをして、公園でいただく朝食はなんておいしいのでしょう。
そんな朝の公園散歩のお供にぜひご紹介したい朝食屋さん「京園早安早餐店」。
公園を背にして民權東路を渡った左手にひっそりと佇んでおります。こちらのお店のテーマはズバリ「身体にいいもの」。
店内と道路わきに少し、食べるスペースがありますが、テイクアウトのお客さんが多いです
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黒いソースは醤油膏、ピンクのソースは甜辣醤、銀色の入れ物は自家製辣醤
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薩拉三明治(サラダサンドウィッチ)40元
水果三明治(フルーツサンドウィッチ)40元。ポテトサラダの間に、新鮮なリンゴとキウイが挟まっているというヘルシーなサンドイッチ。こちらは人気商品なので、早めに行かないと売り切れてしまうんです。フルーツサンドウィッチなのにポテトサラダ?な取り合わせも食べてみれば驚きのおいしさ。是非早起きして行ってみてください。
その他にもポテトサラダの間に素鬆という黄豆を使用した田麩が挟まっている、薩拉三明治(サラダサンドウィッチ)40元、看板メニューの招牌蛋餅25元が売れ筋です!ほどよくパリパリに焼かれた蛋餅の皮がとても香ばしく、卵とネギのほのかな甘みとの相性抜群。アツアツのうちにどうぞ!プラス5元でコーン、チーズ、ハム、肉鬆(豚肉の田麩)を追加できます。ヘルシー志向という事もあり、もともとがあっさりとした味付けになっているので、濃いめの味付けがお好みの方は甜辣醤などと一緒に召し上がってみて下さい。ピリ辛の自家製辣醤はナビのお気に入り。香りもよくて、やみつきになります。
台湾の朝食メニューの定番といえば、やはり豆漿(豆乳)ですよね!こちらのお店では毎日10時間水に浸した黒豆で作られている黒豆漿(中)15元、(大)20元がオススメです。黒豆を使用したほうが、黄豆から作る白豆漿よりも、栄養価が高いといわれています。 豆本来の味が強く、それでいてマイルドな優しい甘みの黒豆漿、きっとハマってしまいますよ♪
他の朝食屋さんで扱っている所が少ない、養生桂圓紫米粥(30元)もイチオシ!滋養強壮作用のある紫米と免疫力がアップする龍眼の実が入った、ほんのり甘いお粥です。プチプチした紫米の食感がたまりません。こちらは冬季限定とのこと。テイクアウトの場合はきちんとコップに入れてくれます♪
同じく冬に大人気の、皇家奶茶(ロイヤルミルクティー)(中)20元、(大)25元。茶葉の味がしっかりして、とてもおいしい!身体が温まります。他のお店とは違う製法との事ですが、ヨーロッパから取り寄せているという茶葉を使用している事以外は企業秘密だそう。気になりますね~。こちらのお店の飲み物は全て、甘さの加減は調整可能なので、注文の際に伝えましょう。
暖かくなったら、夏期限定販売の苜蓿芽捲(ウマゴヤシロール)40元をお試しいただきたい。「うまごやし」とは豆科の植物で、数年前にアメリカで注目を集めたのち、台湾でも食されるようになったそうです。ビタミン、カルシウム、マグネシウムを多く含み栄養価が高いうえに、低カロリーのこの食材、ナビは密かに注目しています。
老若男女問わず地元の人に愛されているこちらのお店ですが、メニューもさることながら、特筆すべきはやはりオーナー劉さんと奥さんの人柄です。劉さんはなんと、バーテンダー暦20年!日本人が経営していた鉄板焼きのお店でその腕を振るっていた劉さんは、自分のお店を持ちたいということで独立。日本語は少しだけ話せます。店内にいると「おはよう!今日もいつものにする?」と訪ねる2人の声を何度も耳にします。どのお客さんが、何を注文するかしっかり把握、その上、新参者にもとても好意的。帰りがけに「夜は冷えるから、気をつけてね」なんていう優しい言葉をかけられたら、ファンになってしまいますよね。そんなご夫婦が二人三脚で提供してくれる家庭的な雰囲気と、健康的な朝ご飯を味わいに、ぜひ足を運んでみて下さい。
もちろん設置されています!台湾の公園には欠かせないあれこれ
大小問わず公園でよく目にする「健康歩道」。靴を脱いで、石が敷き詰められた歩道の上を歩くと、足裏が程よく刺激されます。すみません、ちょっと見栄を張ってしまいました・・・。3歩も歩くと痛~い!とギブアップ。日頃の不摂生を感じます。足裏は第二の心臓!この健康歩道、アイディア賞ものだと思いませんか?ぜひチャレンジしてみて下さい。
小さなお子さんが遊べるアスレチックや、滑り台、そして不思議な動物の遊具たち。一番人気は、カラフルで可愛いアスレチックを抜いて、シンプルな石造りの滑り台!
後ろに進む人たち。実はこの場面によく出くわします。後ろ歩きは、前に進むよりも運動量が多く、ダイエットに効果があるとか!後ろ歩きの際は、進行方向に障害物が無いかを十分確認してから行いましょう。
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とっても微笑ましい光景。おじいちゃんとおばあちゃんがサッカーを!これは思いつきそうでなかなかない発想でした。手軽に楽しめて、足腰も鍛えられそうです。
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栄星の由来は?この公園ができた背景を感じながら…
さて、ここで少しだけ歴史に触れてみましょう。1895年の日清戦争の結果、台湾が日本に割譲されたことで台湾の日本統治が始まります。その際、日本軍を台北城まで案内し、台湾人で初めて日本軍に重役を任されたという人物こそが、この公園の創設者であり、当時彰化縣(台湾中西部)鹿港の商人であった辜顯榮(こけんえい)氏なのだそうです。「鹿港辜家」と言えば台湾ではとても有名で、台湾五大財閥のうちのひとつであります。もともと榮星花園は辜家が辜顯榮氏を偲んで創設したもので、顯榮氏の「栄」と、輝きを意味する「星」から、「栄星」と名付けられたのだそうです。そんな辜家の思いを感じながら散歩してみると、またひと味違った公園の雰囲気を味わう事ができます。地元の方は以前の呼び名である「栄星花園」と習慣的に呼びますが、台北政府が管理を始めた頃に「栄星公園」と名称が変更になりました。名前は少し変わっても、市民の愛する憩いの場であることには変わりません。
蛍の家
睡蓮が敷き詰められたこちらの池は、蛍の成長に一役買っているのだそう。蛍が光るのは、雄が雌を探す手段という説があるそうなのですが、大都会台北の夜はネオンの明かりが強すぎて、蛍が相手を捜しづらい環境下にあります。ネオンの影響が少ないこちらの公園で蛍にとって過ごしやすい環境を整えている、それがこの「螢火蟲的家(蛍の家)」なのです。こういった地道な努力によって、少しでも蛍の減少が抑えられたらいいなぁ、と陰ながら応援するナビであります。ちなみこの公園に生息する蛍は「黃綠螢」という種類で、お目にかかれるのは4~5月頃との事。癒しの公園で、更にホッとしてしまうスペースでした。
公園付近も隠れた見所満載
温水プールの裏手に伸びる民族東路では、毎日8時頃から朝市(五常市場)が開催されています。
新鮮な果物が安く手に入るので、帰りがけに立ち寄ってみるのも楽しいです。15:00を過ぎると店じまいが始まったり、品薄になってしまうのでやはり早めの時間帯がオススメ。入り口付近では果物、奥に進むにつれ、野菜類、肉類、魚介類と様変わりします。地元民でにぎわう台北市民の台所をのぞいてみてはいかがですか。
「昇恆昌 EVERRICH DUTY FREE SHOP」
台北の観光名所として有名な行天宮へも歩いて10分の距離。
免税店とは逆方向に、のんびり町並みを楽しみながらお散歩してみるのも楽しいかもしれません。
以上、台北ナビでした。