カフェもミュージアムショップも充実!歴史ある赤レンガの建物の中には現代の美術の世界が広がっていました。
こんにちは、台北ナビです。
今日はMRT「中山」駅から歩いてすぐの「台北當代藝術館」にやってきました。こちらは現代美術を展示している美術館ですが、現代美術といってもどんな作品があるのでしょうか。
絵画、彫刻に限らず映像作品や空間全体を使ったアート作品まで、様々なアートに出会える場所です。
こちらの美術館は赤レンガに南国の木がよく似合う、雰囲気のある建物です。 元々は1919年に日本統治時代の建成小学校として建てられましたが、その後、市政府に変わり、市政府が別の場所へ移動した後は使われていなかったそうです。
そして、2001年5月に「台北當代藝術館」としてオープンしました。現在は建物の一部裏側は中学校として使われています。
入口を入ると天井には龍をモチーフにした作品が広がっています。こちらは日本の山口勝弘さんの作品で、先端には液晶が取り付けられていて、今までに開催した展覧会が映し出されています。
入口を入って左側にはチケット売り場とインフォメーションがあります。そこで目をひくのは中央にあるカラフルな光る椅子と銀色の大きな丸い机。こちらも作品なんです。
机には台湾の他のギャラリーの案内なども置かれているので、気になるものをいくつかいただいてきました。美術が好きな人は、ここで情報を得られるのも嬉しいですね。
ここでは平日14:00、土日10:30から中国語でのガイドツアーが行われています。
ナビたちが行った時間帯もちょうどツアーをやっていて、多くの人が熱心に説明を聞いていました。
入口近くのインフォメーション横では無料のガイドを貸し出ししています。身分証明書か1000元のデポジットと引き換えに借りることができます。
また、ネット接続可能のスマートフォンをお持ちのかたはイヤホンのみを借り、バーコードを読み取って、ガイドを聞くことができます。貸し出しガイドは中国語と英語のみになりますが、作品について深く知りたいという方にはオススメです。
小学校の教室を利用した展示スペース
今回案内していただいた辛怡澄さんによると、「台北當代藝術館」は一般の他の美術館と違った点があるそうです。
それは一般の美術館は天井も高く、広いスペースを自由に使い展示されていますが、ここの美術館は、元々小学校であったため、小さく区切られた教室などを工夫して展示をしています。
小学校だっただけあって、廊下や階段などもレトロでいい雰囲気。壁を利用し、映像作品を映し出している作品もありました。
2Fのいちばん奥は小学校の講堂だった部屋です。
この部屋だけはかなり広く、天井も高く、今までの教室とは違った目線で作品が見られます。このように建物を生かしているところは、昔からの小学校と現代の美術のコラボレーションのようにも感じました。
約2カ月ごとに変わる企画展示
こちらの美術館では常設展はなく、約2カ月ごとに展示内容が変わります。現代美術といっても展示内容も様々で、今回ナビたちが訪れたときにはドイツ人アーティストのグループ展示が行われていました。
以前はファッションやアニメーションをテーマにした展示なども行われていたそうです。また、台湾のアーティストだけでなく、中国、アメリカ、フランス、韓国、日本など世界各国のアーティストの作品が展示されます。
今回のメインの展示「風険社會」を少し紹介します。
この展示は時間の流れや経済、科学、家庭など考えれば考えるほど深いテーマを作品にしています。
さて、壁一面に「はがき」ほどの大きさの紙が並んでいますが、よく見ると、なんと有名アーティストの髪の毛が1本ずつ飾られています。髪の毛のみを展示するとはなんともびっくりな作品ですが、おもわず見入ってしまいました。
中には日本人アーティストの草間彌生さんや村上隆さん、中国人アーティストの艾未未さんのもありました。見る人に作品の価値とは何か、と問いかけているような作品でした。
よく見ると髪の毛が入ってます。
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こちらは村上隆さんのです。
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建物の廊下を利用した作品も。部屋を歩いていると足下にひものようなものがずっと続いています。辛さんにこれも作品ですよ、と教えてもらうまで正直気づきませんでした。
これはドイツ人アーティストが約3カ月台湾に滞在し、その間に集めたひもやリボンをつなげた作品です。
若いアーティストを応援するスペース
そして、1Fにもうひとつ違う展示スペースがありました。
こちらはMOCAスタジオといって若いアーティストの発表の場になります。この時は台湾人のアーティスト、王福瑞さんの「超傳波」という音を使った展示でした。薄暗い空間に響きわたる音はガラスと共鳴しているようでもあり、普段感じないような感覚が研ぎすまされていくようでした。この日、様々な作品を見てきて改めて美術とは目で見るだけでなく、五感で感じるものなのだなと実感できました。
次回はここで日本人アーティストの楡木令子さんが神木をテーマに展示をするそうです。こちらもとても楽しみです。
子供たちのための美術教室
この美術館では展示だけでなく、教育活動にも力を入れています。12歳以下の子どもを対象にした教室も開かれています。こちらはチケットがあれば入ることができます。(日によって時間や閉まる日もあるのでご確認下さい。)
展示アーティストによるワークショップやトークショーなども定期的に行われています。こういった活動に参加することで美術をより身近に、より深く理解するきっかけになるといいですね。
こどもたちの作品
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こちらでアーティストのトークショーも行われます
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オリジナルグッズも扱うミュージアムショップ
こちらのミュージアムショップは小さいながらも大変充実しています。
美術館オリジナルのグッズもたくさんありました。かばん、ポストカード、Tシャツ、文房具、メモやユニークなキーホルダーなどお手頃なものもたくさんあるので、おみやげにもいいですね。
台湾人アーティスト李明道さんデザインのとてもかわいらしいかばんも置いてありました。
もちろん、今までの展示のカタログも買うことができます。サンプルもあるので、手に取って気に入った物を購入できます。ナビもこの展示見たかったなと思うものばかりでした。見るだけでもとても楽しいですよ。
カフェで一休みもできます。
ちょうど1Fの展示を見終わって、いちばん奥に一休みするのにとてもいいカフェ「罐子書館」がありました。店内は明るく、黄色を基調とした居心地の良いカフェです。コーヒーやジュースはもちろんのこと、台湾産の烏龍茶、ツナサンドイッチ(220元)や鶏肉ごはん(260元)など軽食もあり、お昼を食べるのにもよさそうです。カフェのみの利用も可能です。お茶やお茶に関する書籍も売っているので台湾観光のおみやげとしてもいいですね。
また、美術館のカフェらしく、店内にも至る所に作品が飾ってあります。入ってすぐの壁にある大きな油絵やお皿やお茶碗なども作品です。お茶碗などいくつかの作品は購入することができるので、気に入ったものがあれば、お店の方に声をかけて下さい。
中山地下街にあるもうひとつの展示スペース
最後に辛さんに教えていただいて中山地下街R9出口近くにある「地下實驗・創意秀場」という展示スペースにも行ってきました。
こちらも美術館が運営する展示スペースです。
美術館から歩いて約10分ですので、時間に余裕のある方は是非こちらにも行ってみて下さい。こちらは約1カ月半ごとに展示を入れ替えているそうで、美術館と比べるとこじんまりとしたスペースですが、展示内容は盛りだくさんです。中山駅と雙連駅の間にあり、無料ですので、気軽に立ち寄ることができます。
建物、作品鑑賞、ミュージアムショップ、カフェとどれも充実していて、メイン展示チケット50元という値段にも大満足の内容で、オススメの美術館です。メインの展示は約2カ月ごとにかわるのでまた次回の展示が楽しみです。
以上、台北ナビでした。