高い竹林、歩くほどに気分も高揚、台湾で最も美しい避暑地は渓頭なのです
こんにちは、台北ナビです。
台湾の南投県鹿谷郷の鳳凰山麓に位置する渓頭は、標高1000m以上の高地にあります。三方を山に囲まれ、一番高いところは、南側の嶺頭山2025m。「渓頭」という名は、北勢渓の源にあるからだそうです。毎月の平均気温は11.0~20.8℃で、年平均になると16.6℃。一年を通して涼しい避暑地でもあるのです。台湾の50代後半の方々にハネムーンはどちらへ行きましたか?と聞くと、「渓頭」と答える方もいるくらい、昔はハネムーンの地としても有名でした。
日本統治時代は、東京帝国大学農学部の演習林だった「渓頭森林遊楽区」。
現在は台湾大学の実験林場として、杉や柏、紅檜、イチョウ、孟宗竹などが生育しています。ほとんどが人工林ですが、天然の広葉樹林が残っている箇所も一部あります。
歩きました
ル・ミディホテル渓頭、渓頭森林遊楽区へ行くには便利です
ル・ミディホテルから杉林渓の方向に行く途中にある「渓頭森林遊楽区」。
ホテルからなら徒歩20分くらいで歩いて行くこともできます。日中は暑いのでと、この日午後4時くらいに着いたナビ。区内バスに乗ってのガイドサービスはもう終わっていたので、自分で歩くことにしました。入園料は200元。意外に高い?と思いましたが、保護区なので、それだけの維持費がかかっているのでしょう。神木までは往復2時間ほどと聞いて、神木よりは少し近い大学池まで歩くことにしました。区内は樹木が密生し、マイナスイオンいっぱい。森林浴にはもってこいですね。
どうやらナビは第3駐車場の方から入ったようで、コンビニを抜け、更に歩くと
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本当の?入口に入ったようです
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こちらをご参考ください(渓頭森林遊楽区パンフレットより)
見どころは?
「渓頭森林遊楽区」は、人口で造形された部分が多いとはいえ、約70年も経ってしまっては、言われなければわからないくらい美しく、自然な森林に仕上がっています。
中でも多くの人が訪れる必見箇所は、樹齢3千年に近い神木、天然の湿地から開拓された大学池、全長220m、高さ22.6mの空中廊下、台湾固有の竹類と世界の竹類の珍種46種を収集している世界でも貴重な竹植物園である竹類標本園。台湾で唯一のイチョウ林などです。特にイチョウは渓頭の気候がイチョウの植栽培に適していたのか、100年近くなるのに、四季折々の美しい姿で多くの人々を魅了しています。台湾に住んでいると紅葉にはお目にかかれないと思っていましたが、ここに来れば銀杏並木に出会えるというわけですね。
付帯施設も万全
バーベキューエリア
こちらは電動車
「渓頭森林遊楽区」は、「渓頭自然教育園区」ともいい、自然な野外の教室として、自然を学ぶ対象として、最良の場所です。区内には森林生態展示センター、青年活動センターやバードウォッチング散歩道などがあります。キャンプエリアでは、キャンプファイアーやバーベキュー場所なども配置しています。
宿泊やレストランは、立徳渓頭飯店が運営。
また、哺乳室と育嬰室もあり、広大な区内では、途中気分が悪くなったり、歩けなくなったりしたら大変なので、医療施設も整っています。
なお、電動車がありますが、お体が不自由な方、お年寄り、妊娠中の方、または特殊な病気などをもつ子供たちが優先されます。運転手は区内スタッフで、必要な時にはボランティア係が付き添い、手伝ってくれます。予約は7日前までにご連絡ください。
また、電動車は1台につき1000元/1時間。身体障害手帳をお持ちの方が優先され、電動車での遊園は、ガイド案内サービスと合わせての提供です。
こちらは、立徳渓頭ホテル経営のレストラン
大学池へ出発!
大学池歩道発見!右へ!
まずは、出入り口から910mの大学池歩道を歩き、戻りは、1キロの大学池林道(木屑歩道)を歩くことにしました。
「渓頭森林遊楽区」内の歩道は、どこもきれいに整備されていて、全体的に平坦な道のりが続くので、長距離を歩く疲れはあっても、登りの疲れはほとんどありません。
ナビが最初歩いた大学池歩道もずっと下りの道が続いていたので、わあ、これは途中からずっと登りかも~と覚悟していたのですが、登った感覚がないまま、池に到着~!
着いたところにも標識
途中すれ違った人は3人しかいなかったのですが、大学池には多くの人がいました。皆くつろいだり食べたり飲んだり。南投名産も売っていましたよ。
大学池販売部
特産品などを販売しています。
営業時間:9:00~17:00(~21:00土日)
大学池-「軽 魔法ハーブカフェ」 2F
コーヒーやスイーツを提供しています。
営業時間:9:00~17:00(~21:00土日)
竹の橋
大学池には孟宗竹で作った弓形の橋がかかっていて、なかなか絵になる風情です。
池の周辺に植えられたアメリカ産の落羽松や二葉松が更なる美しさを添えているようです。橋の重量は10人まで。ぎしっぎしっと歩くたびに音がします。後から知ったのですが、大学池の水深は10m。天然の湿地帯を池にしたそうですが、結構深いですね。モスグリーン色の池は、底の底まで植物なんでしょうか・・・。池付近には鳥類も多く棲息しているそうで、そこかしこから様々な鳥の声が聞こえてきます。ホーホケキョって、何回も響き渡っていました。
これが木屑歩道
さて、戻りは、大学池林道(木屑歩道)を歩きます。
こちらは車両も通れる道なので広いです。「渓頭森林遊楽区」のWEBサイトには、各歩道の材質紹介がありました。面白いので、添付してみます。「洗石子」は、セメントや石の粉、細かい石などを混ぜて一枚の石のように見せるタイルのことです。
大学池林道(木屑、木屑棧道)、大学池歩道(洗石子、吊橋)、沿溪歩道(花崗石石板)、神木歩道(石板、コンクリート)、幽靜歩道(碎石)、觀景歩道(洗石子、木屑)、森林浴歩道(泥、石板、花崗石)、銀杏林歩道(花崗石、洗石子)、鳥鑑賞歩道(花崗石、石板、吊橋)、登山歩道(花崗石、石板)、巨石歩道(石板)、南嶺線歩道(花崗石、石板)、堤頂歩道(石板)。
日本との深いつながり
金平亮三記念樹という太くてすっと高く伸びた木の横に、説明書きがありました。
金平亮三(1882~ 1948)氏は、岡山県出身の植物学者であり、林学者。東京帝国大学を卒業して、1910年台湾総督府技師として来台。1912年台湾樹木解剖学を研究し始め、林業博士を取得。1917年には台湾樹木の分類作業を行い、台湾樹木誌の初版を発行しました。1928年に帰国し、九州帝国大学教授となり、フィリピン、ニューギニアなどでも植物や森林資源の調査を行いました。1933年と1935年に2度来台し、資料を収集した後、台湾樹木誌2版目を発行。その後著書「南洋群島植物誌」で日本農学賞を受賞とあります。
ナビの目が留まったのは、台湾にいた当時、林業試験所の部長かつ台北植物園の園長を勤めていたという一行。植物園には先だって行ったばかりだったので、非常に興味深かったです。
区内には金平氏就任時に栽稙されたであろう柳杉の密生林もあります。
こちらは1943年
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このように各所に植物の説明書きも詳しく紹介されています
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杉が多いです
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高い!台湾杉!
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歩くコースは人それぞれ
ここは、飲み物や軽食などももっていくと、ゆっくり1日楽しめるところです。
「渓頭森林遊楽区」のWEBサイトには、各名所までの目安時間なども掲載されていて、ナビが行った大学池は、医療施設などがある事務所から片道約20分とかかれていますが、これは健脚でわき目も振らず一心不乱に歩いた場合の可能性かと…。写真を撮ったり、ゆっくり気ままに歩いていると、30分はかかります。
事務所から神木林道、植物進化探索区、イチョウ林、巨石も同じ方向ですね。入口で、園区内のMAPをもらって歩いてみてください。一箇所に行くと、そこからまた違う箇所へ繋いでいくことができますよ。
自分のペースで、渓頭の自然を満喫しながら、楽しんでください!
お茶屋さんなら、区外にたっくさん並んでいます
「渓頭自然教育園区」内ショップでは、凍頂ウーロン茶、梅漬け、各種書籍(竹類、鳥類、渓頭でよく見られる植物等)、特産品、商品などを販売しています。
営業時間:9:00~17:00(~21:00土日)
杉林渓産のウーロン茶をお探しなら、区外ショップの方へも行ってみてください。
「台湾好行」バスは、入口の大型駐車場に停まります
渓頭までは、なかなか行きにくいと思っている方。
「台湾好行」バスも路線上にあります。高鉄「台中」駅から約1時間半。
近づくにつれどんどん空気が澄んできて、ワクワクしてきますよ。
以上、台北ナビでした。