馬祖の魅力がギュっと詰った馬祖最大の島、南竿!媽祖伝説を感じることもできました。
こんにちは、台北ナビです。
今回は馬祖最大の島、南竿に来ています。台北から飛行機で約50分!なんて近いのだろうと思っていたら、天気が良ければ中国大陸が見えるくらい中国からの方が近いのです。地理的条件からも中国福州の影響を強く受け、福州語を話す人が多いです。そのため台湾本島に住む台湾人の方にも何を言っているのかわからないとか……。
台湾本島では味わうことのできない文化を体験しましょう!
南竿へは台北(1日6~8便)か台中(一日1便)から飛行機に乗りましょう。また「台馬之星」と呼ばれる船に乗れば、基隆から直接南竿の福澳港に到着する便もあります(8時間)。島外への移動も船便が充実しており、馬祖観光の拠点となるでしょう。また、島内のアクセスは台北の悠遊カードも使用できるバスが山線・海線と2線走っていますが、慣れるまで少し時間がかかるので、タクシー乗車かバイクを借りるのが無難かもしれません。
媽祖伝説はたしかに存在する!
吸い込まれそうになる媽祖様の表情
媽祖様は宋代に実在した官吏の娘、黙娘が神となったものであると言われており、ある日行方不明となったお父さんを探しに船を出し遭難。その後ここ馬祖の南竿に遺体が打ち上げられたという伝説があり、馬祖という地名の由来にもなっているんです。
その媽祖様が眠ると言われている「馬祖天后宮」。荘厳な構えに精巧な装飾の数々。しかし派手すぎることなく、神聖な力が宿っていそうな外観。中に入ると空気が違いました。日頃大きな声で話す台湾の方々もここに入ると途端に小声になっていました。祀ってある媽祖様を見るととてもおだやかな優しい表情。ここに来て初めて媽祖様はここに眠っている!そう感じました。
靈穴
この靈穴(御石棺)に媽祖様が眠ると言われています。
その昔、ほかの廟などのようにここも色付けしようとしていたのですが、何度色付けをしてもなぜか色をつけることができませんでした。そこで媽祖様に三日月形の赤い木(ポエ)を床に投げてお伺いをたてたところ、色を塗らず、そのままの色を保った方がいいと言ったそうで、それ以来色付けをすることはなくなったと伝えられています。
媽祖巨神像
もうひとつ訪れて欲しい場所、それはとっても巨大な媽祖像!
南竿の街を歩いていると目に飛び込んできます。この媽祖巨神像は10年以上の歳月をかけ、2009年10月に完成しました。高さは28.8mもあり、世界で一番のっぽの媽祖像です。この像には365個の石が使用され、毎日無事に暮らせますようにとの願いが込められているそうです。
また、媽祖巨神像が見つめているのは故郷媚州!「馬祖天后宮」を訪れた後にここを訪れると、南竿の方々の媽祖様への思いが伝わってきます。
この看板の通りに歩いて行きます!
|
|
この看板の反対方向に歩いて行きます。くれぐれもご注意を!
|
南竿の旅遊服務中心(トラベルインフォメーションセンター)の近くに北海坑道はあります。
ここでかつて北海坑道を掘っていた方に偶然出会いました。坑道を掘っている時に、ダイナマイトを爆発させるほか、人力で掘り進めていったそうで、目の前で何人もの方の足や手が吹っ飛ばされ、命を落とした方も大勢いたそうです。そのため、掘っている期間は肉を食べる気力もなく、昼夜問わずただただ毎日8時間3交代制で掘り続けていたそうです。
北海坑道は高さ18m、幅10m、長さ640mにも及びます。もともと掘るのに10年を予定していましたが、早くこの過酷な状況から抜け出したい!と3年弱でこんなにも大型な坑道を掘ってしまったのだとか。それなのに、一度も実際に戦争用に使われたことはなく、観光に来てくれる人のために掘ったようなものだよ!と語っておられました。
でも、こうして語ることができるようになったのもここ最近のことらしく、以前は口に出すこともできなかったとか……。
南竿の北海坑道は「井」の字型になっており、歩いて回ると30分ほどかかります。人口で掘ったとは思えないほどの完成度で、わぁとため息がもれてしまいます。が、時折風が吹き込むのですが、これがどうにも泣き声のようにも聞こえてしまい色々な思いがこみ上げてきました。また井の字型の構造上反響音がとても大きく、この音の中で熊手、スコップ、鍬のなどの工具を使い、花崗岩を掘っていたのかと思うと、どれだけ過酷な状況の中での作業だったのかが想像できます。
また、2011年5月より、南竿北海坑道にて木舟(搖櫓)やカヌーに乗ることができるようになります!ナビも木舟乗りを体験してみました。この日はちょうど兵士さんたちも遊びに来ていたので一緒に木舟に乗りました。船頭さんが器用に舟を操りながら、軽快にトークを飛ばします。なかなか楽しかったです!是非!
【運転時間】
9:00~17:00、(夜間)19:00~21:00(要予約。15人以上の参加~)
【料金】
カヌー 350元、木舟 150元
大漢據點
大漢據點
北海坑道から歩いて5分ほどのところにある大漢據點。ここは1975年に完成しました。
3層に分かれていることが大きな見所です。ここもダイナマイトの他は手で掘られていきました。道を進んで行くと蒋介石の写真などが飾られており、もっと進んで行くと大砲がありました。坑道よりも殺伐とした雰囲気がして、ナビはちょっと怖かったです。
8:00~17:00入場可能
入口の天井には青天白日のマークが!
|
|
青天白日満地紅旗と蒋介石
|
DIYに挑戦!
今台湾は空前のDIYブーム。もちろん南竿にもありました。もともとはパイナップルケーキ作りに挑戦したかったのですが、DIY場所である「林義和工坊」に到着するのが遅かったため、急遽老酒DIYに挑戦することになりました!
馬祖の人たちにとって老酒とは生活に欠かせない物らしく、毎日のように飲んでいるのだとか。馬祖出身の方が出産した後、赤ちゃんがミルクを飲む以外は眠ったままだったそうです。理由が全くわからなかったのですが、後日お母さんが老酒を毎日飲んでいたので、赤ちゃんが酔っ払っていてずっと寝ていたままだったということがわかったという逸話もあるそうです。また、月に1度来る女性特有の病気にも老酒は効果があるそうです。
早速老酒を作っていきましょう!
準備するもの
① もち米500g(台湾のもち米は細いのですが、馬祖は丸いそうです!これがおいしさの秘密!)すでにお店の方が用意してくれています
②浄水600cc
③乾燥した紅麹50g
④少しの白麹
まずは瓶の中に②の浄水をすべて注ぎます。その後③と④も瓶に入れます。最後に①のもち米を入れるだけ!蓋は完全に密閉する必要はないそうで、持ち運びが大変なので、馬祖に古くから伝わる紐の結び方を用いて瓶に取っ手をつけます。これが一苦労!!この2日後から3~4日に一度撹拌させれば1カ月後老酒が完成!ナビの老酒はまだ完成していませんが、今からどんなお味になるのか楽しみです!でも、これを日本に持って帰るのはちょっと困難かもしれません。在台の方は是非試してみてください。
昔ながらの様式が残る鐵板天后宮
トラベルインフォメーションセンターと鐵堡の真ん中あたりにあるのが、鐵板天后宮。
「封火山牆」と呼ばれる伝統的な様式が残されています。「封火山牆」とは、以前建物の密度が高いためひとたび火事が発生すると火が瞬く間に広がったそうで、それを防ぐためにこの様式が採用されていたんだとか。
馬祖の廟の多くはこの「封火山牆」様式が多いので、ほかの廟に行った時も屋根をチェックしてみてくださいね!
廟の中には様々な神様がまつられ、古いながらもひとつひとつ凝った細工はじっくり見る価値があります。
天気が良ければ中国大陸も見える。台湾で最新の軍事資料館・馬祖雲台山軍情館
南竿一高い山・雲台山(標高248m)にある馬祖雲台山軍情館には、中国大陸の共産党軍の動態を理解するため集めた資料を展示してあります。中国大陸の方は入場を許されていないほどの場所で、こちらへ入るにはパスポートが必要ですのでお忘れなく!
まず館内に入ると右側の部屋に通され、兵士さん自ら馬祖と中国大陸との位置関係を説明してくれました。また、現在は軍事的なことよりも漁の場所で争いが起こるそうで、台湾の領域に近付いてきた中国大陸の船を威嚇することもあるそうです。
この部屋を出ると中国大陸の武器だけでなく、文化などの情報も展示されていました。
この部屋で模型を見ながら位置確認!
|
|
ここから見えるほとんどの船は中国大陸のものだとか・・・近すぎる・・
|
今も現役の大砲を真近で!大砲連營區
ここには口径24cm、27400kg、射程距離は23090m(台北から桃園を狙える距離)という大砲が展示されており、今現在も現役としていつでも発射できる準備ができています。その大きさに驚くとともに、これを公開しているのも驚き!
この大砲が置かれている後は写真撮影は不可ですのでお気を付けください。
景色抜群の日光海岸
ナビは南竿に2001年にできた日光海岸に宿泊しました。スタイリッシュなデザインにここが馬祖だということを忘れてしまいそうになります。
ここの売りは何と言ってもその絶景!東に向かって海に沿って建てられているので、天気が良ければ海から昇る太陽を部屋のベランダから拝めます。また、こちらの朝食のお粥はとてもおいしく、おかわりしてしまいました。
日光海岸
馬祖南竿鄉仁愛村6号
(08)362-6666(9)
ミニギリシャ・牛角村で南竿のお料理をいただきました!
北竿にある「芹壁村」をミニチュアにしたようなそんな街・牛角村。昔の街並みを保存しており、民宿やカフェ、レストランなどを開いていました。この街並みを「戦場の九份」だという人もいれば「地中海地方の小さな村」のよう!と一緒に行ったメンバーは口ぐちに言っていました。
その昔天秤棒で荷物を担ぐ際角を曲がる時に建物に当たってしまうことがあったそう。それを防ぐためにここでは角が丸くなっています
|
|
排水用の溝
|
ここにある「依媽的店」は雑誌などでも紹介される人気のお店。ナビはこちらで馬祖料理をいただきました。こちらのお店の特徴は昔ながらの家の中で馬祖名物の老酒と紅糟料理をいただけること!
ナビは馬祖に来て以来、紅糟料理にハマってしまいました。紅糟とは紅麴から作られる老酒の製造過程で出てくる搾りかすのことで、馬祖の料理にはこの紅糟が欠かせません。紅糟をチャーハンに混ぜれば国が深まり、てんぷらの衣に混ぜれば風味が増し、サックリと揚がります。
紅糟を混ぜるだけでお料理のレベルとおいしさがUP!新たな発見でした。
老酒でゆで上げたエビ。老酒の味がとても染み込んでいました
|
|
スズキ科に属するニベのから揚げ。衣に紅糟が使われサクサク!おいし~
|
紅麹で揚げているだけでサクサク!!ライムをプラスすることで爽やかな味に!
|
|
馬祖定番のチャーハン
|
依媽的店
馬祖南竿復興村72-1号
(08)362-6125(FAX兼用)/(09)1226-1414(携帯電話)
南竿名物魚麺
馬祖のお土産屋さん鐵板小館におじゃましました。ナビが訪れた時にちょうど魚麺を作っていたのでその工程を見せていただきました。
原料となる海鰻を細かくし、紅糟を混ぜハンバーグのような形にします。紅糟をプラスするのはこちらのオリジナル!
その後,、瓶で広げて、ホットプレートで蓋をして焼きます。最後に網の上に並べ、外で乾燥させて包丁で切ると、魚麺の出来上がり!
すべて手作業で作られているなんてビックリ!ナビの同行者は3パックお買い上げしていました。
鐵板小館
馬祖南竿郷仁愛村46号
(09)2806-1719/(08)362-5377/(08)362-5369