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国立故宮博物院の敷地内にある中国庭園。故宮入場券半券をお持ちの方は、無料で観覧できます。

こんにちは、台北ナビです。今日は、「至善園」にやってきました。「国立故宮博物院」といえば、世界各地から多くの人々が訪れる台湾観光の名所中の名所ですが、「至善園」はその故宮の中に併設されている中国庭園です。「至善園」の入口は、2つ。1つ目は展示エリア1階に続く外階段のすぐ横にある入口で、自動ゲートに20元投函してから入園します。もう1箇所は、故宮正面門のすぐ右手にある正門。こちらにはスタッフが常駐しているので、故宮入場券の半券または再入館証明のスタンプを見せると無料で入園できます。また、正門横にあるミュージアムショップ「至善廳」では、故宮グッズや飲み物、お菓子の購入もできますよ。

「至善園」―水墨画の世界―

中国の伝統的な造園技術を用いて、宋代の庭園が再現されている「至善園」。5687坪の広さの敷地には、さながら水墨画のような景観が広がっています。そんな「至善園」のみどころを、いくつかご紹介しましょう。

至善園正門
「至善園」の正門です。トウヒと呼ばれる、海抜1500~2500メートルに分布するエゾマツの変種で造られています。門の両脇に置かれた獅子の石像が、お客様をお出迎え。
洗筆池
「至善園」にはいくつか池がありますが、こちらは正門に最も近い位置にあります。
洗筆池という名は、後漢の書家・張芝(ちょう し)はいつも、自宅の池に臨みながら手習いに励んでいました。張芝が筆の墨をその水で洗うため、池は常に真っ黒に染まっていた、という逸話から来ています。
龍池
洗筆池に続く池。池には、水の神・「蛟(ミズチ)」(伝説上の龍の一種)の彫刻が置かれています。



碧橋渓の園亭
南宋の書家・呉琚(ご きょ)が詠んだ「橋畔垂楊下碧溪」に基づいて名づけられた園亭です。中には木製の腰掛が置かれていて、ゆっくり休むことができます。ナビの取材時には、2名のお年寄りがおしゃべりに興じていました。
松風閣
2階建ての楼閣。1階ではベンチに座って休むことができ、2階のテラスからは庭園全体の景色を眺めることができます。その眺望は、まさに水墨画!
「羲之書換籠鵝」の像
書道史上最も優れた書家で、「書聖」とも称される王羲之(おう ぎし)の逸話―ガチョウ好きだった王羲之が、自分の書と引き換えにガチョウを手に入れた―に基づいて造られた像です。写真の一番左から、ガチョウ飼いの道士、王羲之、王羲之の弟子の像です。
「『羲之書換籠鵝』の像」がある場所から右奥に進むと、以下の2スポットがあります。
流觴曲水
古代中国の陰暦3月3日には、曲水の宴が開かれていました。曲水(折れ曲がる流れ)に杯を流し、杯が自分の前を過ぎないうちに詩を作って杯を取り、酒を飲み干す、という風流な遊びです。

蘭亭
浙江省紹興県の南西、蘭渚にあった亭にて曲水の宴が開かれました。王羲之はこのときの詩集に序を作り、「蘭亭集序」として知られています。

木々と花々

緑豊かなところも、「至善園」のみどころのひとつ。園内に足を踏み入れた瞬間から、さまざまな植物に出会えます。
桂花
日本ではキンモクセイとしておなじみです。
桂竹
「マダケ」と似ていますが、若い棹が白い粉を帯びます。別名「タイワンマダケ(台湾真竹)」とも。
櫻花
こんなところに桜が!ナビ取材時は1、2輪しか咲いていませんでしたが、あと数日もすれば満開になることでしょう。
雲南黄馨
中国雲南省原産のジャスミンです。
武竹
南アフリカ原産のユリ科の植物。日本名は「スギノハカズラ」です。
垂柳
風情溢れるシダレヤナギ。日本では「柳といえば幽霊」と連想されることが多いですが、台湾ではどうなのでしょうか…。
王蘭
「刺葉王蘭」とも呼ばれるリュウゼツラン科の植物です。
日本でもおなじみのツツジです。まだつぼみがたくさんあったので、これからが見ごろでしょうか。
青楓
幼樹の時に幹が青いことから、「青楓」と名付けられました。台湾固有種です。

榕樹
日本では「ガジュマル」として知られています。とても神秘的です。
台湾肖楠
日本名「ショウナンボク」。台湾固有種で、北部、中部の山地に自生しています。
山茶
日本の「ツバキ」です。なお、台湾では「椿」は別の植物を指します。
大王椰子
南国の象徴、大王椰子です。とても立派に育っています!

動物とも遊べます

意外にも、「至善園」には動物もいるんです。
池の鯉
先ほどご紹介した池には、大量の鯉が!!
この鯉たちと戯れたいときは、鯉のえさ(1箱10元)を自動販売機で購入しましょう。 この鯉たちと戯れたいときは、鯉のえさ(1箱10元)を自動販売機で購入しましょう。

この鯉たちと戯れたいときは、鯉のえさ(1箱10元)を自動販売機で購入しましょう。

えさを池に投げ入れた瞬間、池中の鯉が集まってきます。 えさを池に投げ入れた瞬間、池中の鯉が集まってきます。

えさを池に投げ入れた瞬間、池中の鯉が集まってきます。

カラフルな鯉から真っ黒な鯉まで、えさ目がけてまっしぐら!

カラフルな鯉から真っ黒な鯉まで、えさ目がけてまっしぐら!

「何を食べたら、こんなに大きくなるのか?」と疑問に思うほど、巨大な鯉が数匹。

「何を食べたら、こんなに大きくなるのか?」と疑問に思うほど、巨大な鯉が数匹。

10元でかなり楽しめます。(専用のえさ以外は、絶対に与えないでください。)
池の鳥

取材時、ちょうど映画の「黒鳥」が話題だったため、「こんなところに黒鳥が!」と興奮したナビたち。
白鳥と見せかけて、アヒルもいます。
カモもいます。
籠のなかの鳥
庭園の片隅に、怪しげな小屋を発見。中をのぞいてみると、そこには色々な鳥たちが!
高貴な姿の孔雀。漢代以降の皇帝が孔雀を好んだことから、故宮でも孔雀を飼っているのだそうです。
孔雀のえさをもらいに、たくさんのスズメが小屋のなかにやってきていました。孔雀は特に気にしていない様子。
ある意味、孔雀よりもナビが気になったのは、こちらの鳥。魔女と一緒に悪さでもしていそうな、色と顔つきをしています。奥には、庶民的なアヒルやニワトリもいます。

番外編「至徳園」

故宮博物院には「至善園」のほか、年中無料開放されている庭園「至徳園」もあります。時間に余裕がある方は、こちらにも足を運んでみてください。

ゆったりとした時間が流れる「至善園」。比較的コンパクトな庭園なので、博物院観覧の合間や観覧後の一休みするにぴったりだと思います。開園時間が8:30~と朝が早いので、早朝の観光スポットとして立ち寄るのもよさそう。故宮に来る予定の方は、ぜひ「至善園」で優雅なひとときをお過ごしください。以上、台北ナビでした。

記事登録日:2011-03-23

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2011-03-23

スポット更新日:2014-09-27

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