赤レンガの華麗さが目にしみる、新しくも懐かしい客家の街。台北駅から約45分と日帰りできる台北郊外の観光スポットです。
こんにちは、台北ナビです。
台北から鉄道にゆらりゆられて、約40分。新北市と桃園市の境にあるこの小さくて美しい町は「三峡」と呼ばれ、昔から商業の街として栄えてきました。今でも美しい姿を残す赤レンガの町並みに、好奇の目できらきら光り輝く旅行客の姿が踊ります。
電車に乗っていこう
一人鶯歌まで片道31元
三峡に行くには、電車とタクシー(もしくはバス)を組み合わせていかなければなりません。台湾初心者にとっては、ほぼ半日を使っての観光と思ったほうがいいでしょう。ナビが三峡を訪れたこの日、外は快晴、日差しが強く、ナビたちはUVクリームを塗り、帽子と日傘常備で台鉄の列車に乗り込みました。三峡最寄りの鶯歌駅まで、ナビたちは鈍行列車(区間列車)を使っていったのですが、どんどんと街を離れるにつれて、何も無いだだっ広い平地が広がり始めます。日本なら、線路沿いは企業の大きな広告ばかりで、風景をみるといったこともままなりませんが、台湾はそういうことも無く、ナビたちは窓の外の風景を眺めながらぶらりと旅に出ました。
途中から川沿いを走り始める電車。川向こうからは、マンションがずらりとナビたちを見つめていました。
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まるでおもちゃ箱みたいな鶯歌駅。ここからは15分に一本感覚で、三峡行きのバスが出ています。もし、待つのが億劫なら、300元ぐらいだしてタクシーに乗るのも良いでしょう。
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バスはこんな小さな感じです。
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タクシーがいたらラッキー。いなければ駅のスタッフにお願いしましょう。
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ナビたちはタクシーでこの老街の入り口まできました。ちょうど警察署がストリートの入り口にあるのですが、警察署までも、あでやかに赤レンガ風にデザインされているのに、この街を守ろうとする地域住民の熱い思いを感じました。
ここ三峡は、かつて客家人が初期に台湾定住を始めた場所といわれています。淡水につながる小さな河が三本連なり、三角州を作っていた場所が、かつての三峡の商店街で、この地では、かつて、樟脳・布(染色技術が発達していた)木材・お茶などが船を使って台北まで運ばれていました。日本時代には、この老街の中央には線路が引かれ、物資を運ぶトロッコが走ったこともあったんだそう。これらの物資は戦前非常に高価なものとして扱われていたため、高値で売れ、この三峡老街は富裕層の町として発展したのでした。
両側に整然と並ぶ風情ある赤レンガのストリートは、日本統治時代に完成したといわれています。当時の赤レンガはほとんどが日本から運ばれたもので、さらにこのような立派な石造りの建物を造るには最新技術と莫大なお金がかかったのです。ですから、このストリートを歩いていると、気分はさながら「貿易商の貴婦人」といったところでしょうか。建物の外観はイギリス風のバロック式ですが、建物自体の構造は日本家屋風のところが多くありました。たいていの古いお店は、外見は洋式ですが、中に入ると木造の梁なんかがよく見えて和洋折衷(!?)なんて感じもしなくも無いです。しかしお店によっては、わざわざイギリスから専門のデザイナーを呼んで建物の設計をしたところもあるんだとか。
当時特に勢いを見せていた産業は、藍染産業でした。そのため、この老街のお店の入り口上には、『染』と書かれた石の表札を沢山かかげています。まず中央に店主の名前や屋号がそしてその両端には、お店で売っているものなどが書かれています。そのほかにも看板にはいろいろなスタイルがあります。たとえば、朝鮮人参を取り扱っているところは、朝鮮人参の彫刻がしてあったり、下から屋根まで石造りのバロック式の飾りが施してある建物もありました。でも、実際に売っているものと看板は違いますよ~ちなみに朝鮮人参の看板の下ではおばあちゃんが手作りの砂糖漬けフルーツを売っていましたよ。
日本統治時代にできたストリートといっても、成立から100年を越える頃には、どんな建物も確かにぼろが出てきます。そのため、2007年にこのストリートは政府によって大規模な修復がおこなわれました。
美しく修復されたメイン通りは、いまや人々の視線を一目に集める観光地になりましたが、一歩中に入ると、庶民の生活と、建物の修復の有無を感じることができました。裏道にもずらっとレンガの壁が続くのですが、メイン通りのような華やかな壁ではなく、台湾の一般のレンガの壁、レンガをセメントでくっつけたような壁です。ふと足元を見ると、ボウルの中にナビは野いちごや赤唐辛子がいっぱい入って日に干されているのを発見。不思議なことに小鳥も虫も何も食べに来ないんですね、のどかな光景です。そして裏から見るとよくわかるのが、どのお店が、もともとの姿を残しているのかということ。新しく改築された家は、裏から見ても、立派な三階建てのビルなどになっていますが、一階の平屋建ての家なんかは、悪く言えばボロボロですが、田舎特有のひなびた感じが、観光地らしくてナビは心がほころびます。
唐辛子を干しているところもあれば
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犬も干されるのどかな情景?
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現在はすっかり観光地となってしまい、いろいろなお土産やさんが軒を連ねているこの老街ですが、「クロワッサン(金牛角)」が沢山売られていることに気がつくでしょう。
「なぜクロワッサン?」と思うのですが、ナビは詳しいその所以を知りません。・・・台湾の人は牛を大切にするからかな??・・・なんて一人で思案ながらも、まず一つ買ってみました。
ん?意外に硬いぞ!?日本のクロワッサンといえば、さくさくのパイ生地のようなものですが、この地域のクロワッサンは、硬く、いかにも「角」らしくありました。ちょっとバターの香りが強く、バター嫌いのナビとしてはNGだったのですが、バター好きの別ナビはおいしくいただいていました。たいていどこのお店も6-10種類ぐらいのクロワッサンを売っています。チョコレート・バニラ・ストロベリー・抹茶・クリーム入りなどなど。お土産にぴったりですね。大体一つ20元ぐらいです。
メインストリートはもちろん他のお土産雑貨類も沢山取り扱われています。左右に広がるお土産やさんに多くあるのは、クロワッサンのほかに、伝統の布を使った商品を扱うお土産やさん、そのほか台湾に昔から伝わる伝統的お菓子の販売、陶器を扱うお店(近くが陶器の町鶯歌だからでしょうか)などがよく目に付きました。
葱飴のパフォーマンス。
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おぉ!?どんな雑貨が売ってるのかな?
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お店を抜けて裏庭に出ると、するとそこには、まるで遺跡のような壁がずっしりと聳え立っています。そしてその廃墟の壁に果敢と寄生するガジュマルの葉っぱが非常に印象的です。このままそのままにしておくと、あっという間にガジュマルにあのコンクリートの壁が食べられてしまいそうなのです。日本には、このような寄生植物があまり無いので、ナビも初めて台湾でこの植物を見たときには、ちょっとショックで、「植物は生きている」事を肌で感じたものです。熱帯植物のエネルギーをの強さを思い知らされます。かつての豪邸も、このように100年たてば、植物に飲み込まれてしまう、そのはかなさを、午後のお茶と共に太陽の下で味わいたいものです。台北ナビでした。
今はバス利用も便利です!公式ホームページより行き方をチェックしてみてください