馬祖最後の3日目、この景色を見るために、また来ます!
3日目
こんにちは、台北ナビです。
朝ごはんはおいしい中華でした。紫芋のお粥がおいしくて、お粥も小皿のおかずもおかわりができたので、皆2杯は食べていましたね。窓の外は朝の澄み切った海…宿泊した「日光海岸」からの朝焼けは何とも言えないくらい美しく、早朝外に出て深呼吸をすると、冷たい海の空気が体中の隅々まで浸透していくようで、すがすがしい気分になりました。
岩の中のホテル
さて、バスに乗って鳥の観察へ向かいました。今日の午前中は東莒小学校の李校長先生が案内をしてくれます。野鳥の研究では有名な先生で、台湾の「野鳥の会」も会員が多いそうですよ。鳥の観察にはもってこいのダムに着きました。空中で本当に全く動かず、数分間浮遊しているカラスのような鳥も見えました。ダムの向こうの方には「勝利山荘」があり、ここは歴代の総統や軍事関係者が会議、宿泊したところです。軍や国の最高機密がここで話し合われるということです。一般の人たちはロビーより奥へは入っていけません。それにしても岩を掘って作られたというだけあって、外観がものものしいですね。
一般人は入ることができない「勝利山荘」
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馬祖には変わった植物もありますね
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ここは馬祖を知るにはぜひ行っておきたいところの一つです。馬祖の起こりだけではなく、台湾とは全く異なった文化が館内では紹介されています。ナビが興味深く感じたのは、馬祖の人たちの一生。結婚式も、葬式も見たことのない様式です。言語のエリアでは、福州語が学校で教えられているのを知りました。台湾本土の子供たちも台北に住むと台湾語が話せなくて、学校で特に習ったりしますが、ここ馬祖でも中年以上の人たちが日常語としている福州語を外国語のごとく教えないと、話せない子供たちが増えているそうです。福州語が話せる=馬祖出身であることの誇りなんですね。
食器や装飾品の展示コーナーにも目を引かれました。漁業が盛んということは、他の国の文化も入ってきやすい環境にあるということで、この馬祖は特に中国の豊かな文化が流れてきているように感じました。気候も厳しい中にありながら、食や物資の面では満たされているので、人々の生活はいたって平静。また、同じ連江県の中にあっても馬祖は金門と違い、中国からの直接の攻撃は受けていません。中国大陸に一番近いということから、台湾は昔から防備に最大限の力を入れてきたので、人々は危険な地帯で生活しつつも十分保護されてきたわけです。落ち着けるということは精神的なゆとりにつながりますよね。ナビ個人の感覚ですが、馬祖は澎湖島よりもいろんな面で豊かな印象を受けました。
またしても、ここ数年、開放されていなかった場所を見学することができました。大きいですね、この大砲は。現在も作動が可能だそうです。どこまで打てるのですか?と聞くと、対岸の国までとのこと。でもこんな窪まったところからどうやって打つんですか?という質問には、いざとなったら、周囲の木々を全部切り倒し、先端を持ち上げるとOKなんだそうです。ものすごい威力だそうですよ…使用される日が来ないことを願います。
今でも使用可能な弾頭
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昔はここに隠されていました、当時この場所から発射テストをしたら、この内部で大爆発が起こり、多くの兵士が亡くなったそうです
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高台から望む
多くの船が行き来する南竿の福澳港が一望に見渡せる高台にやってきました。
ここからは中国大陸も見えます。高台に位置する「馬祖雲台山軍情館」は、常に2、3人の兵士たちによって守られて、昔は(今も?)、中国からの怪しい船をキャッチするには一番のところです。ここでは撮影を禁止されたので、何も撮れませんでしたが、小さな展示会館もありました。戦争平和博物館の中にあったような、中国から打たれてきた空砲弾の中に入っていた宣伝紙などもありましたが、多くが作戦図面のようなものだったのは、戦地の中に入ったような感慨深いものがありました。
1996年、李登輝元総統の時代に中国からミサイルが放たれ、台湾を攻撃するというニュースが台湾全土を震撼させ、裕福な台湾人たちはアメリカや海外へ移住したりしました。校長先生の話しによると、その最初の攻撃目標の地は校長先生が住んでいる隣島の「東莒」だったそうです。発射地は福州の小さな島で、東莒はそこから一番近い距離の台湾。幸い当日は天候が悪く計画は流れましたが、ミサイル弾を受けていたら島全体の人たちの命はなく、私も今ここで皆さんと楽しくお話しもできませんよと、言ってらっしゃいました。
ランチはまたここで
この日は、昨日の昼と同じ繁華街(であったはず)にまた昼ごはんを食べに来ました。「和田屋」というところで、簡単な定食から麺、ご飯類、いろいろあって、県庁で働く公務員たちのランチ場所となっています。
午後は、待ちに待っていたショッピングの時間。が、皆昼を食べ終わって散歩していると、自然とあるおみやげやさんへ集まってしまいました。ここのお酒はずいぶんと安いということです。これから行く馬祖酒廠(コーリャン酒工場)は定価から下げることができないので、ここで買ったほうがいいということになり、食事の時に何種類か飲んできた中で一番おいしかった「東湧陳年高粱酒」をナビも1本買いました。工場は600元ですが、ここは580元。他にもお菓子類などのお土産がいっぱい。お酒を5ダースも買って、送ってもらう手配をした人もいました。
「鴻門特産中心」
住所:馬祖南竿郷馬祖村59号 電話:(08)362-2560
馬祖酒廠
馬祖へ来る人の目的の一つに、おいしいコーリャン酒を買うというのがあります。台湾にはないのかというとあるんですが、関税がかかっています。馬祖までくれば中国のいろんな種類のお酒も手に入ります。老酒好きの人にはたまりませんね。工場{馬祖酒廠}の展示会場には、お酒の容器も馬祖っぽいや中国っぽいものもたくさん。味見もさせてもらいましたが、ここで買った人はいず…。その後、すぐ近くにある「八八坑道」へ向かいました。このトンネルもかつては軍事用に掘られたものですが、今は「八八坑道」のラベルが貼られているお酒の貯蔵庫となっています。案内の人が「一番手前にあるのは20年モノ。一番年数が短いです」と言ったら皆ビックリ。え?20年はまだ短いの?奥へ進むにつれ更に年数を経た酒甕がどんどん現れてきました。またトンネル内の匂いもだんだん強烈になっていき、トンネル内であやうく酔って倒れそうな・・・。奥のほうには大きな樽が並び、下の蛇口から出てくるものはすぐ飲めました。酒好きには何時間もいたくなる宝庫ですね。
海辺の町
最後に向かったのは、「牛角聚落」。またしても海辺の九份の出現です。ところどころに新しい家屋が見えてしまうのは残念ですが、遠くからの全体像はなかなかいい味を出しています。ナビたちはここで降りて、アップダウンの坂道を行きました。崖のところに出現したのは、泉洲の廟。内側に反り返っている屋根と色彩、なんだか可愛い廟ですよ。後方にそびえるのは、福州と泉洲が混じったような造りの廟で、媽祖が祭られていたり・・・ナビと一緒に行った人が、神様の何でもいいとこを取りまとめた廟みたいって言ってました。
廟からでてしばらく行くと「依女麼老店」という有名な馬祖料理が食べられるお店とカフェが。が、どちらも閉まっていました。どうやら夏場は毎日で、それ以外は事前に連絡しておかないと開けてくれないようです。
県庁前の野菜畑
南竿へ来たら、ここに来る人もいます。それは、蓮江県の県庁。とはいっても県庁の中に入るのではなく、その前方に広がるおみやげ街が目当てですが、ここの県庁の前方には巨大な野菜畑が広がっています。民間の人たちが場所を借りて野菜を作っているのですが、荒涼とした馬祖の中にあって、こんな青々とした場所はここだけ。しかもここが南竿唯一の平面地というのにも驚きです。日中は多くの人が野菜の世話で出たり入ったり。入口には「山隴蔬菜公園」と書かれた石碑があります。風向きによっては、肥しのにおいがプーンと漂ってくるのがちょっとたまりませんが、冬場お店やレストランの多くが閉まっている分、ここはいつも人が多くて、馬祖の人はここにいたんだ!と確認できました。
県庁前は大きな野菜畑
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お土産屋さんはお酒がいっぱい
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台北への飛行機は16:30なので、16時ごろ空港へ向かいました。空港内にもお土産やさんはあります。この空港の特徴ですが、軍人さんはチェックインカウンターが別に設けられています。さすが、軍人の県。帰りは皆荷物が多くなって、預け荷物カウンターに並んでいます。酒類は、スーツケースに入らなければ、箱か手持ちにするしかないですね。馬祖へくれば荷物は確実に増えます。台湾にはないものがありすぎますから…。皆さん、お土産用の空間は多めにとっておきましょう。
台北ナビでした。
取材協力:中華鯨豚協會 Taiwan Cetacean Society
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