きめ細かいホテルの設備とサービス、繊細かつエネルギッシュな近代・現代アートの感性に「通じる」ものを感じます
こんにちは、台北ナビです。
最近台湾だけではなく、日本でも香港でも、アジアでも、注目されているのが「美術館ホテル」というカテゴリー。宿泊と同時に、美術品のロマンと美を体で感じることができるわけです。今日ナビが訪れている「怡亨酒店Hotel Eclat」では、特に近現代の美術作品の多くをホテル内に展示し、住みながらに「美」の息吹を感じることができるヨーロッパのようなホテルです。しかし「美術品だけ」がこのホテルのテーマではなく、ホテルの繊細に考えこなされたサービスと設備の数々の中に見え隠れする、「美を追求する精神とパッション」がこのホテルのテーマともいえるでしょう。
さながらプチホテルの雰囲気をかもし出す小さな入口からは、高貴でミステリアスさを漂わせる「紫」の繊細なガラス球が天井全体にダイナミックに彩られていました。この1Fのロビーはフロントとカフェスペースに分かれているのですが、それだけではなく、世界の著名な現代作家たちの作品も所狭しと飾られています。壁に大きく掛けられている絵画は、ナビも見たことがある、中国大陸の画家「賈剛」の作品。さらには、ダリ、Andy Warhol/Jean-Marc Hussなどなど、数々のコレクションがホテルを彩ります。
朝ごはんは美術品に囲まれた1Fカフェで。メニューを見て選択するというオーダー式でした。ナビが訪れた日はちょうど卵料理だったのですが、目玉焼き・オムレツという一般的な卵料理のほかに台湾式の蛋餅もありました。さらには香港式のおかゆもあったので、味見もさせてもらいました。シェフは香港からやってきた、広東料理のシェフだけあって、広東式のお粥や炒麺は、本当に本場にそっくり。香港旅行に行ったときの事を思い出し、お粥もそっくりそのまま食べてしまいました。
もちろんカトラリーも一流ブランドを採用。「このグラスやけに軽くて口当たりがいいなぁ。」と思っていたら、Riedellというブランドのものを使用しているんだとか。
香港式の朝ごはんとってもおいしかった!
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糸引くトロトロチーズオムレツ。
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上質なカトラリー
このホテルでは、一部屋の宿泊客につき、専属のスタッフが3人つくというシステムになっているため、いつも大体同じ人がサービスしてくれます。ナビにはこの方が朝ごはんを準備してくれました。水が無くなったら、すっとお水を足してくれて、コーヒーも良いタイミングで来ました。
お部屋の設備
とてもブルジョワな気分漂う優雅なホテルですが、客室は比較的小ぢんまりとしています。そのぶん、スペースを有効に活用できるような仕組み、そして、最高級のブランドに囲まれた滞在がお約束されています。そのアメニティ設備の数々は、あげ始めたらきりがなく、全ての機能設備を使ってみたいと思うのでしたら、1泊の滞在では物足りないでしょう。
Nespressoのコーヒーマシーン。目覚めの一杯、食後の一杯が必要なのはナビも同じ。朝起きて、コーヒーの香りを嗅がないと、朝起きた気がしないのです。こうやって部屋にコーヒーマシーンがあるのは、コーヒー党のナビとしてポイント高し。更にNespressoはインスタントコーヒーメーカーの中でも特に高級なものを使用しており、最高級といわれる豆から抽出されたエキスを小さなカップに封じ込め、そのうまみを閉じ込めています。わざわざ豆から弾かなくても、あのエスプレッソの味を再現してくれるコーヒーマシーンです。
コーヒーが苦手という方は、ティーパックをご覧下さい。これも高級有機栽培の紅茶なのですが、アメリカの高級ホテルでも採用された、世界各国の高品質茶葉を原料として作られたティーパックです。マイティーリーフと呼ばれています。ティーバック自体も、糊やホッチキスを使わず、体に良いもので作られ、そして何よりもその袋を開けた瞬間に漂う香りに癒されました。ナビは「これは飲むよりも、クローゼットやトイレ掛けておきたいぐらい良い香りだ」と思ったぐらいです。
モンブランのステーショナリー
急がしいビジネスマンにとって見れば、たとえ海外旅行でも、自分の責任、そして、サインはうしろをついて回ります。そんなときでも良い気持ちでお仕事ができるようにという計らいでしょうか、ステーショナリーの殿堂「モンブラン」が机の上にはそろえられています。お仕事ではなくても、日本の自分に向けてはがきを書いたり、両親や海外の友人にお手紙を書きたくなる気持ちにしてくれますね。
壁にキラリと並べられた数々のグラス。洋酒好きにとってみれば、ありがたい取り計らいでしょう。ちょうどグラスの下にドリンクバーがあるのですが、これら洋酒専用のグラスがこの壁に用意されたグラスです。おいしいものを、よりおいしく嗜むための細かい気遣いもこのホテルは忘れていません。
特に華僑は「投資」を日本人より広く行っているため、朝昼晩と株式の番組を見ることは日常的なのです。投資でなくても、今日のレートや今日のお天気、そして、今日の飛行機便なんかは、忙しいビジネスマンにとっては必須の情報。見た目はとても優雅な客室ですが、その忙しいビジネスマンの要求に沿い、各部屋のテレビで以上の情報を閲覧することができます。デスクの引き出しを開けるとキーボードが出てきますが、これを使えば、ネットサーフィンやちょっとしたメールの処理もできますね。
小さいながらもリッチな浴室
台湾でTOTOのウォシュレットを配置するホテルは、フォースタークラス以上がほとんどです。しかし、このホテルでは「TOTOのウォシュレット」をおくことで満足せず、
TOTOのウォシュレットの最高グレードのものをおくことにこだわりました。
アメニティは全て天然素材のものを使用。歯ブラシなんか、本当に動物の毛を使って作られているんだとか。
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さらに、フェラガモのアメニティが使われています。使うのがもったいない・・・と思うのはナビだけでしょうか。
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客室紹介
Deluxe Single Room(デラックスシングルルーム/豪華客房・大床)
コンパクトにまとまったお部屋。大きなスーツケースで来るとちょっと狭さを感じてしまうかもしれませんが、上で紹介したとおり、少ない荷物でも快適に過ごせるつくりとなっていますので、いっそのこと、バッグ一つで身軽に宿泊されることをオススメします。
Deluxe Twin Room(デラックスツインルーム/豪華客房・雙人床)
ブラウンのベッドは特別に冬用のブランケットを上から掛けてもらっています。お部屋の大きさは上のデラックスと同じく8坪。女性のご友人どうし、母と娘の旅行などでお使いいただきたいです。
Premier9 Room(プレミア9ルーム/尊榮「九號」客房)
ジュニアスイートクラスのお部屋です。このホテルは日本のホテルにはあまりないつくりをしていて、浴室と寝室が一体型のお風呂です。ホテルの方はぜひカップルやハネムーンの際に使ってほしいとのことでした。とは言いつつ、丸見えは恥ずかしいなぁという方はカーテンをさっと引いてください。
食事もおろそかにしません。 地下「明園」レストラン
香港のある有名ホテルから引き抜かれたオーナーが腕をふるってよみがえる、数々の広東料理。使用される玉のカトラリー・器や、壁をダイナミックに彩るアバンギャルドな色彩の現代絵画たちに囲まれると、自然とこれから出てくる料理への期待が高まります。
台湾と広東は地理的に比較的近いとは言いつつ、やはり台湾で食べる広東料理は台湾風になってしまっているのが正直なところ。でもこのホテルでは本場の味がそのまま表現されているため、もうお昼も夜も予約でいっぱいと、とても人気です。ご利用の際はご予約されたほうが良いでしょう。
明園 営業時間 11:30-14:00 18:00-22:00
BAR
バーは一転、イギリス紳士が現れそうな空間です。約20人が座れば満室といった、プライベート空間漂うバーで、壁を見ると、珍しいビンテージのウィスキーや紹興酒がびっちりと飾られていました。一本一本が非常に高価なもののため、普通はお客様にあけることはせず、主に飾り用として置かれているんだそう。
営業時間17:00-25:00 カクテル一杯300-400元ほど。
ホテル付近
ビジネスビルが立ち並ぶこのエリア、夜になっても酔っ払いが道を歩いたりすることもありませんし、周りの道も比較的きれい。目の前の道路は街路樹が植えてあるのでとても目に優しいのです。MRT「大安」駅までは歩いて約10分弱。飛行場からのアクセスが実際あまりよくないのが難点なので、ご予約の際は、ハイヤーを別途ご予約になったほうが良いでしょう。
この交差点を右に曲がるとすぐMRTの駅です(大安駅)
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目の前の敦化南路は緑がきれいなの。
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実はホテルの裏側には、大きな美術品がビルにくくりつけられて展示されています。
美の真髄に囲まれたこのホテルですが、一見すると見た目のエレガントさに目が行ってしまいがち。しかし、ホテルの内部をよく観察すると、このホテルのポリシーと美術品の関係がよくわかったような気がします。徹底して生活・滞在の細かいところに気を使っている館内設備の工夫・サービスの決め細やかさと、収蔵される美術品のそれぞれが持つ細やかな感性と熱いパッション。なんだかリンクしませんか?
台北ナビでした。