台北で一度は食べたい小籠包!素材の味を生かした、オーナーの思いあふれる料理の数々を楽しめます!
こちらは最初にオープンした基隆路のお店です
こんにちは、台北ナビです。
みなさん台湾へやってきたら食べたいものは何ですか?中にはマニアックな味を求めるリピーターさんもいらっしゃるとは思いますが、やっぱり小籠包は絶対に外せない!という方も多いですよね。そんなご要望にお応えして、今日は小籠包の名店を再び訪ねるべく、台北101近くにある「明月湯包」へとやってきました!
最初は小さな街の小籠包屋さんでした
2001年創業の明月湯包はその名の通り「湯包(小籠包)」が看板料理のお店。基隆路沿いにある20人ほどが座れる小さな店舗からスタートしましたが、自家製小籠包のおいしさが口コミで広がり、2008年にはすぐそばの通化街の路地に支店をオープンするほどの人気店に。
いまでは旅行者の間でもおなじみの有名店となりました。
通化街の支店は座席がたくさん。それでも食事時はいつも満員です〜
台湾在住の日本人の間で「おいしい小籠包がある」とじわじわ評判をあげていた明月が日本で一気に有名になったのは、2010~2011年頃、お茶の間で人気だった「花嫁のれん」というお昼のドラマに登場した頃からです。この時リアルタイムでドラマを見ていたナビは当時の衝撃をはっきり覚えています!羽田美智子さん演じる若女将のご主人が台湾で明月の小籠包に出会い、そのおいしさに衝撃を受けてオーナーに弟子入りするというグルメ熱あふれる展開に心躍りました。
初めてお店に行った時、オーナーを見て「おお、この人が小籠包の達人!」と感激したものです。もちろんそのおいしさにもダブルで感激!
お店の歴史を感じさせる記事が飾られています
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いつ行ってもお客さんでいっぱい!
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おいしさの秘密をオーナーの経歴に発見!
そんなわけでナビは個人的にも日頃から明月湯包によく行く方で、日本人の友人を連れて行くことも多いんです。観光で台湾に来てくれた友人を連れていくお店には毎回悩むところですが、小籠包をオーダーされたらすぐに明月へ向かいます。小籠包はもちろん、他のどのメニューを食べても日本人の口に合って、ハズレがないっていうのがまたポイント高いんですよね!
どうして何を食べてもおいしいの!?ということで、さっそくオーナーの張明煌さんにお話を伺いました。
張さんは宜蘭出身。実家は「辦桌」という、祝宴などで食事を用意する、今でいうケータリングの仕事をしていたそうです。13歳の頃から家業を手伝うようになり料理の道に進んだ張さんは、15歳にして台北の圓山大飯店で修行を始めます。この時四川料理や浙江料理など、中華料理の基礎をしっかりと学んだそうです。なるほど~!明月湯包の料理がどれも美味なのは、オーナーの料理人としての土台が確かだからなのですね~。
挫折を活かしてゼロから作った信念の味だった!
餃子の皮も一枚一枚手作りしています
順調に料理人としてのキャリアを積み、2000年には自ら投資して台中の晶華酒店にレストランと社員食堂を開きますが、残念ながらこの事業は失敗に終わります。張さんはここでくじけず、なぜ失敗に終わったのかを冷静に追求することで一つの答えに行き当たったそうです。
「
原点に戻って、自分の腕一つで、素材の味を生かした料理を作ろう」
そうして生まれたのが、脂っこくなく、肉の旨みを十分に楽しめる小籠包と数々の絶品料理でした。
今でも休みの日には奥さんとともにグルメ探求の食べ歩きに出かけるという張さん。若いオーナーの創作料理店にも足を運び、新しい料理に出会えば、研究して自分の料理に活かす工夫を続けているそうです。常連さんも多いのでメニュー自体の変更こそ少ないものの、常にこうして努力する姿勢が、おいしさを維持する秘訣なんですね。キラキラした瞳で料理について語る張さんの姿に、ただおいしいと思って食べていた料理にも深い思いがあるのだな~と感動してしまったナビでした。
信念の味、とハードルを上げに上げましたが、明月の小籠包をひとつ食べればきっと大げさではないとわかっていただけるはず!他にもナビおすすめのメニューをご紹介します。
何はなくとも小籠包、というわけで、オーソドックスな豚肉入りの「明月湯包(8個130元)」から。小籠包にも薄皮の繊細なものから小さな肉まんのようなものまでいろいろありますが、繊細な中にも食べ応えがしっかりあるタイプです。皮は薄すぎず、厚すぎず、皮自体もモチモチ。中の餡は味がしっかりついているので、冷めても十分楽しめるほど旨みがつまっています。
たっぷり肉汁の秘訣は、蒸す前に煮凍り状のスープを加えることなんだとか。口の中に入れて噛むとジュワーっと肉汁が飛び出し、口の中がヤケドしそうだけどシアワセ~~!肉の旨みで口の中が満たされて、飲み込んでからもおいしいこの感じ!みなさんが小籠包に求めるすべてがここにあります(断言)!
中の餡が透けるか透けないかくらい。皮の厚さが絶妙!
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一口噛んだら肉汁が飛び出してうまうま〜♪熱いけど一口でいっちゃいましょう!
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ショウガたっぷりで召し上がれ♪
地元の方にはさっぱり味の「蝦仁絲瓜湯包(8粒200元)」(エビとヘチマの小籠包)も人気ですので、お腹に余裕があったらぜひこちらも食べ比べてみてください。また違った小籠包の魅力に出会えるはずですよ。
サイドメニューには定番の空芯菜とチャーハンをどうぞ
台湾ならではの料理を食べるなら、サイドメニューに「付乳炒空芯菜(130元)」(空芯菜の豆腐乳炒め)と「東洋魚蛋炒飯(150元)」(東洋魚の卵チャーハン)はいかがでしょうか。
豆腐乳というのは豆腐を麹と塩に漬けて発酵させたもの。炒め物とはいえ脂っこくなく、独特のマイルドな味わいが魅力です。東洋魚というのは鮭のことです。鮭チャーハンも台湾ではよく食べられるメニュー。肉を使ったものと違ってさっぱり食べられるので、小籠包と一緒に食べてもよく合います。
鮭とレタスでさっぱり炒めたチャーハン
空芯菜の豆腐乳炒めはマイルドな味わい。唐辛子はものすごく辛いので気をつけて!
こんがりきつね色がおいしそう!
パリパリの羽根がついた「招牌鍋貼(130元)」(焼き餃子)と「蔥油餅(50元)」(ネギ入り餅)も人気のメニュー。こんがり焼き付けた羽根の食感がいいのはもちろんですし、カットした時の見栄えもGOOD。各テーブルで1つは注文されている人気メニューでした。
蔥油餅はしっかり塩味が効いていて、薄~く焼いているのに食感はモチモチ。シンプルな料理でもしっかりおいしいところに、オーナーの「素材を活かす」というこだわりが感じられました!
こんな風にカットした状態で出てきます
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一つ一つにパリパリの羽根がついています
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蔥油餅50元。シンプルなのにしっかりおいしい!
麺とセットになっています
台湾式にいただくなら、最後はスープで締めたいところ。
「圓盅燉雞湯(140元)」(ポット入り鶏煮込みスープ)は鶏肉をホロホロに柔らかくなるまで煮込んだ透明スープで、鶏肉や野菜の旨みがこれでもかというほど凝縮された味わいにうならされます。このスープは麺がセットになっていて乾拌麵(スープなし麺)と拌細粉絲(スープ入り細麺)から選べて、コシのある麺とスープを一緒に楽しむと、また格別です!
やっぱり何を食べてもおいしくて、箸が止まらない~。日頃から来ていて、今回は取材だからいつもより多めに食べましたが、それでもまた近々来ようと思えるのだから、やっぱり明月湯包ってすごい!オーナーが素材の味にこだわり絶えず研究を続けているからこそ、いつ食べても最初と同じ感動が味わえるんだとしみじみわかりました。台北を訪れたら、ぜひ一度はこの味を体験してみてほしいと思います!
以上、台北ナビがお届けしました。