黒マグロ100%で作ったおでんのおいしさは格別。生ビールにあいます!
こんにちは、台北ナビです。
台南はグルメの宝庫、街のいたるところにウマいものがあふれています。正興街は海安路や神農街などと共に注目されている観光ストリート。正興街にはオシャレなデザイナーズホテルや雑貨屋、セレクトショップや老舗小吃店が集まっています。今日はその正興街にある老舗の豐發黒輪をご紹介しましょう。黒輪ととは台湾語で「オーレン」と発音し、さつま揚げやちくわなどの魚肉の練り製品を指します。つまりこのお店は手作り練り製品の専門店なのです!
創業70年の歴史ある老舗
店内の壁にはこのお店の歴史が書かれていました。
まずこのお店の歴史からご紹介しましょう。
豐發黒輪は、創業者である蔡水藤さんが1936年に台南の西門路の市場で、「魚漿」と呼ばれる練り製品のもととなる魚のすり身の商売を始めたのが始まりです。その時は魚漿の卸売りを中心に商売をしていたため、市場では製造販売だけを行なっていました。
そして、時代を経て現在の三代目に至り、時代のニーズを受けて経営の方向転換を行なうこととなり、卸売りだけでなく魚漿を使った黒輪の開発販売を始めることになったのです。それが今からおよそ10年ほど前のことだそうです。そして店頭でも客席を作り食堂を開きましたが、それでもなお業務の比率としては、取引先に直接商品を卸す卸売り業務の方が中心でした。
有名人も訪れる人気のお店なんです。
そして2010年頃からこの正興街に変化が現れます。この通りに若きクリエイター達がぞくぞくと新しいお店をオープンし始め、それ以降正興街はグルメ、文化、ファッションの集まるストリートとして注目を浴びるようになり、その恩恵を受けて豐發黒輪のお店にもたくさんのお客さんが訪れるようになったのです。お店の評判は瞬く間に広まり、現在では卸売り業務よりも食堂業務の方が忙しくなったそうです。
毎日、手作りします。
しかしここの黒輪が人気なのは、正興街という立地条件もさることながら、それ以上にこのお店の黒輪のおいしさが人々に認められている、ということが大きな理由でしょう。ではそのおいしさの秘密をご紹介。
使用する魚は屏東県東港や高雄市前鎮で水揚げされた新鮮なマグロ。特に屏東県東港は黒マグロが有名で、日本にもその多くが輸出されているんです。
そして、毎日新鮮なマグロを仕入れて、すぐに黒輪製作に取り掛かります。このお店のモットーは新鮮な黒輪をお客さんに提供するために、「毎日手作り」を徹底しているのだそうです。もちろん素材はマグロ、塩、砂糖、サツマイモ粉のみを使用し、漂白剤、防腐剤などの添加物などは一切使用していません。
また、こちらの黒輪はマグロだけを使用し、それ以外の安価な魚を混ぜたりしていないので、マグロ100%の黒輪は身が詰まっていて、他の魚を混ぜた製品よりもしっかりとした噛みごたえが感じられるそうです。また良質のひまわり油を100%使用して揚げているので油っこくなく、体にもやさしいのだそう。それではさっそくいただいてみましょう!
おすすめメニュー
現做旗魚黑輪(2本45元) (写真右)
このお店の看板料理。オリジナルの手作りさつま揚げ。一口いただいてみると、しっかりとした密度のある歯ごたえが感じられます。また油っぽくなくさらっとしているので、揚げ物が苦手な人も全く心配要りません。実はナビ、練り物製品はあまり得意ではないのですが、ここの黒輪をいただいてびっくり!揚げたてのさつま揚げってこんなにおいしいんだ!と感動してしまいました。からしをつけていただくとよりおいしさが引き立ちますよ。
九層塔黑輪(2本45元) (写真左)
これは、ナビ強力推薦のおすすめメニューです!台湾料理でよく使われる九層塔(台湾バジル)入りの黒輪で、口の中に入れると九層塔の香りが広がり、さつま揚げに良く合うこと!日本のシソは揚げると香りがなくなってしまうけど、九層塔は揚げた後もさわやかな香りが持続するんですね。みなさん、是非店頭にて揚げたてを召し上がってみてください!
甜不二(8個60元)
この甜不二は、なんと!専売特許を取得した製品で、台湾で唯一ここでしか食べられない特別メニューなんです。さつま揚げだけど、さつま揚げじゃないような、おもしろい食感のさつま揚げともいいましょうか。黒サメのすり身を使用し、その中に米を混ぜて成形し揚げています。口に入れると、周りはサクサク!中はふわふわな食感がさつま揚げじゃないみたい~!
軽い食感なので、夜食にもおすすめですよ~。
こんな裏メニューもあります。
次にご紹介するのは店頭のメニューには載っていませんが、宅配や卸売り用に毎日製造している商品です。もしその日製造した分がまだ残っていれば、お店でも食べられるそうなので、「ナビで見たんだけどありますか?」と気軽に聞いてみてください。
起司黒輪
こちらはお子様にも大人気なチーズちくわ。チーズがとろとろ、ちくわはしっかり、とても食べごたえがあります。3時のおやつにもいいかも~。
花枝漁火(イカのさつま揚げ)
イカと魚のすり身の中にイカがころころ入っています。弾力性のある歯ごたえが特徴です。
生ビールがある!
黒輪のおいしさにも感動したナビ。
さつま揚げにはやっぱビールでしょ、とビールをオーダーしようとしたところ、なんと!ここにはジョッキで頂く生ビールがあるじゃありませんか!というのも台湾の食堂には瓶ビールはよくあるのですが、生ビールを置いている所は日本料理の居酒屋以外にはそう多くないんですね。(少なくとも台南南部のお店では・・・)ナビは瓶よりも生ビールが好きなんですが、南部在住ということもあり、普段あまり生ビールにお目にかかることがなく、瓶ビールを飲みながらも何か物足りなさを感じていました。
ここのお店もおそらく他のお店と同じように瓶ビールしかないだろう・・・とあきらめ半分で聞いたところ、なんと!生ビールを置いているというじゃありませんか!しかも、台湾ビールの生です!瓶に入っている「生」ビールもありますが、そうではなく、正真正銘の生ビールです!う~うまい!!黒輪×生ビール、相乗効果で最高にウマイです。旅の疲れも一気に吹っ飛んじゃいました!(85元500cc)
台湾生ビールと甜不二。この組み合わせは台湾でもここでしか味わえません!
多くの賞を受賞
素材にこだわった豐發黒輪の手作りさつま揚げは、今や地元を代表するグルメとなり、専売特許メニューの甜不二は2011年台湾経済部優良食品審査にて優良食品賞を受賞、また2013年には豐發黒輪が台南中西区の代表グルメに選出されました。台南はグルメの激戦地。そんな中で多くの賞を受賞したのはそのおいしさが認められたという証にほかなりません。
期待を裏切らないおいしさを提供する豐發黒輪。正興街散策の際には是非足を運んでみてくださいね。
以上、台北ナビでした。