台湾食材をふんだんに使ったカジュアルフレンチを食べて台湾を知ろう!迪化街にあるビストロです
こんにちは、台北ナビです。
古さと新しさが融合したリノベーションが街全体で進む迪化街。新開発は地図で見ると長い 迪化街ストリートの上の方、上の方、北部界隈へとどんどん拡大しています。
今日はそんな 迪化街北部エリアの新開発エリアで出逢ったステキなフレンチビストロ「 知貳茶館」をご紹介します。
迪化街一段の最北端
迪化街といえば、乾物街に縁結びの神様月下老人が有名ですが、それらへ観光に行くならば、MRT「中山」駅やMRT「雙連」駅からテクテク歩くという人が多いのではないでしょうか?
本日おじゃました「知貳茶館」はさらに北。最寄り駅であるMRT「大橋頭」駅からは徒歩5分ほどの距離になります。観光客でにぎわう乾物街や月下老人エリアからは歩くとちょっと距離がありますが、最近目まぐるしく変わる迪化街の街並を見ながら行けば、さほど苦になる距離ではないはずです。
ナビでもご紹介済みの「東方饌黔天下」と同じビル内に
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レトロな雰囲気がステキなんです〜♪
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ホテル同等の味とサービスのビストロ
マネージャーRolf
元々ランディスホテルのフレンチレストランでシェフやギャルソンをしていたスタッフがメインとなって始めたという「 知貳茶館」。
メインシェフを勤める王業さんは、ランディスホテルを30年近く勤め上げ、定年退職後こちらにやって来たといいます。
また、仕入れやフロア等店全般を仕切る孟鼎(Rolf)さんもまた10年以上かのホテルで経験を培ってきたそうです。他数人のスタッフも同様。その為、高級ホテルと同等、それ以上の味とサービスをが期待できちゃうというわけ。
しかし、着飾って出かけ、重々しいムードの中いただくようなホテルフレンチのような雰囲気はここにはありません。 迪化街という下町のせいなのか、スタッフの気さくな応対のせいなのか、フランスの片田舎にあるような(ちなみにナビは行ったことないので想像だけですが^^;)フレンチビストロみたい。台北のレストランにありがちな昼休憩はとらず一日中営業。いつでも食事が楽しめ、またちょっと軽食とワイン・お茶と楽しめるカジュアルさもいいですよね!
台湾食材+フレンチ料理= 知貳茶館
さて、「知貳茶館」のお食事は単なるフレンチ料理ではありません。 基本理念として掲げるのが、台湾の旬の食材で作るフレンチ、というもの。その理由を王シェフに伺ってみると、「若い人は台湾独自の食材を知らない人が多いんだ。だから、それらを使って台湾食材を、そして台湾をもっと知ってもらいたいんだ。」とか。店名は英語名で「Grandmom’s Teahouse(おばあちゃんのティーハウス 」とあるけれど、まさにおばあちゃん(王シェフは男性なのでおじいちゃん、だけど)の想いがこもった台湾の食材の継承なのかも。Rolfは、「台湾料理には深い味わいと人情味がある。それをフランス料理の手法で再現し、人々に知ってもらいたいんだ。」といいます。
珍しい台湾食材は、お客さんの目のつく場所に置かれていました
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王シェフはみんなから親しみを込めて「王爺(王じい)」と呼ばれていましたよ
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また、かつて王シェフはホテル業務の傍ら、自らの興味でベジタリアンフードを習得したとかで、台湾の珍しい野菜にも造詣が深く、そんな野菜もふんだんに使われたヘルシーなフレンチが得意です。
この長〜いのはタロ芋の葉です!タロ芋は台湾ではポピュラーな食材だけど、さすがに葉はナビも初めて見ました!まさか食べられるなんて!客家人たちはよく使う食材だとか
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白くて丸いこれな〜んだ?答えはナス。ナビ、市場で見かけるたびにナンだろう?と思っていた野菜です。日本のナスを台湾で品種改良してこんなかわいらしいナスに変身させたんですって!
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菜脯は台湾風タクワンといったところ。台湾料理の卵焼きに入っているのを食べたことがある人も多いのでは?天日で干して作るのですが、その年の日照時間などによって出来が左右されるとか
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取材中ちょうど届きました〜!王シェフお待ちかねの苦茶油。手作業で搾られた油は香りが高く、台湾のオリーブ油的存在。ヘルシーで台湾人が好んで使う油だそう。ここだけの話…お値段がすんごく高くてビックリしました!
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仕入れによって変わるメニュー
メニューブックは定番を中心に書かれていますが、旬の素材にこだわる「知貳茶館」では、仕入れた食材によってその日のメニューが変わってきます。それらは入り口すぐの壁(黒板)に書かれています。ので、店に入ったらまずはそちらをチェックしてくださいね(中国語なのですが…)。
そして、おもしろいのが「 芋莖」など食材名と価格だけが書かれていること。オーダーの際にスタッフがお客さんの希望を聞いてくれるそうです。「焼きますか?」「煮ますか?」「蒸しますか?」などなど。もちろん、わからなければ、オススメの食べ方を聞いてみるか、いっそのことおまかせしてしまいましょう!最高の食べ方で素材の味を引き出してくれるはずです。
毎朝お店のフェイスブックに「今日の食材」をアップしているそう!おすすめを狙って来店なんてツウな常連さんもいるのかな?
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魚は宜蘭の契約漁業と毎早朝3時過ぎからRolfが交渉して仕入れているのだとか…。朝早い!お疲れさまです…
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定番メニューが書かれたメニューブックを開いてみると、前菜からスープ、メイン、スイーツまでありますが、コースメニューではなくアラカルトで楽しめるようになっているのが特徴です。もちろんガッツリ食べたい人はそれぞれの欄から選んでいけば、オリジナルコースの出来上がり!中でも、「台味西食」は、台湾食材、台湾料理をフレンチ風にアレンジした創作料理のコーナー。お客さんに人気だそうです!
それでは、ナビも「知貳茶館」の味をいただいてみました!リクエストは先ほど見た「芋莖」。それと、ホテルブレッド並み(元ホテルスタッフ揃いなので当然ですが…^^;) という手作りパン。あとは王シェフにおすすめをお願いしました。
芋莖 180元
タロ芋の葉(黄豆醤炒めパルメジャーノレッジャーノ添え)
これが先のタロ芋の葉。桜エビ、黄豆醤、ショウガ、香椿、酢など中華な食材と炒め、最後にパルメジャーノレッジャーノをパラパラパラと。チーズの香りに続き、他食材の香りも高く食欲をそそられます。タロ芋の葉はシャキシャキとした歯ごたえがあってあっさり。黄豆醤のミソのような風味と酸味、見た目も味もフレンチというより台湾料理のようでご飯が恋しくなります。ナビお気に入り!
老菜脯鶏湯 180元
台湾風タクアンとチキンのスープ
使われている菜脯(台湾風タクアン)は高雄美濃産の2008年モノ。この年はとても暑く雨が少なかった為、よいものが出来たのだとか。黒っぽい色は天然の色。長く置くことで熟成されて風味と色が出るのだとか。地鶏から出たスープがまったりと口にまとわりつく濃縮度、コラーゲンたっぷりです!味は…やっぱり中華風!
辣味鶏肉餅 180元
ピリ辛チキンのガレットサンド
花蓮産のトウガラシ、チキン胸肉などとチェダーチーズをトルティーヤ風のガレットでサンド。ピリリとしたスナック感覚でいただける一品です。自家製サルサをのせていただくとより一層ピリリが味わえます。香菜がアクセントになっていて、お酒のおつまみにしたいなぁ…。
柔式法国海塩麺包 50元/個・手工菜脯辣麺包 20元/個ソフトバゲット海塩風味・台湾風タクアンのピリ辛ブール「知貳茶館」自慢のパン。外はカリッと中はフワッとしていて香ばしい〜!ブールはピリ辛と名付けられていますが、辛みはほとんどありません。台湾風タクアンの風味がイイ感じ。どちらもそのままいただいてもよいですが、「海塩+香椿米酢+苦茶油」をオリーブ油+バルサミコ酢のようにつけて食べてもおいしい!パンさえもメインになってしまう味。
XO海鮮麺 200元
魚介のパスタXOソース
イカ、エビ、貝などの魚介類と季節の野菜に花蓮産小柱と小魚のXO醤で味付けしたパスタ。麺はイカスミのスパゲッティーを使用。たっぷりの具でボリュームいっぱい!野菜もいっぱいなのでヘルシー!パルメジャーノレッジャーノが香りに花を添えています。
焗烤烤西水茄 180元
水ナスのグラタンフレンチ風
白くて丸いナス水茄にチキンブイヨン、パルミジャーノ・レッジャーノをふりかけてグラタン風に焼き上げたもの。あっさり・さっぱりとしたジューシーなナスに、チーズの濃厚さが加わりなんともいえない一皿に!ナビお気に入り!
法式煎鴨胸 380元
フレンチ風焼き鴨胸肉 トリュフとミルクのバブルソース添え
ほどよい塩気、カリッと焼かれた鴨肉はひと口かむとジュワ〜っと肉汁が口の中に広がります。鴨肉独特の臭みは押さえられているので食べやすい!フワッとしたトリュフとミルクのバブルソースがユニーク♪
南投山生有幸 鳳凰烏龍 200元/壷
南投産 鳳凰ウーロン茶
深い香りと味わいの台湾南投産のウーロン茶。山生有幸というお茶ブランドのもの。他にも3つのお茶ブランド・茶屋から選んだお茶が味わえます。サーブは蓋碗で。台湾茶風に上手に持てないときは、日本茶風に蓋をはずして飲めばよし!茶葉は店内でも販売中。気に入ったらお土産にいかが?
鶯歌の朱色の蓋碗茶器でいただくとより一層おいしさも増します
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Rolfが台湾中探しまわって見つけ出したという70年代グラス。古いけど新品、迪化街っぽさが出ています。ミネラルウォーターはご注文ください
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ナイフだけでなく、お箸♪通常はセットされてないので聞いてくださいね
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ワインも豊富!そして台湾ビールもあります!
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お会計、驚きのプチプラ!
数々の本格的なおいしいお料理…、なかには「時価」があり、それらは「若い人には高いと思う値段だよ。」(Rolf談)といいますが、それ以外は180元程度から。ナビの感想は「安い!」のひと言。最近、ちょっとおシャレなカフェレストランだっていいお値段しちゃうんですから。若い人にも食べて、知ってもらいたい、という想いが価格設定にもあらわれていました。
ここにチップを!
それから、ホテル並みのサービスなのにサービス料ノーチャージ。サービスされてないのに、サービス料!?な店も多い中、これはうれしい!かわりにレジ脇にチップ用のポットが置かれていますので、よろしければお気持ちをその中へ…とのことでした。(もちろん強制ではありませんよ!)
「知貳茶館」で気軽に台湾流フレンチ、そして台湾食材と台湾文化に触れてみませんか?
2階のスペースも広く、快適です。
テーブルや椅子などは1階の雰囲気と同じですが、さりげなく昔の台湾の家庭で使われていた台所の棚や椅子などが置かれていて、それがいかにも迪化街に溶け込んでいる感じで素敵でした。
以上、台北ナビでした。