日本を愛する台湾人オーナーが日本茶でおもてなし おいしい和菓子でお茶を楽しみつつ日台の絆を感じましょう
こんにちは、台北ナビです。
台湾の親日ぶりはいまや有名ですが、実際に台湾を訪れると、その愛情を実感しますよね!台湾人の優しさに感激し、また会いたい!と思ってリピーターになった方も多いのではないでしょうか。台湾在住のナビも、日本人だとわかると親しげになり、さらに親切になる台湾の人たちの態度にはいつも驚き、感謝しています。
今日ご紹介するのは、日本、特に京都の文化に惚れ込み、日本語とお茶を習いに京都留学までしてしまったという台湾人女性が、その思いを形にしたお茶と和菓子のお店。さっそくですが、京都で染めてもらったという可愛らしいのれんをくぐってお邪魔しましょう。
「日本茶 花千鳥」があるのは南京東路から林森北路へ折れてすぐの路地裏。周辺には新しくオープンしたロイヤルイン台北林森やTHE Tango HOTELの林森館、長安館があります。中山エリアからもナビプラザからもすぐの観光スポットなのですが、お店の前に立つと一瞬台北の繁華街にいるのを忘れてしまう佇まいです。さわやかなのれんをくぐり、木の引き戸を引く動作の一つひとつに日本の情緒を感じながら入店すると、そこには思わずただいま~と言ってしまいそうな空間が。シンプルながら木を基調にした店内はとてもアットホームな雰囲気。竹をあしらった庭や茶釜も日本人なら誰もがホッとするインテリアです。
オーナーは大の京都好き。京都愛が高じてお店をオープン
日本語も上手で明るいオーナーの何さん
グリーンのれんの向こうから現れたのは何杏文さん。色白のかわいらしい笑顔がステキなこの店のオーナーです。今から10年以上前、政治大学で開催されたお茶会に参加して、日本茶道のすばらしさに感激したという何さん。以来、教師の仕事をするかたわら、日本の茶文化を学び続けてきたそうです。2011年に一念発起して京都に留学。震災が起きたばかりの日本でしたが、京都への情熱が勝り同志社大学の外国人留学センターへ入学しました。そのまま本科にも進み、京都での生活を1年満喫して帰国。帰国してすぐに物件を探してこのお店を開店したというからすごい!小柄な何さんのどこにそんなパワーがあるのかビックリしてしまうほどの行動力です。
「日本茶 花千鳥」という店名の由来は、道元禅師の歌の一節「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり」という句なんだとか。四季の移り変わりを感じながら、その時々の花や鳥と自然に暮らして生きたいという句に共感し、日本茶とお菓子を味わうことで季節を感じてほしいという思いを込めてこの名前をつけたそうです。繊細な感覚が日本人のナビより日本人らしく、恐れ入るばかり…。お店には千鳥のモチーフがあちこちに見られます。
茶器や小さな京小物が散りばめられています
茶葉や茶器は、地理的に九州から買っているものが多いそうですが、お抹茶の道具や一部の茶器は京都の道具屋でこだわって仕入れたもの。有田焼や常滑焼のセンスのいい茶器が並んでいました。手ぬぐいで包装したお茶や香り袋など、さりげないグッズも上品で、何さんの京都愛、日本文化への思いが伝わってきます。
お茶と和菓子をいただきましょう
さっそくお茶をいただくことにしました。お店では抹茶、煎茶、ほうじ茶を和菓子とセットで楽しむことができます。ナビの取材したこの日は真夏日だったので、氷を入れた冷抹茶と練りきりの和菓子、九州産の煎茶と加賀棒茶のほうじ茶に、夏らしいお菓子の数々をいただきました。
練りきりの和菓子は、新竹で日台カップルのご夫婦が営んでいる「歳時記」というお店から仕入れているそうです
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ガラスの器がとても涼しげ
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この和菓子みーんな何さんのお手製
ほかにも抹茶白玉ぜんざいやほうじ茶アイスクリーム、豆乳を使った葛プリン、最中など、和を楽しめるデザートが選べます。なんと本格的な練りきり和菓子以外の甘味は、何さんがすべて自分で作っているそうです!何さんは「誰でも作れますよ~」と控えめですが、どれもほどよい甘さで、日本の甘味処と比べても遜色のない味です。
極めつけは京都で食べた味を再現したという「抹茶白玉ぜんざい」。抹茶の自然な苦味の中に、小豆の甘みが溶け合って、もちもちの白玉の食感も絶妙!優しい冷たさと甘さが台湾の暑さにバテ気味の体に染み込む美味しさでした。牛乳ではなく豆乳を使ったプリンはヘルシーなのにすごく満足感があって、お子様にもピッタリのデザートです。
ナビスタッフが感動した抹茶白玉ぜんざい
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抹茶入り寒天と白玉のあんみつ
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日本文化を愛する台湾人が集うサロンでもあります
定期的にさまざまな講座を開いています
「日本茶 花千鳥」には、日本文化に興味のある台湾の方たちが集まる文化サロンとしての顔もあります。毎月さまざまな文化講座を開いているんです。といってもそんなに堅苦しいものではなく、何さんによる和菓子作り講座や京都近江屋の台湾支社から講師を招いての和服講座、世界遺産になった富士山を楽しむ趣味の講座などさまざま。最後はみんなでお茶を飲みながらおしゃべりするそうです。
和菓子作り教室の様子
台湾で日本文化を学ぶ…というのは不思議な感じですが、タイミングがあったら参加してみるのはどうでしょう?講座に参加するのは日本が大好きな台湾の人たちですから、日本語を勉強している人も多いはず。日本についてお話しつつ、台北の穴場を聞くもよし。楽しく交流できるお友達がたくさんできそうです。
ほっと和めるくつろぎのひと時を与えてくれる「日本茶 花千鳥」。台湾に滞在する方はもちろん、旅行者にもぜひ立ち寄ってほしい一軒です。これだけ日本を愛してくれる台湾人がいるという嬉しさに、ますます台湾が好きになってしまうに違いありません。
以上、久しぶりの抹茶にうっとりしている台北ナビがお届けしました。