赤・白・黄…お好みスープが選べる人気の牛肉麺店。自家製小菜も絶品!シック&モダンな店内もイイんです
2024年4月に中山區の一江公園近くに引っ越しました。
以下の内容は2013年に取材した時のものです。参考程度にご覧ください。
こんにちは、台北ナビです。
台湾グルメの代表選手、牛肉麺。台湾に来たからには絶対食べて帰りたい一品です。本日は、地元民にも観光客にも人気の「史記正宗牛肉麺」をご紹介いたします!
2002年創業の「史記正宗牛肉麺」は、店舗の入れ替わりの激しい台北にあって、すでに10年を越すベテラン店。
オープン間もない頃から地元美食ブロガーたちが紹介するなど、割と早い段階から話題のお店として知られていました。これまでも多くの地元の新聞・雑誌で紹介され、日本のガイドブックや台湾特集を掲げた雑誌等にも登場。ナビ読者のみなさまも「行ったことあるよ~」って人、多いのではないでしょうか?
そんな話題の店は、いつ行っても多くのお客さんで混みあっています。けれど麺専門店のため、回転率は早く、待ち時間も少なめなのがうれしいところ。混雑時には多々合席もありますが、地元の人との一期一会も期待できそう!?
かくゆうナビもかつてこちらで合席をし、見ず知らずの地元の方から小菜をごちそうになったことがありました~(^^)V
店舗前の椅子。待ち人が大勢いるときは、始めにお店の人に人数をつげましょう~
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開店時間と同時に何名もの人々が次々と店の中へ・・・
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さりげなすぎる店外観
外観はいたって普通な感じの「史記正宗牛肉麺」。
足早に歩いていたら、気づかずに通り過ぎてしまいそうなほど、さりげないたたずまいなんです。目印は白地に達筆な文字で書かれた店名の看板。よくよく数えてみれば大小5つもの看板を掲げているにもかかわらず、どれも強い主張をしていない・・・。初めて行かれる方は注意して見ていてくださいね!
一歩店中へ入ると、こぢんまりとしていながら、清潔で落ち着いた空間が目に飛び込んできました。なんだかちょっと洒落た雰囲気でもあります。
牛肉麺屋さんというと、(失礼ながら!!)どちらかと言えば雰囲気よりも味第一……な感じ。こちら「史記正宗牛肉麺」は、シンプルでモダンなインテリアがイイ感じ!やっぱり、キレイな空間で食事するのは気分も違いますっ!
これだけの人気店ですから、もちろん味もいいんです!そこで、味の秘密をラオバン(オーナー)の史大正さんに伺ってみると、なんともおもしろいお話が聞けました。
史ラオバン:ウチの清燉スープはここだけの味だよ。ほかでも清燉牛肉麺を売ってるけど、ウチのがホンモノ、世界でここだけ。
ナビ:何が違うんですか?
史ラオバン:作り方からして違う。実を言うと店を開けてまだ間もない頃、お客が少なかった。1日、2日、3日……お客が来ないからスープは余る。そのまま煮続けて4日目になったら、そのスープの味が変わったんだ。旨くなってた。
ナビ:なるほど~!(あれ?実は失敗から生まれたってこと??)
今では、キッチンには5つの鍋が並んでいます。鍋は24時間火を止めることなく4日間温められ続け、日を追うごとに透明だったスープはダシが出て白く濁っていきます。
1、2、3、4日分の清燉スープと紅焼スープ用の計5つの鍋が並ぶキッチン
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牛肉麺屋のオヤジらしからぬ!?ダンディなラオバン、史大正さん
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史ラオバン:デカイ鍋が5つも必要だから、当然キッチンもある程度の広さがないと。他の店じゃマネできないね。ガス代だって相当なものだよ。
とのこと。
ラオバンによると、他店の清燉スープは5時間ほどしか煮ていない……とか。そんな「史記」自慢の清燉スープはよそで食べるもの(透明に近い白)と違って、スープが白濁しています。見た目は日本の豚骨スープのよう。この白さの中に牛の旨味がギュ~っと濃縮していたんですね!
でも、オススメは台湾の味、紅焼
そこまで言うなら看板商品はやっぱり清燉ですよね!……と、思いきや史ラオバンは言います。
史ラオバン:日本の人、清燉がスキだね。でもね、オススメは台湾の味、紅燒(紅焼)だよ!
えっ……、ナビもここに来たときはいつも清燉食べてました。だって、ほかメディアでも取り上げているのは、大概清燉牛肉麺ではなかったですか?
史ラオバン:紅焼牛肉麺は台湾人が作り出したんだ。元々は高雄の方で。大陸からやって来た老兵が四川のスープと山東の麺を持ってきた。そして、台湾の牛肉と出会ったんだ。そんな3つが合わさってできた味、台湾の味だよ。
そんなに紅焼を推されると、食べたくなるなぁ……。
でも、やっぱりここだけの味という清燉も捨てがたい!そして、改めてメニューを見てみると咖哩牛肉麺(カレー牛肉麺)の文字が!
紅焼、清燉、咖哩と、3つのスープタイプから好みで選べるのがうれしくもあり、悩ましくもあり……。ナビはそのスープの見た目から赤・白・黄と呼んでみましたよ!
<牛肉麺>
清燉牛肉麺 190元
見てください!この白いスープ、日本の豚骨ラーメンのようでしょう?細麺もまたラーメンを思い起こさせますが、日本のソレと比べると固さは柔らかめ。
スープはとってもあっさりですが、べたつき感がありコラーゲンたっぷり!という感じで、女子にもオススメ。薄切り肉(5枚入り)がチャーシューのようでもあります。
紅焼牛肉麺 190元 ※写真は大辣(大辛)
微・小・中・大と4つの辛さから選べます。辛いの苦手なナビは敢えてメニュー上にない「不辣(辛さなし)」を注文、快く応じてもらえました!しかし、食べてみると……やっぱり紅焼は多少辛さがないとね、と「微」に変更。
紅焼といえどもあっさり味。パンチが効いた味がお好きな人にはちょっと物足りないかも?!お肉はゴロゴロしていて柔らか~い♪
トッピングされるお肉(全て台湾産牛肉!)によって、「半筋半肉」「全筋」など区別があります。
また、「紅湯白肉牛肉麺(220元)」は紅焼スープに清燉の薄切り肉をのせたもの、「満漢牛肉麺(350元)」は紅焼スープに紅焼の肉、清燉の肉、スジ肉をのせたものでこちらもガッツリいきたい人には人気だとか。
★ナビチェック★地元のお客さんは清燉・紅焼だいたい半々の割合でオーダーしているようです!
付け合せには自家製小菜と小炒を
牛肉麺専門店なので、もちろん売りは牛肉麺なのですが……
史ラオバン:牛肉麺もいいけど、小菜と小炒をうんと紹介してよ。全て自家製、ウチのおすすめなんだよ。とのこと。そこで、ナビも自慢の品々をいただいてみました~!
(★は特にオススメの看板商品です)
<小炒>各60元
雪裡紅 ★シャキシャキとした歯ごたえがおいしい!ほどよい塩気で清燉スープにピッタリ。毎朝仕入れた新鮮な野沢菜を店で炒めているそう。
油悶筍 ★一言で言うならメンマ。甘しょっぱい味が日本人好み。現に日本人オーダー率は高いそう。麺の上にトッピングしちゃってもよさそうです。
泡菜肉末
四川泡菜を刻んでひき肉と炒めたもの。
ほどよい酸味と辛味がしてGOOD!麺にトッピングしたらまた違った味わいが楽しめそう。
※ほかにも人気の酸薑豆は週末だけのメニュー。タイミングがあったらぜひオーダーしたい!
<冰箱小菜>各40元
麻辣黄瓜 ★
花椒のパンチが効いたキュウリの漬物。辛いの苦手なナビ取材班にはかなり辛かった!でも、後を引くおいしさ~!
※冰箱小菜は「冷蔵庫の中にある小皿料理」のこと。いろいろな種類が常備されているので、自分で店内の冷蔵庫の中から好きなものを取り出し、席まで運んで食べ始めましょう~。
あとでお店の方が伝票に書き入れてくれますよ!
<切盤小菜>
冰糖蹄花 100元 ★
トロントロンに煮込まれた豚足の煮込み。
醤油の濃さがちょうどよく、柔らかさもバツグン!コラーゲンい~っぱい♪
紅油耳片 70元口の中に広がるいぶし感が心地よく、次から次へと食べてしまう一皿。ピリ辛風味もまたよし。
四川泡菜 40元キャベツの高粱酒で漬けはラオバンのおふくろの味。
よくある台湾式泡菜は甘酸っぱい白菜漬けですが、ここのは甘くなく、酸っぱさに力があります。
熱花干 40元 ★
あっさりとした厚揚げの煮物。
よく染み込んだダシが日本のおでんのようでもあります。辛さが欲しい人は辛タレをつけて。
すべて店舗で手作りしているだけに、ほかで味わう小菜(小皿料理)とはひと味もふた味も違う~!
だいたい地元のお客さんは牛肉麺と小菜を1~2品オーダーしています。麺ができあがる前にこれらと共に一杯やるもよし(台湾ビールあり!)、麺の付け合せにするもよし、牛肉麺とぜひ併せてオーダーしてみてください♪サイドディッシュと侮るなかれ、そのウマさに感動するはずです。
★ナビチェック★ほとんどのお客さんのテーブルの上には熱花干がありましたよ!
ほかにもスゴイ!サイドメニュー
そろそろ食べ終わりーという頃、ふと壁上のメニューに目をやると「鮮冰奶酪(40元)」の文字。ほんのりと甘~くて、クリーミーなこのパンナコッタは最後の締めにぜひいただきたいデザートです。さっぱりしたミルクの風味が口に広がり口直しにピッタリ。
また、カウンターの上に並ぶ瓶詰めは「豆腐乳(200元/瓶)」。沖縄の豆腐ようみたいな、豆腐を発酵させた食品で、保存期間は1年というからお土産によいかも!ちなみに、パンナコッタも豆腐乳もどちらも自家製ですよ!
開店直後から続々とお客さんがやって来て、12時半過ぎには待ち人が出始めるなど、いつでも大人気の「史記正宗牛肉麺」。
全体的に素材の持ち味を生かしたあっさりとした味付けで、日本人にとっても馴染みやすいメニューの数々でした。みなさまもぜひお試しを!
以上、台北ナビでした。