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「咖啡小自由~CAFFE’ LIBERO~」には、上質なコーヒーとウイスキーの香りと共に、70年代のモダンなテイストが溢れています。

こんにちは。台北ナビです。モダンを追求し、近代的に整った町並みの信義区とは対照的な永康街は、日治時代の台湾の様相が今も残り、人文味が魅力のエリアとして、多くの地元台湾人や外国人観光客を惹き付けています。今回ご紹介するのは、金華公園傍にある「咖啡小自由~CAFFE’ LIBERO~」。40年前にこのビルを建て、居住なさっていた方の、豊かな暮らしを感じることの出来るこのカフェには、他に類を見ない趣味のよさが漂っています。

「小自由」は日当たり良好

永康街から歩いてすぐの金華公園横という、わかりやすい立地です。
ナビがお邪魔したのは午後でしたが、お天気がよく、テラス席が気持ちよさそうでした。もう少し秋が深まって涼しくなったら、開け放してお店の中とテラス席を続きにするのだそうです。そんな時期が来たら、断然テラス席に座りたいです。

40年前の建物が、素敵なカフェに

オーナーの高振御さん(以下、ZOCさん)が説明しながら店内を見せてくださいました。お店をオープンする1年半前、場所を探していたとき、永康街エリアの昔ながらの雰囲気がとても気に入り、この界隈に店を出そうと決め、金華街のこの場所と出会ったそうです。
金華街、青田街周辺は、日本統治時代の官舎があったので、当時の「舶来」に造詣深い人々が多く住んでいた場所です。もと住居だったこの場所も、そんなテイストがたっぷりだったそうです。下見のときに見た、元からあるインテリアに魅了され、できるだけこれらを生かして店の内装に取り入れようと決めたそうです。塀を取り払って外見を整えると共に、内装もカフェに必要な装備と雰囲気を同居させるよう、オーナー自らアイディアをだし、元からあるものを捨てずに生かす方向で作り上げたのだそうです。70年代、台湾が経済的に成長した時期の、同時のモダンが、センスよく蘇っています。

時代を超える良い建材



外観と店内を先ずは拝見。入口は、一昔前に建てられた、台湾のお宅によく使われているモザイクガラス。店内が丸見えにならず、よい味わいをかもし出しています。
店内は、木が沢山使われていて、深い茶色が基調となっています。他ではあまり見ない、寄木細工のような床が美しい。前からあったこの床が気に入ったオーナーは、そのまま残してカフェの床にしようと決めたそうです。
そして、シックな大理石使いのカウンター。カウンターは新しいものですが、下に使われているのは以前の家具からはがした板。以前の持ち主さんが見たら、思い出が蘇るでしょうね。
きれいな緑の大理石のカウンター。

きれいな緑の大理石のカウンター。

カウンター下は、思い出深い前の家の装飾板を再利用。

カウンター下は、思い出深い前の家の装飾板を再利用。

今ではもう手にはいらないという、花蓮の大理石で出来た壁は、上階まで続いています。
当時としてはとても高価で贅沢な建材。この建物を建てたのは、豊かなご家族だったのですね。灯も以前のものをそのまま使用。全然古くなんてありません。むしろ、新しい感じすらします。

ハイカラなインテリアに囲まれウィスキーを愉しむ

お店の奥に、もう一部屋素敵な場所が用意されています。
「咖啡小自由~CAFFE’ LIBERO~」で楽しめる飲み物は、コーヒーだけではありません。上等なウィスキーも豊富に用意されています。コーヒーとウィスキーは、当時のハイカラな人々の嗜好品。心憎いこだわりですね。ウィスキーを愉しむ空間になっている奥のお部屋は、重厚さすら漂う70年代モダン。カウンターと、そこに並べられる洋酒コレクションが素敵です。
この部屋に一歩はいると、すべてがセピアがかっているように見えてしまうから不思議です。
お写真には写っていないのですが、ここの天井は、別の部屋にあったものをこの部屋にうつしたものだそう。壊してしまうのが勿体無いと思ったのも頷ける、とても美しい細工の天井は、今では殆ど見なくなっている当時のスタイルです。
また、アンティーク家具もとても美しく、足のカーブなどは見事。マホガニー色の床とお部屋の雰囲気に、赤い椅子の色がピリリと効いています。1970年代の豊かなモダンスタイル、それはまるで、ドラマ「華麗なる一族」のお屋敷内部を連想させるすてきな空間は、ZOCさん曰く「日本を介した西洋風」なのです。

お洒落で美味しいコーヒーとスイーツ



秋の日差しではありましたが、暑い日でしたから、はじめに出していただいた冰珈琲(アイスコーヒー)180元がとても印象的でした。
まずはその見た目。レトロチックな茶色のグラスに、大きな氷がぽっかり一つ浮かんでいます。キューブ状の角を面取りしたような形の透明な氷がとてもお洒落で涼しげです。見た目はまるでロックのウイスキーのようでした。
一つ目のドリンクからこんなに個性的だなんて、期待膨らみます。いただいてみると、コーヒーがとても香り高く、軽やかにはいっていました。
あまり香りがしないのに濃いアイスコーヒーを飲む機会が多いので、新鮮でした。

ぽっかり氷が涼しげで、

ぽっかり氷が涼しげで、

コースターもすてきで、

コースターもすてきで、

見た目だけでも癒されます。

見た目だけでも癒されます。

次は、茘枝紫蘇冰砂(ライチと青紫蘇のスラッシュ)250元を試飲。南国的なライチの甘さを、青紫蘇がすっきりと整えています。上に載っている葉は、ミントではなく紫蘇の小葉です。そして、ちょっと変り種、梅子酒冰珈琲(梅酒入りアイスコーヒー)。真ん中から水平に綺麗に分かれていて、軽く混ぜてからいただきます。まずは、梅酒の香りがほんのりと、後からコーヒーの香りが長く尾を引く感じで蘇ってきます。
お食事は、現在のところ、カレーライス(240元)一種類ですが、近いうちにお食事のメニューを加えてゆくとのことです。日本人にとっては、コーヒーにカレーはペアのようなもの。コーヒーショップにあると嬉しいですよね。
目玉焼きが乗っていて、ジャガイモの入ったこってり日本味のビーフカレーをランチタイム(12:00~14:00)か夕飯タイム(17:30~20:00)に注文すると、プラス100元でコーヒーを注文することが出来てお得です。ご飯が見えないほどたっぷりとルーがかかっているのを見て、思わず頬が緩んだのはナビだけでしょうか?

コーヒーに飽きたら、ホットチョコレート(200元)はいかがでしょう?
本格的なホットチョコレートは、疲れを芯から癒してくれます。カップもトレイも正確な円形ではないデザインで、まるで人が手で描いた様な歪さに親しみがもてます。
冬になると、生姜やウィスキー入りのホットチョコレートが人気だそう。寒い日に試してみたいですね。

カフェの中にパティスリー、「Le petit patissier [雷斯理]」

「咖啡小自由」のスイーツは、なんと店内にあるパティスリーで作られています。
コーヒー専門店のケーキは、どこも外注しているものだと思っていたので、驚きました。そういえば、入口の看板が2つでした。お店の名前はLe petit patissier [雷斯理](以下、[雷斯理])。
アメリカで修行なさったレズリーさんのパティスリー[雷斯理]は、「珈琲小自由」の奥にあります。
お店の中にお店を構える新しい発想でしょうか。ここだけは、ぽっかりと現代風で、その対比が魅力的。とても現代風で綺麗なショーケースに、かわいらしいケーキが並び、ショーケースの後ろのお部屋でこれらのスイーツが作られています。
カフェの部分の作りが渋めなため、表からは見えない奥のパティスリーの部分だけが別世界のように感じます。

数多くのおいしそうなケーキたちの中から、いくつかをいただいてみました。
左上は杏桃塔(アプリコットのタルト)。お酒に漬けた杏が、カスタードクリームにたっぷりと混ぜてあります。140元。
右上は、HIBIKI(響)21年もののウイスキー「響」と高級チョコレートが奏でる、成熟した味と香りです。ウイスキーとチョコレートは合うのは知っていましたが、これほどとは!160元
左上は蘋果塔(りんごのタルト)。[雷斯理]人気NO.1。サクサクのパイ側に、アマレットクリームとキャラメルバターで煮た特級ふじリンゴを敷き詰めてあります(150元)。
右は、巴斯克(ガトーバスク)スペインバスク地方の伝統ケーキ。ラム酒とカスタードクリームがさっくりとした皮の内側に詰まっています(120元)。
コーヒーのお供に、クッキー類も充実。雪玉餅乾(スノーボール)、羅勒巧克力鑚石餅乾(バジルチョコディアマント)、伊太利餅乾(ビスコッティ)、マカロンも本格的です。美味しい豆で淹れたエスプレッソ(60元)と一緒にどうぞ。
台湾をこよなく愛するオーナーZOCさんご推薦の台湾製のライチビール。ライチの香りと甘みがほんのり。ベルギービールにも似た、軽い美味しさです。
台湾産のライチビール

台湾産のライチビール

可愛いグラスで美味しそう~

可愛いグラスで美味しそう~

他にもいろいろ舶来ビール

他にもいろいろ舶来ビール

地下にはイベントスペース

地下にはこぢんまりとしたイベントスペースがあり、時折音楽会などのイベントが企画されるそうです。
先日は、日本から三味線奏者が來台し、こちらでミニコンサートを開いたそうです。また、このスペースはお友達同士の集まりなどにも利用可能だそうで、上からドリンクやフードを注文して下でワイワイもOK。小さいけれど利用範囲の広い、多目的スペースとなっています。
普通の閑静な住宅街が、様々な形で利用されるようになってきている永康街エリアに、またこんな素敵なカフェができたなんて、ますます足繁く通いたくなってしまいますね。
皆さんも、「咖啡小自由~CAFFE’ LIBERO~」で台湾の人文感覚を味わってみませんか?
以上、台北ナビでした。

記事登録日:2011-11-04

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2011-11-04

スポット更新日:2013-10-07

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