芸術に埋もれたカフェ、週末の夜はライブ、意外にお手頃で、アクセスも便利な中山エリアにあります!
こんにちは、台北ナビです。灯台下暗しとはよく言ったもので、中山区のど真ん中にオフィスを構えるナビたち、ここら辺の衣食住は大体網羅していると過信していたのが大間違い。ナビプラザから徒歩圏内にこんな素敵なカフェがあったなんて、まさに目からウロコ。個人的には隠れ家カフェにしたいと思ったほどなんですが、内部の芸術作品を見たらそんなワケにもいきません!今をときめく中国人アーティスト「蔡國強」の作品から、新進気鋭の芸術家の作品の数々。台湾のほとばしるアートを皆様と分かち合いたいと思い、本日初公開、ここに紹介いたします!
縦長で5階
ここ「ARTCO DE CAFE」は、実は台北ですでに6軒のお店を持っています。うち2軒は、ナビも行ったことがありました。個性的なカフェの印象はあったのですが、お店の方と話すうちに、長安東路の初代カフェには行ったかという話しになり・・・。実際その前の道は何十回となく行き来していたのですが、その縦長の5階建てのカフェは全く目に入りませんでした。入口も暗め、どうやら飲食業らしいというムードはありますが、中がほとんど見えません。が、いったん足を踏み入れるや、右には「蔡國強」の壁画、左には銀色が鈍く光る大きなオブジェが3階まで突き抜けて、ナビたちを圧倒してきました。古い家屋を改装して造ったので奥行きもあるカフェ、驚くなかれ、内部は興味深いアートの空間が存在していたんです。
台湾の芸術雑誌
元々「典蔵」という芸術方面の雑誌やアート関連の書籍を出版する「ARTCO DE CAFE」の会社は、雑誌などに掲載した絵画をギャラリーなどで頻繁に展示していました。紹介する作品が多くなると、より多くの場所が必要となり、また見に来てくれる人の中には固定客も現れてきます。そういう方たちをもてなすのに、軽食サービスなども始めるようになってきました。やがて、もし、自分たちのレストランがあれば、店内に作品の展示も出来、来客の幅も広がる、自らの厨房があればケータリング事業で、自社だけではなく、他社の展覧や発表会の手助けにもなる、というロジックの下、風格もパフォーマンスも異なる各カフェレストランを築いてきたのです。
5Fから見ていきます
芸術に浸りたいなら長安東路の1号店に来てね、というスタッフのお言葉通り、フロアごとに作品や雰囲気が違う長安1号店は、どの階もブレックファーストから人がちらほら。お昼時には平日でも予約が必要になるそうです。まずは5Fに上がったナビたちですが、ここにはテラスがありました。お天気がいいときには窓が開け放たれるそうです。庭には4匹のブタちゃんのオブジェ、「倪再沁」の作品です。内部には、1Fと同じ廃棄物を使用して造ったオブジェがありました。カメラのレンズ枠などもくっついています。環境保護の意味合いも込めて作られる「周于棟」の作品は、あらゆる部品が銀色のスプレーで覆われています。また、5Fまで階段は大変というので、狭いながらもエレベーターが取り付けられているのはありがたいこと。エレベーターの出口付近が、ライブエリアだそうで、毎週金土19:00~20:00に、歌のライブがあります。このフロアは落ち着いたムードにまとめられています。
4Fへは階段で下りました。階段口にまたしても巨大なピエロのオブジェがぶら下がっていて、4Fから上って来ると、ピエロの顔を目の前にする形になり、ちょっとビックリ。ここのフロアは主に展覧会に使用するとのことですが、会社ミーティングやちょっとした会合に利用してもよいそうです。土日はよく講演会も催されています。また、すべてのフロアで無線LANの利用が可能とのこと。芸術に囲まれて、コーヒーを飲みながら、インターネットを使用できるなんて最高じゃないですか。フロアごとにコンセント口もあるそうなので、常連さんはそのあたりに、いつも陣取っているそうです。
意表をつく作品たち
3Fには、またしてもすごい作品がありました。韓国人若手アーティスト「崔素榮」の作品なのですが、遠目に見ると港町の景色、が、近づくにつれ、それがすべてジーンズの端切れを組み合わせて造られた情景だというのに目が慣れてきました。どれだけの年月をかけて作ったのかはわかりませんが、芸術は、時に根気を要するものだというのがヒシシシと伝わってきます。ジーンズも薄い色、濃い色、微妙に色あせた部分や破れた部分がありますが、それらをちょうどいい大きさで絶妙に組み合わせています。韓国の「安昌村(アンチャンマウル)」というアート村だそうですが、ジーンズという活動的なイメージの布材料を用いているせいか、労働者の村のような印象も受けます。初めてこのような作品を見ました。反対側の壁には、台湾の版画家「陳庭詩」の作品が並んでいました。
2Fまで降りました
1Fの巨大オブジェを間近に見ながら、螺旋階段で2Fに上がることができます。ここには日本人アーティスト「草間弥生」の油絵が掛かっています。「LemonSpuash」と名付けられた、一見して油絵には見えない作品。彼女の油絵は、この画風で描かれているものが多いのです。もう一方の壁には、台湾の若手画家の油絵が5枚並んでいます。これは近づきすぎると何が描かれているのか全くわからず、2mほど離れて、やっと5枚すべてが女性の肢体だというのがわかりました。コーナーには天窓があり、日光が入る緑の中に、またしても「倪再沁」作品である発情中のブタちゃんが4匹いました。このコーナー席は快適で、壁には中国大陸の画家「趙春翔」の作品がかかっています。そして、階段近くには彫刻家「朱銘」の作品もありました。
1Fに降りました
エレベーターもアートっぽい
巨大オブジェの作家「周于棟」は、いつもはオーストラリアで活躍しています。この作品の構想を持って、オーストラリアからこれらの材料を運んできました。そして、店の内装時にこの壁上で作品を造り上げたのです。壁には、100人の顔があります。顔とわかるものもあれば、何だかよくわからないのも。高さ5m横幅3mほどのこの作品は多くの人たちが集いあってるということで「大Party」という表題がついています。近づいてじっくり見ていると、材料にはほうきや麦藁帽子、アクセサリーなど、誰のうちの中にもあるガラクタが、アート作品の一部となって、すべてここに貼り付けられています。
食事にしましょうか
「ARTCO DE CAFE」は朝7:30から23:00まで営業しています。朝食は11:00までで、それ以降は、ランチもディナーも午後のお茶でさえ、いつでもどれでも注文できるんです。ナビたちは、まず朝食をいただきました。メニューは固定メニューもありますが、季節によっての変動や新作も多いので今回紹介したものが、次回あるかどうかわかりませんが、どうぞご参考ください。この日は3種の中から2種を選びました。50元の飲み物を選べば、朝食セットはなんと70元。飲み物が50元を越える場合は差額を払えば大丈夫。
肉デンブとイチゴジャム。ジャムが少し少なめだったので、その2つをマッチした美味さが伝わってきませんでしたが、台湾では家庭でお母さんが作る朝パンの普通の組み合わせで、なつかしの味だそうです。
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ハチミツとバタ-。フランスバターがこんな厚みで、こんな大きさで挟まれています。組み合わせを聞いた時、おいしいに違いないと確信しましたが、パンとも合っていて、期待以上でした。
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チョコアップルケーキ 70元+飲み物で110元。リキュールに浸されたリンゴの粒が2層に渡って挟まれています。シナモンも効果的で、ボリュームたっぷりの大きさですが、午後のお茶にはこれとエスプレッソで幸せを感じられるなと思いました。
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大理石ケーキ 70元+飲み物で110元。濃厚すぎず、でも、味がしっかりした、かなり上ランクのチーズケーキだと思います。
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かなり上出来!
シーザーサラダと飲み物のセットで150元。これ一皿でお腹いっぱいになります。 カフェめしと言うなかれ世にカフェめしって、大体こんなもんでしょというレベルがあるかもしれません。それって、大雑把な味ってこと?ナビ自身も、ま、それっぽいものが出てきて、雰囲気で食べるもんでしょうと過度の期待はしていなかったのですが・・・、裏切られました。まずいただいたのは、根強い人気でいつもあるという3品・・・。飲み物付きのセットになっていますが、どれもサラダ、ケーキ、プリンのうちから一つ選べばプラス30元、2つ選べばプラス60元です。
「ARTCO DE CAFÉ」は、セルフサービスになっていて、1階のカウンターで先に注文し、支払いを済ませます。朝は70~90元、昼と夜は150元~250元、午後のお茶なら100元~180元が大体の料金目安です。
典蔵牛肉麺セット 180元 麺のコシ加減はよし。スープはいくぶんピリ辛なのがまたよし、牛肉がどっさり。もし牛肉麺大会に出展したら、上位にランクされるであろうスープ味と風味でした。
椒麻鶏腿セット 180元 一般のレストランで見られるのは、カラカラに揚げているチキンに甘酸っぱいソースがかかっているものですが、ここのは皮がこんがり、いかにもタイ風ではなく、食べやすくておいしかったです。
紹興貴妃酔鶏セット 180元 紹興酒に漬けたというチキンには、クコの実も練りこんであり少々薬膳風。暑い時にはさっぱり食べられます。お酒のいい味がして、何枚もパクパク食べてしまいました。
耳寄り情報
「ARTCO」はメンバーズカードもあります。3000元以上の消費があると発行してもらえ、そのカードは「ARTCO」関連レストランでの飲食では、何でも10%OFF。カードは、個人照合もしないので、友人に貸してあげても使用可だそうです。店ごとに違うカラーを持つレストランに多くの人たちが足を運び、アート好きがどんどん増えていってほしい、そういうお店の期待もあるようですね。「八徳店」では、毎週水曜日と土曜日の夜に映画の試写会があります。食事をしながら、通常の映画館では上映されていない文芸映画が見られるので、一石二鳥。中山店では、毎晩19:00~ジャズピアノの演奏が聴けます。そして、當代芸術館に隣接する「ARTCO」カフェでは、毎週土曜日に広場で様々なパフォーマンスが繰り広げられているので、興味がある人はぜひどうぞ。 台湾では、イベント情報の宣伝環境がよくないためか、結構いい出し物や展示なども見逃しがち、気がついたときにはもう終っていた、行きたかったのに、残念!と思うこともあります。「ARTCO」店では、特に芸術に関するイベントや催し物、展覧会の情報などは、常に店内の一部のコーナーに置いてあるので、食事やコーヒーがてら、パンフを手にすることもできます。
以上、台北ナビでした。